ホーム ライブラリー コラム プレゼント トレイラー ショップ 掲示板 会社概要
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
公開劇場一覧を別ブラウザで開きます。 前のページに戻ります

『恋に落ちる確率』

配給:アーティストフィルム、ビターズ・エンド
オフィシャルサイト:http://www.koi-kakuritsu.jp/


キャスト スタッフ データ
ニコライ・リー・カース
マリア・ボネヴィー
クリスター・ヘンリクソン
ニコラス・ブロ
ピーター・スティーン
イーダ・ドゥインガー
マーレン・シュワルツ
ヘレ・ファグラリッド
監督、脚本:クリストファー・ボー
プロデューサー:
 タイン・グルー・ファイファー
脚本:モーゲンス・ルーコフ
撮影監督:
  マヌエル・アルベルト・クラロ
編集:
  ミッケル・E・G・ニールセン
  ピーター・ブランド
ヴィジュアル・デザイナー:
  マーティン・デ・スラウ
コスチューム・デザイナー:
  ギャビ・フムニッキ
音楽:トーマス・ナック
※2003年カンヌ国際映画祭 カメラドール賞、批評家週間最優秀賞 受賞
※2003年アマンダ賞 北欧最優秀新人賞 受賞
※2003年シカゴ国際映画祭 撮影部門金賞 受賞
※2004年ソフィア国際映画祭 グランプリ受賞
ほか各地映画祭にて受賞

