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『青い棘』

配給:アルバトロス・フィルム
オフィシャルサイト:http://www.aoitoge.com/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ダニエル・ブリュール
アウグスト・ディール
アンナ・マリア・ミューエ
トゥーレ・リントハート
ヤナ・パラスケ
ヴェレーナ・ブカル
ユリア・ディーツェ
クリストフ・ルーザー
マリウス・フライ
監督:アヒム・フォン・ボリエス
製作:シュテファン・アルント
原作:
  アルノ・マイヤー・ツー
      ・キュイングドルフ
原案:
  アネッテ・ヘス
 アレクサンダー・プフォイファー
脚本:
  ヘンドリック・ハンドレーグデン
撮影:ユタ・ポールマン
編集:
  ゲルガナ・フォイクト
  アンティエ・ツィンガ
美術:ウルリカ・アンダーソン
音楽:トマス・ファイナー

2004/ドイツ/35mm/ビスタサイズ
/ドルビーデジタル/1時間30分


イントロダクション
「今後のヨーロッパ映画を背負っていくであろう俳優ダニエル・ブリュール主演による、1920年代のドイツで起こった青春の暴走ともいうべき事件を描いたドラマ」
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 ヨーロッパ映画、フランス、イタリア、イギリスなどの作品は知っていてもドイツ映画となると意外に首をかしげる向きが多いかもしれない。でも、『ラン・ローラ・ラン』、『名もなきアフリカの地で』、『トンネル』、『マーサの幸せレシピ』、『飛ぶ教室』などを挙げればピンと来るかもしれない。壮大なドラマから児童ムービーまでミニシアター系の印象的な作品を結構生み出しているのだ。最近では『ヒトラー〜最期の12日間〜』もヒットしているし、なんといっても多くの方の記憶に残るのは『グッバイ、レーニン!』ではないだろうか。ベルリンの壁の崩壊に伴う東ドイツという国家の消滅。昏睡状態にあったため、そのことを知らない母。熱心な共産主義者である母のためにまるで東ドイツという国が存在するかのように振舞う息子の奮闘を描いた奇想天外で心温まるこの作品は世界中で熱狂的に受け入れられると同時に、若きスターも輩出した。それがダニエル・ブリュールである。今回紹介する『青い棘』はそのダニエル・ブリュール主演の作品である。
 『グッバイ、レーニン!』での健気な息子役でドイツのアカデミー賞にあたるローラ賞最優秀男優賞を受賞し、世界的な注目を浴びることになったダニエル・ブリュール。日本でも彼の魅力の虜になった方は多いだろう。実際、昨年(2004)の『グッバイ、レーニン!』公開を経て、今年(2005)になって『ベルリン、僕らの革命』、『ラヴェンダーの咲く庭で』(ピアノマンはどうなったのだろうか)、そしてこの『青い棘』と立て続けに彼の作品が公開されている。ちなみに2003年の彼の作品は『グッバイ、レーニン!』だけなのに対し、2004年は日本で公開された作品3本を含め全部で6本(短編1本を含む)の作品のほとんどに主演していることだけでも、彼の役者としての注目と成長が伺える(今後の作品も目白押しだ)。日本公開されていない作品にはコメントできないが(いずれ公開されるだろう)、公開された3本はいずれも質が高く、ダニエル・ブリュールの役者としての幅広さも感じ取ることが出来るものにもなっている。
 この作品『青い棘』でダニエル・ブリュールが演じる役は、1927年のドイツ(当たり前だがこの当時は統一国家だ)で起こった青春の暴走ともいうべき事件(“シュデークリッツ校の悲劇”として語られている)の当事者のひとりである。彼はこの演技で2004年ヨーロッパ映画祭 観客投票部門の最優秀ヨーロッパ男優賞を受賞している(これも彼の人気を物語るエピソードだろう)。
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 物語はひとりは内向的で文学を愛し、ひとりは上流階級出身で我がまま、傲慢な性格という寄宿学校の19歳の青年ふたりが主人公。彼らは若さゆえの潔癖さからある約束を交わす。週末、上流階級出身の青年と妹の別荘で開催された彼らと仲間によるパーティー。若さゆえのお酒と向こう見ずな行動という誰もが体験したことのある瞬間。その瞬間に何もかもが少しずつ変わり始めていく。そして、あの約束が行動に移されるときがやってくる、という内容だ。
