「操縦不能になった気球を止めようとした献身的な行動。それがジョーの人生を狂わせるきっかけだった」
この日、大学教授であるジョーと彫刻家であるクレアは自然豊かな郊外へピクニックに出かけた。草原の中でシートを広げ、シャンパンの栓を抜こうとしたその時、彼らの傍を操縦不能になった気球が流されていく。追いかける老人、バスケットに取り残された少年。ジョーはその気球を何とか止めようと気球のバスケットにしがみつく。ジョーの他にもちょうどその現場に居合わせた男たち3人が加勢をするが、無常にも気球は男たち5人をぶら下げたまま、空へと舞い上がっていく。自分たちの身の危険を感じた男たちは気球から手を離し、地上へと飛び降りる。しかし、手を離さなかったひとりの男は力尽き、墜落死してしまう。男は献身的な姿勢で知られる医者だった。ジョーは自分が最初に手を離したのではないか、離さなければ、医者を助けられたのではないかと悩み続けていく。そんな時にあの気球の事件に関わった若き男であるジェッドから、あなたの気持ちはよく分かるので会おうという連絡が入る。そこからジョーの人生は大きく狂わされ始める。 |