2003/デンマーク/シネスコ/ドルビーSRD/1時間32分


イントロダクション
「2003年度カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した北欧映画界の新星による、クールで解釈の自由さを持った運命の恋愛ドラマ」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
  当たり前のことだが、映画は世界中で製作、上映されている。様々な国、地域の映画があり、そういった属性で観る映画、好みに合う映画をセレクトしている人も多いのではないだろうか。ま、それだけのセレクトが出来る数の映画が劇場公開されたり、旧作から未公開ものまでDVD発売されているのが、今の日本の映画の状況なのだ。規模の大小はあるが、これって映画ファンにとっては幸せなことなのではないだろうか。今回紹介する作品『恋に落ちる確率』は、これも熱心なファンを抱える北欧映画の世界から現れた新星による長編デビュー作である。
 北欧映画は古くはイングマル・ベルイマン監督や、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』などのラッセ・ハルストレーム監督、“ドグマ”という撮影スタイルの開祖者のひとりである『ドッグヴィル』などのラース・フォン・トリアー監督など多くの才能を生み出している。最近も『エヴァとステファンのすてきな家族』、『幸せになるためのイタリア語講座』、『キッチン・ストーリー』、『しあわせな孤独』などの作品が日本でも劇場公開されている。作品のテーストとしては、観終わった後に温かい気分になったり、込み上げてくるような感動があったりする人間(家族)ドラマ、ミニシアター系が好きなら、見逃せないものが多い。もちろん、これらの作品は世界的にも高い評価を受け、ヨーロッパを中心に数々の映画賞を受賞している。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 この作品『恋に落ちる確率』はそういった温かみや感動とはちょっと違うスタイリッシュでクール、ある意味とらえどころのない、解釈の自由さも合わせ持った作品である。物語は、かわいいガールフレンドもいて、友人にも恵まれているアレックスという青年が作家を夫に持つ女性に出会い、運命的な恋に落ちていく24時間を描いている。こういう風に書くといたってシンプルな物語であるし、とらえどころのなさが伝わらないと思う。なぜ、とらえどころがないのか、解釈が自由なのかは、この作品の構成にある。物語はアレックスが運命的な恋に落ちる女性の夫である作家の語りにより始まる。最初はアレックスと女性がバーで出会うシーン。それは時間をつぶす孤独な女と孤独な男の出会い、ここから物語が始まるかというシーンだが、作家の一声により、物語は仕切り直され、設定はガールフレンドのいる男と作家である夫を持つ女性との物語へとスタイルを変える。このスタイルを変える際に、作家は「所詮、映画の出来事」とつぶやき、そして『RECONSTRACTION』というオリジナルタイトルが出てくる(この部分で、個人的には完全に「やられた」てしまった)。物語はこのあと“RECONSTRACTION”(再構築)が大きなテーマとなる。女性と運命的な出会いをしたアレックスが様々な局面に出会い、物語は動く。その動きの結果はどこかで観たシーンが反復されたり、あらぬ状況が生まれたりと、出来事自体が現実のなのか、所詮映画、架空のものなのか、過去の体験なのかと観る側も様々な解釈、再構築をしながら組み立てていくことが必要となっていくのだ。もちろん、物語の鍵となるであろうものも散りばめられている(例えば、作家であったり、僕らにも魔法をかけるかのような手品師であったり、主役の女性が二役だったり・・・・)。ただ、そんな風に現実と過去、想像などの時間軸が入り組んだ物語だからといっても、この作品は難解なわけではない。ものすごくクールな作品なのだ。そういった部分を象徴するのが、この作品のテーマ曲ともいうべきフレッド・アステアによる『夜も昼も(Night And Day)』と、まるで“ドグマ”のようなざらついたクローズアップの多用、場面の反復、上空から地図をマッピングしていくことにより登場人物の行動と場面の変化を切り替えていく手法など様々な映像表現である。こういったクールさは物語をスマートかつスピーディーに運んでいく。こういった部分と物語の持つ“RECONSTRACTION”が一体となることによって、難解のように思える内容も全く難解ではなく、次はどうなるのだろうかという面白さ、スピード感を生み出していく。どうしてこうなっているのかということも、個々の頭の中で自然と“RECONSTRACTION”されている。観終わった後は友人と話しをしたり、自分なりに更に“RECONSTRACTION”出来る。もう一度観れば、その幅は更に変化していくはずだ。難解なようで、全くそうではなく、考えが幾通りでも出てくる。そしてもちろん深い余韻も残す。これがこの作品の面白さである。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 この長編監督デビュー作で2003年カンヌ国際映画祭のカメラドール賞、批評家週間最優秀賞をはじめ、様々な映画祭で受賞及び高い評価を獲得したクリストファー・ボー監督は、この作品について「使い古された「アイ・ラブ・ユー」という言葉を初めて映画で告げるシーンを撮る、ありきたりなものに偽物ではない新しい生命を与える、愛の宣言の映画なのだ」と語っている。「アイ・ラブ・ユー」という言葉が陳腐なのは端から分かっているけれども、どうしても使わなければならないときもある。そのときの気分はそこに新たなものが拡がるのなら新鮮だ。で、この作品は恋愛物語ではなく、映画として圧倒的に新鮮な気分をこちらに吹き込んでくる。映像的にも、物語的にも、何度観ても魅了されるし、様々な解釈を生み出してくれるのだから。そんな素晴らしい作品『恋に落ちる確率』。ぜひ、劇場に足を運び、味わってください。   

ストーリー
「運命的な女性に出会い、恋に落ちるアレックスの運命」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
  青年の名前はアレックス。ガールフレンドのシモーヌ、彼女の父親との食事を早めに退席した彼は、シモーネと後で会う約束をして駅へと向かう。
 アイメは小説家の夫の連れ添ってコペンハーゲンにやってきている。ひとり執筆活動をする夫の残された彼女は街中へと出かけていく。
 アレックス向かった駅とアイメが向かった駅は同じ駅だった。ここでふたりは偶然出会い、視線を交わし、同じ列車の同じ車両に乗る。アレックスを追ってやってきたシモーヌ、アレックスはシモーヌと同じ座席に座るが、彼の視線はアイメを追い続け、彼女が降りた駅で、彼もガールフレンドを残し、飛び降りる。アレックスにとっての運命的な恋の物語はこうして始まった。
movilog
ピックアップムービー
サーチ
DVD比較はベストプライス


リンク
メールマガジン登録
神雕侠侶オフィシャルウェブサイト
ベクター・メディカルテック・ジャパン
*giggle
本サイトをご覧になりるにはFlashPlayerが必要です。 IE5.0以上推奨 画面サイズ推奨800×600以上 お問い合わせ先