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『ドッグヴィル』
配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ
オフィシャルサイト:http://www.gaga.ne.jp/dogville/

キャスト スタッフ データ
ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セヴィニー
ローレン・バコール
ベン・ギャザラ
ジェームズ・カーン
ステラン・スカルスゲールド
パトリシア・クラークソン
jyレミー・ディヴィス
ジャン・マルク・バール
フィリップ・ベイカー・ホール
ナレーター:ジョン・ハート
監督、脚本:
ラース・フォン・トリアー
製作:ヴィベケ・ウィンデロフ
製作総指揮:ペーター・オールベック・イェンセン
撮影監督:
アンソニー・ドッド・マントル
編集:
モリー・マレーネ・ステンスガード
プロダクション・デザイン:
ピーター・グラント
美術:カール・ユリウスン
衣装:マノン・ラスムッセン
音楽:ペール・ストライト
2003年カンヌ国際映画祭正式出品
2003年ヨーロッパ映画賞 監督賞 受賞


2003年/デンマーク/カラー/シネスコープ/SRD/2時間57分

イントロダクション
「鬼才ラース・フォン・トリアー監督が描くアメリカの寓話」
 1984年『エレメント・オブ・クライム』、1991年『ヨーロッパ』、1996年『奇跡の海』、1998年『イディオッツ』、2000年『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とデビュー以来、監督した作品のほとんどがカンヌ国際映画祭で受賞を果たすなど、圧倒的な評価と商業的な成功も獲得してきたデンマーク出身の映画監督ラース・フォン・トリアー。出演作を重ねるごとに表現力、演技力を増し、最近ではミュージカルの『ムーラン・ルージュ』、アカデミー賞主演女優賞を受賞した『めぐりあう時間たち』など名実ともにアメリカを代表する女優となったニコール・キッドマン。この2人の実力派が出会った驚愕すべき作品が、今回紹介する『ドッグヴィル』である。
 何年も前からラース・フォン・トリアー監督の作品へ出演を熱望していたというニコール・キッドマンだったが、実際に出演するとなるとラースの撮影に対する逸話、噂(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に主演した歌姫ビョークも二度と映画には出たくないと語った)から大きな不安が襲ってきたらしく「ラースについてたくさんの逸話、噂を聞いていたから、本当にはじめてスタジオに入ったときは怖かった。」と語っている。一方のラースは「『奇跡の海』を見たニコールが一緒に仕事をしたがっていると知り、僕が抱く彼女のイメージに当てて脚本を書いた。」と語っている。実際撮影に入ってからは「一週間は本当にめまいのするような毎日で全然ラースのことが理解できなかった。」と語るニコール。そんなふたりがお互いを理解しあい、魅力を感じるきっかけになったのは、ふたりきりでの話し合いのための散歩だった。実際、ラースはこの後からみんなをひとつに集めてのミーティングを始めるようになったという。それはもちろんお互いをよく理解し、完璧な映画を作るためであった。
 撮影ごとにたくさんの逸話や噂を残す完全主義者の映画監督ラース・フォン・トリアー。あの“ドグマ95”の発起人(『イディオッツ』はそのセオリーで撮影されている)でもある彼は常に観る者に「オー!」という驚きを与える今の映画界で最もとんがった(そして破壊的な)映画監督のひとりなのだが、今回の作品『ドッグヴィル』でも、正直、最初のシーンから口をあんぐりと開けっ放しになってしまった。なんとこの作品は床に線が書かれただけの舞台のようなセットのみで展開していくのだ。子供の頃に校庭や道路に書いて遊んだ壁も何もない架空の夢の家や町、そんな状態に最小限の家具などが置かれた空間がひとつの小さな村ドッグヴィルなのである。だから、ある人物の行動を撮っていてもその向こう側の家で生活する人が見えるし、村を歩いていけば、すべての家が覗けてしまう。正に演劇の舞台である。ただ、演劇の舞台と大きく違う点は色々な角度で切り取られていくカメラワークであろう。監督はこの舞台的なインスピレーションについて劇作家ブレヒトのミニマルな演劇に影響されているのを認めた上で「観客は何もないことをすぐ忘れてしまう。自分で町を想像していくし、もっと大事なのは人物に意識が集中できる。」と語っている。実際に映画が進んでいくとそういった違和感は感じなくなるし、逆に面白みも感じてくる。