 ここで交わされていた約束が当時のドイツ及びヨーロッパを震撼とさせたこの事件の鍵となる“自殺クラブ”であった。その内容を端的に表せば「愛のために生き、愛のために死ぬ」ということだ。それは愛を感じなくなったら死ぬ、しかもその愛を奪った者(ふった者)も道連れにするというあまりにも一方的なものだった。しかもそれが実行されてしまったという部分に最大の悲劇があった。そして、もうひとつの悲劇は生き残った者たちにも襲い掛かる。事件の残した影響やナチス党によるドイツの支配と第二次世界大戦への突入である。1920年代という第一次世界大戦の敗戦と第二次世界大戦への突入のつかの間、退廃的なデカダンスと呼ばれた空気に覆われていたからこそ生まれたベルリンという都市の文化的な隆盛、そうした部分と重なり、裏返るからこそ、この事件は大きな衝撃を与え続けているのだろう。その影響を物語るかのように、この事件の映画化はこの作品で3度目(前2作は日本未公開)となる。
 出演はダニエル・ブリュールの他、アウグスト・ディール、アンナ・マリア・ミューエ、トゥーレ・リントハート、ヤナ・パラスケなどドイツ、ヨーロッパで大きな注目を浴びる若手俳優たち。監督はこの作品が日本でのデビュー作となるアヒム・フォン・ボリエス。この作品を監督しようと思った理由について「このプロジェクトは愛に踊らされること、心の混乱についての現代的な物語だと思いました。」と語っている。
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 「ジジイになる前にくたばりたい」と圧倒的なパワーで演奏し、歌ったのはイギリスのロック・バンド ザ・フーだった。ドラマーのキース・ムーンはその通りにあっという間にあっちに逝ってしまった。ロック・ミュージシャンや小説家、芸術家にはそういう生き方をしてしまった連中も多く、その燃え尽きるような、線香花火の玉がボトンと落ちるような生き様に若さゆえの憧れを持つこともある。金持ちはその持ったものを思う存分に使い、退廃的、厭世的になり(例えば、石原慎太郎の小説だ)、貧乏人は反骨精神と瞬発力に全てを持っていくかもしれない。どちらにしろ、先なんか考えない、その瞬間を走り抜ける、若い頃にあこがれるのはそういう部分なのだ(でも、枯れた味わいを愛しいと思うのも若さだ)。この作品はその瞬間を美しい映像で、臭いくらいに切り取っている。そこに惹きつけられる方も多いだろう。 ただ、この作品はデカダンスな雰囲気を持った1920年代のベルリンを抜きにしては語れない作品でもあると思う。パーティーでのオカルト的な部分、レストランの雰囲気、若者を覆う倦怠感などは様々な時代に通じながらも、当時のベルリンをうまく描き出しているのではないだろうか。作品の最後にはこの事件で生き残った者のその後の人生が触れられている。個人的にはそこにも相当な興味を惹かれた(小説の翻訳は出ないのだろうか)。美少年の愛も描かれたその筋にはたまらない作品でもあります。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「それは狂気なのか、若さゆえの暴走なのか。夢破れた若者ふたりはある約束を実行に移す」
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 1927年のベルリン。寄宿学校での卒業試験を間近に控えていた労働者階級出身で文学を愛する内向的な性格のパウル・クランツ、上流階級の家庭に育ち、やりたい放題の傲慢な性格のギュンター・シェラーは自分たちが満たされるある瞬間を捜し求めていた。
 週末、ギュンターの別荘でパウルはギュンターの妹のヒルデに出会い、その美しさに魅了されていく。ヒルデは男を虜にする自分の美貌を知り、それを意識し、武器としていた。そして彼女には愛する人物がいた。
 翌日、別荘に色々な人々が集り、酒、SEXなどが入り混じった狂乱のパーティが始まる。よくあるパーティーだが、ヒルデはパウルのことなど意に介していなかった。一方、ギュンターも自分が望んだ最高の瞬間を失っていた。あの狂乱が嘘のようなパーティーの翌朝、ギュンターとパウルは互いに交わしていたある約束を実行に移すことにする。
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