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『タブロイド』

配給:東北新社
オフィシャルサイト:http://www.tabloid-movie.jp/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ジョン・レグイザモ
レオノール・ワトリング
ダミアン・アルカザール
ホセ・マリア・ヤズピック
カミル・ルツリアーガ
監督、脚本:
  セバスチャン・コルデロ
プロデューサー:
  アルフォンソ・キュアロン
撮影: エンリケ・シャディアック
編集:ルイス・キャルバラ
美術:エウジェニオ・キャバレロ
衣装:モニカ・ルイジグラ
音楽: アントニオ・ピント

*2002年サンダンス国際映画祭
  NHK映像作家賞 受賞
*2004年
サン・セバスチャン国際映画祭
  特別賞 受賞
*2004年グァダラハラ国際映画祭
  最優秀作品賞、主演男優賞 受賞

2004/メキシコ、エクアドル/カラー
/ビスタサイズ/SRD/1時間38分

※プレゼントがあります。
締め切り:2006年1月4日(水)


イントロダクション
「南米エクアドル発、サンダンス映画祭が絶賛した、犯罪者の持つ2面性にマスメディアの在り方を組み合わせることによって描かれたスリリング且つ示唆に富んだ秀逸なヒューマン・サスペンス・ドラマ」
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 サンダンス国際映画祭への注目は以前ほどではない気がする。それは他に多くのインディペンデントな映画祭が生まれてきていること、サンダンス映画祭自体が大きくなりすぎたこと(暴露本なんかも出版された)が主たる理由だろう。サンダンス国際映画祭を作品のステータスのために利用するという声も聞くが、映画に関する情報が余り入ってこない国の、若手作家の秀作や傑作が登場するのは、この映画祭であることは変わっていないと思う。今回紹介する『タブロイド』もこのサンダンス映画祭で大きな注目を浴びた作品である。
  この作品『タブロイド』は南米のエクアドルから登場した作品である。南米大陸の北西に位置するエクアドルは国の北側をコロンビア、東と南側をペルー、西側を太平洋に囲まれている。この国で有名なものはガラパゴス諸島だろう。映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』の中でチェたちが行こうと思いながらも行けなかった場所でもあったガラパゴス諸島だが、その『モーターサイクル・ダイアリーズ』、『セントラル・ステーション』のウォルター・サラス監督(彼もサンダンスで注目を浴びた)、『シティ・オブ・ゴッド』というブラジル映画をはじめ、アルゼンチン映画『ある日、突然。』、『火星人メルカーノ』、東京国際映画祭でグランプリを受賞したウルグアイ映画『ウィスキー』、メキシコ映画『天国の口、終りの楽園。』など南米が発信する映画は規模は大きくないが、注目を浴び続け、今後もいくつもの作品が公開されていくようだ。これらの日本で公開されている作品のほとんどに共通するのはその国が持つ社会、経済的背景を描いているということだろう。この作品『タブロイド』の背景となるのもエクアドルという国の社会である。
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  物語の舞台は子供ばかりを狙った連続殺人鬼に震え上がるエクアドル。連続殺人鬼は「モンスター」と名付けられ、連日、新聞の一面をにぎわせている。この日も被害に会った子供の葬儀が執り行われていた。この事件を取材するためにマイアミからやって来た人気ジャーナリストとクルーはその現場で予想もしていなかった出来事に遭遇する。路上に飛び出してきた子供を車が撥ね殺し、その運転手がその場にいた住民や撥ね殺された子供の父親のリンチに遭ったのだった。悲劇的なことにその子供は「モンスター」に殺された双子のもう片方で、両親にとって残された唯一の子供だった。そして事故を起こした男の車には彼の子供も同乗し、近くには身重の妻もいた。車を運転していた男とリンチをした男は逮捕され、刑務所へ。翌日、刑務所を訪れたジャーナリストに事故を起こした男から「モンスター」しか知りえない、「モンスター」に関する情報がもたらされる。
  この作品『タブロイド』が映画監督第2作目となるセバスチャン・コルデロ監督はデビュー作を撮影してすぐにこの作品のアイデアを思いついたという。それはある精神病質者が犯したとてつもない連続殺人事件についてその妻が「夫は善人で、息子のよき父親です」と警察に説明しているのを知ったときだった。犯人である夫は妻にはもう一面の顔を見せず、妻もそこを全く知らなかったのだ。監督は「今までの映画の中の連続殺人犯はいつも同じように描かれるのが疑問だった。冷酷な殺人犯にも愛はあるし、家庭的な善人にも邪悪さがある」と語っている。この犯罪者の2面性という部分に興味を持つキャラクターとしてジャーナリスト(TVレポーター)を登場させることで物語の骨子は固まり、監督は脚本を書き上げる。この脚本はサンダンス国際映画祭でNHK国際映像作家賞を受賞し、『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』などのプロデューサーとしても活躍するアルフォンソ・キュアロン(『天国の口、終りの楽園。』)の眼にとまり、映画化はスタートした。
