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『ダック・シーズン』

配給:クレスト・インターナショナル
オフィシャルサイト:
http://www.crest-inter.co.jp/duck_season/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ダニエル・ミランダ
ディエゴ・カターニョ
エンリケ・アレオーラ
ダニー・ベレア
監督・脚本:
  フェルナンド・エインビッケ
プロデューサー:
  クリスティアン・バルデリエーブレ
脚本:パウラ・マルコビッチ
撮影監督:アレクシス・サベ
編集:マリアーナ・ロドリーゲス
美術:ディアナ・キロス
衣装、メイク:
  リッシ・デ・ラ・コンチャ
音楽:アレハンドロ・ロッソ

*2004年グアダラハラ国際映画祭
  最優秀メキシコ映画賞
  監督賞、主演男優賞
  主演女優賞、脚本賞
  作曲賞、音響賞
  国際批評家連盟賞受賞 受賞
*2004年AFIロサンゼルス
国際映画祭  作品賞 受賞
*2004年テサロニキ映画祭
  監督賞 受賞
*2005年メキシコ・アカデミー賞
  作品賞、監督賞、主演男優賞
  主演女優賞、脚本賞、撮影賞
  美術賞、編集賞、作曲賞
  音響賞、第一回長編作品賞
  受賞
その他、各種映画祭にて受賞