 そして、作品のストーリーについては映画の冒頭で「9章のエピソードとプロローグからなる物語である」と説明される。これは小説のように説明(ジョン・ハートによるナレーション)を加えながら展開していく物語と考えてもらったもいいだろう。その物語の内容はアメリカという国の寓話である。前作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で一部のアメリカ人ジャーナリストから「行ったこともない国の映画を作った」と批判されたことに怒りを感じた監督は「アメリカの映画をもっと作ってやろう」と決意し、この作品を撮り上げたという。この作品のアメリカについて監督「僕自身の目から見たアメリカ、僕の心の中のアメリカだ。アメリカの話だけど、世界中どこにでも存在しうるスモールタウンの話でもある。」と語っている。この物語はあきらかにアメリカという国の寓話だが、確かに日本の小さな村の寓話にもなりうる話でもあるのだ。それは人間の持つ残酷さ、無情さの話でもあるからなんだろう。
 出演はニコール・キッドマン以外にも『ギャングスター・ナンバー1』のポール・ベタニー、『ブラウン・バニー』のクロエ・セヴィニー、『エデンより彼方に』のパトリシア・クラークソン、ハンフリー・ボガードの公私にわたるパートナーの名女優ローレン・バコール、カサヴェデス作品の常連だった名優ベン・ギャザラ、『ゴット・ファーザー』のジェームズ・カーン、『ミリオンダラー・ホテル』のジェレミー・デイヴィス、ラース作品の常連ジャン・マルク・バールなど錚々たる面々。撮影は『28日後...』の映像が圧倒的だったドグマにもかかわりが深いアンソニー・ドット・マントルが担当している。
 ドグマのセオリーからは外れているが、カメラワークなど確実にドグマ的な感触を持った作品なので、今までの彼のファンや映像という部分に興味を持つ人にはたまらない作品であるし、正直、それだけではあまりにも記号的すぎるかなと思える物語も役者たちの演技、圧倒的なセットにより大きな広がりを生み出している。公開と同時に今までにこんな映画を観たことがないという評価、アメリカの描写に対する批判などが巻き起こったという作品だが、ハリウッド映画のファンやニコール・キッドマンのファンはこのヨーロッパ的な作品をどう観るのか、気になるところです(演劇好きの人の評価も気になりますね)。個人的にはとにかく圧倒的な作品。しかも面白い。セットのスケール感を体感するには劇場のでかいスクリーンしかないと断言しますので、ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「ロッキー山脈の麓にある寂れていくしかない村ドッグヴィルの物語」
 ロッキー山脈の麓にある孤立した村ドックヴィル。この村から先はロッキー山脈しかないし、隣町からも離れている。そのため、ここに暮らすほとんどの住民はこの村を出ることはない。この村に暮らす住民は23人。元医者の父親と暮らすトム、妻と7人の子持ちでりんご農園を経営するチャック、村で唯一ゆえに暴利をむさぼる雑貨店を経営するジンジャー夫人、新品のグラスをビンテージのように加工することで生計を立てているヘンソン一家、そんなグラスやりんごを町へと運ぶ唯一の運送業者のベン、盲目であることを隠し続ける老人など誰もがどこか普通でない気質を持っている。その中でも唯一まともかもしれないトムはこの寂れていくしかない村を何とかしたいと考えていた。
 ある夜、トムが村を歩いていると町の方向から一発の銃声らしき音が鳴り響いた。その後、村にはひとりの美しい女性が何かから逃げるように現れる。彼女に助けを懇願されたトムは彼女廃坑にかくまってやる。その後、黒い車に乗ったギャングが現れ、女を見なかったかと問い詰めるが、トムはうまくやりすごす。新しい住人などやって来たことない行き詰まりの村ドッグヴィルに現れた美しい女性。この女性をギャングからかくまうために、トムは住民たちに条件付の提案をする。それは2週間で彼女が村人全員に気に入られたら、彼女をドッグヴィルに受け入れようというものだった。
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