  出演は『ムーラン・ルージュ』、『ランド・オブ・ザ・デッド』のジョン・レグザイモ、メキシコの名優ダミアン・アルカザール、同じくメキシコで活躍するホセ・マリア・ヤズピック、『トーク・トゥ・ハー』、『死ぬまでにしたい10のこと』のレオノール・ワトリング。
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  猟奇殺人犯の心理状態を追った作品やその行動をミステリアスに描いた作品は数多いが、この連続殺人鬼を取り扱った作品『タブロイド』はそういった作品とは一線を画している。人気ジャーナリストが犯人らしき人物に接することで、スクープをものにするためにその心理状態を追ってはいるが、そこが物語の核とはならない。いや、核ではあるが他にも核が存在するのがこの作品の面白さである。そのもうひとつの大きな核はジャーナリズムである。『タブロイド』という秀逸な邦題もつけられているが、このジャーナリストはどちらかといえばきわどさを売りにした人気TVレポーターであり、事件を断面的に切り取っていく(これは全てのメデイアにかかわることだ)。映画のオープニングの壮絶なリンチのシーンも偶然その場に居合わせた彼は独自の視点を持ってその夜に放映する。彼は一躍スターとなり、そのリンチ事件の背景を探り始めると事故を起こした男(リンチを受けた男)から「自分を救ってくれるなら、「モンスター」に関する新しい情報を提供する」という取引を持ちかけられるのだ。そこに大きな臭いを感じ取った彼はコロンビアでの取材要請も投げ出し、男の周辺を調査し、子供を撥ねた事故についても独自の検証を重ねていく。男の評判は子煩悩、親切などとてつもなく良いものばかりである。しかも事故自体も男が原因でない可能性が強まる。彼が無実の罪でリンチを受けて収監されている可能性、それと共に男が「モンスター」である可能性、TVクルー内での論争、個人的な葛藤を経た末に出た結論は映画を観ての楽しみにして欲しいと思うが、相当に秀逸なメディア批判となっている。このエンディングをどう受け止めるかは個人差があるだろうが、その先をこちらに投げつけてきていることだけは確かである。ジャーナリズムに興味があるなら必見の作品だろう。まさに『タブロイド』なのだ。
役者のうまさも光っているが、物語展開の巧みさも見事である。特に男の心理描写を描いていきながら、それをジャーナリズムのモラルの問題へとするりと置き換えていく部分、スリリングな後半などは本当に素晴らしい。男が水辺で身を清めるように体を洗い流すというオープニングにみられるキリスト教に従事した生き方、空気の入っていないサッカーボールで子供たちが遊ぶシーン、留置場の映像、川の上のバラックに暮らす人々などエクアドルという国の生活も随所に閉じ込められており、この辺りも興味をそそるだろう。
  でも、何といってもこの作品は人間というものをうまく閉じ込めた、そしてメディアというものに一石を投じる秀逸なドラマだと思う。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「ジャーナリストは偶然遭遇したリンチ事件。リンチを受けた男は連続殺人鬼に関する新たなネタの提供と引き換えに釈放を求めるが・・・・」
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 男が水辺で体を清めている。男の名はビニシオ。聖書販売員である彼は車で走り出していく。その途中でビニシオは国民を恐怖に陥れている連続殺人鬼「モンスター」に関する新聞を買い、街中へと入っていく。そこでは「モンスター」の新たな被害者となった子供たちの葬儀が執り行われていた。
  「モンスター」の取材のためにマイアミからエクアドルへと入っていた人気TV番組のレポーターであるマノロとクルー2人はこの葬儀を取材していた。彼らは殺された少年の双子の弟に取材を試みたが、少年は急に駆け出し、車に撥ねられ、死亡してしまう。少年を撥ねたのはビニシオが運転する車だった。
  ビニシオは殺気立った住民たちと少年の父の手により、壮絶なリンチを受ける。ビニシオの息子、身重の母親はそれを止められず、警官も傍観している。それを止めたのはマノロのカメラだった。ビニシオとリンチを首謀した少年の父は刑務所へと運ばれていく。少年の父は苦労の末に手に入れたわが子ふたりを数日にして失ったのだった。
  前日の番組で壮絶なリンチの模様を放映したマノロはビニシオらを取材するために刑務所へと出向く。そこでマノロはビニシオから思わぬ情報を手に入れる。それは「モンスター」の犯罪に関する犯人か目撃者しか知りようもない大きなネタだった。そのネタと引き換えにビニシオは釈放を頼むのだが。
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