2004/白黒/35ミリ/1:1.85/
1時間30分


イントロダクション
「メキシコのアカデミー賞を独占、世界でも高い評価を受けたメキシコの新鋭監督による、オフビートでスタイリッシュでちょっとへんてこな“ひろいもの”というべき“愛すべき小品”」
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 ヨーロッパ映画の公開が少なくなる中、そのシェアを大きく拡げているのはアジア映画(その中心は中華圏と韓国)であることは多くの方がご存知だと思う。それと同時にヨーロッパ、ハリウッド、アジア圏以外への映画にも注目が集り続けている。その代表とも言うべき地域が中南米である。大ヒットした『セントラル・ステーション』、『シティ・オブ・ゴッド』などのブラジル映画、『ある日、突然。』などのアルゼンチン映画、『永遠のハバナ』などのキューバ映画、『天国の口、終りの楽園。』、『アモーレス・ペロス』、『イノセント・ボイス 12歳の戦場』などのメキシコ映画・・・・。本数が多いわけでも、大規模に公開されるわけでもないのだが、どれもが魅力的であり、中南米の持っている人間性、文学性、歴史の懐の深さを感じさせるものとなっている(中南米でひと括りにするのには無理があるのは分かっているが)。今回紹介する『ダッグ・シーズン』もそんな中南米映画の素晴らしさを感じさせる作品である。
 この『ダック・シーズン』はメキシコの作品である。世界を又にかけ活躍するメキシコ映画界の顔役ともいうべき『天国の口、終りの楽園。』のアルフォンソ・キュアロン監督(『タブロイド』、『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』などの作品のプロデューサーでもある)はこの作品について「今年1番のメキシコ映画だ!たくさんの人に観て欲しい。宝石のように素晴らしい。僕はこの映画を賞賛するよ。」と限りない絶賛を贈っているのだが、それに応えたかのように、この作品は2005年のメキシコ・アカデミー賞(アリエル賞)で作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など主要部門を含む11部門を受賞(対抗馬はメキシコ国内で大ヒットした『イノセント・ボイス 12歳の戦場』だった)。その評価はメキシコ国内だけに留まらず、AFIロサンゼルス国際映画祭2004の作品賞、パリ映画祭2005の審査員特別賞、ギリシアのテサロニキ映画祭の監督賞など多くの映画祭での受賞、評価にも現れている。となると、この作品はエンタテインメント性に満ちた作品なのか、アート的な作品なのかとなるのだが、いい意味で両方がブレンドされたような心から愛すべき小品である。
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  物語の主人公は出掛ける母親に留守番を頼まれた少年とその友人、そんな彼らの所にやって来た、オーブンが壊れたから使わせて欲しいというアパートメントの隣人の少し年上の女の子、お金を払うまで帰らないと居座ることになったピザ屋の配達の兄ちゃんの4人。本来なら少年たちはふたりで最高の1日を過ごせるはずだったのに、物語はこの4人を巻き込んでの何だか不思議な、切なくもハッピーな展開へとなっていく。そんな彼らを見守っているのが部屋の壁に架けられた湖の上をダックが飛び立つ様を描いた1枚の絵画。彼らを見守るこの絵画は同時に彼らを魅了し、彼らの人生、気持ちを羽ばたかせていくのだ。これが『ダック・シーズン』というタイトルに繋がっている。
  全編モノクロ、アパートメントの数室という限定された空間をうまく活かしたスタイリッシュな映像、オフビート感覚に満ちた物語展開など本当に素晴らしいこの作品を生み出したのは短編映画で数多くの賞を受賞し、ミュージック・ビデオの分野でも活躍してきたフェルナンド・エインビッケ監督。もちろん、初めての長編作品である。監督は「停電の時はいつも何か面白い事が起こる」と自らの子供時代もそうであった停電を脚本のきっかけにしている。しかし、その脚本は自らの生活にお金が必要になったことから、6年以上も引き出しの奥にほっとかれていたという。元々、出来るだけシンプルな、自分の力で作り上げられる作品にしたいという監督自身の気持ちから、作品は最少人数のスタッフにより、「アパートの部屋から出てはいけない」などという制限されたルール、公開日程の決定など様々なプレッシャーをかけながら撮影は進められたという。この手段が作品にいい効果をもたらしたことは間違いないだろう。
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  個人的な感想を書かせてもらえれば、年に数本は“愛すべき小品”、“ひろいもの”というべき作品に出会うことがある(1週間に4本ほど映画を観ている身の上での話)。この作品は正にそういった1本である。TVゲームに熱中し(これがビン・ラディンVSブッシュのシューティングもの!)、停電でTVゲームが出来なくなるとそれまでの盛り上がりも嘘のように会話が無くなる状況、ピザ代を賭け、いい大人と子供がこれまたTVゲーム(これはサッカー!)に熱中する様、何度となくケーキ作りに失敗し、キッチンをわが家のように占領する少女の行動、タイミングよく挟み込まれる思わず「クスッ」となってしまうまったりとしたユーモア、4人がなんとなく繋がっていくことによって生じるそれぞれが抱えた大なり小なりの悩みの告白と共有、ワンシーンが完成された写真のような美しい構図を持った映像(例えば、少年たちがゲームに熱中する様を捉えた固定の映像)、オープニングのジョアン・ジルベルトのカバーなど音楽のセンスの良さ、そして主役の4人の役者たちの素晴らしさ。物語展開ももちろん最高だ。映画が好きな友人この作品をネタに色々なことを話したい、話したら楽しいだろうなという要素が満載なのだ。
  作品は監督が大好きだというジム・ジャームッシュと小津安二郎に捧げられているのだが、正にそういったテーストに満ちている(特にジャームッシュ好きは必見だ)。中南米のメキシコから出た映画界の新たな才能のデビュー作でもあるが、何よりも「いやー良かった」と思うであろうこと間違いなしの“愛すべき小品”、“ひろいもの”として小さな声でお勧めしたい。オフビートな作品の好きな方、小粋な作品の好きな方など、ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「少年ふたりはTVゲームにコーラにピザと最高の1日を楽しめるはずだったのだが」
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 ある日曜日、出掛ける母親に留守番を頼まれたフラマとその友人のモコ。彼らは母親から昼食代わりの宅配ピザの代金をせびり、いなくなるとコーラを片手にTVゲームに熱中。そんな彼らの所にやって来たのが、オーブンが壊れたから使わせて欲しいというアパートメントの隣人の少し年上の女の子リタ。すったもんだの末、彼女はキッチンを少しの間だけ使用できることになる。ま、彼らにはTVゲームがあるので彼女の存在すら気にならないのだが、突然の停電が何度となく起こり、その興もそがれてしまう。そこで昼飯のピザを注文。ピザ屋の兄ちゃんウリセスは停電でエレベーターが使用できないため、8階まで階段を駆け上る。しかし、少年は30分に11秒遅れたと主張。ウリセスはそんなことはないと、こちらもすったもんだの末、金を払うまで帰らないということになる。結局、少年ふたりで楽しむはずの1日はオーブンを使いたいという少女、金を払うまでは帰らないというピザ屋の兄ちゃんを抱えることになってしまうのだが。
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