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『Jの悲劇』

配給:ワイズポリシー
オフィシャルサイト:
http://www.wisepolicy.com/enduring_love/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ダニエル・クレイグ
サマンサ・モートン
リス・エヴァンス
ビル・ナイ
スーザン・リンチ
ジャスティン・サリンジャー
ヘレン・マックロリー
アンドリュー・リンカーン
監督:ロジャー・ミッシェル
製作:ケヴィン・ローダー
原作:イアン・マキューアン
脚本:ジョー・ペンホール
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
編集: ニコラス・ガスター
プロダクションデザイン:
  ジョン・ポール・ケリー
衣装: ナタリー・ウォード
音楽: ジェレミー・サムズ

*2004年ロンドン批評家協会賞
  英国男優賞 受賞

2004/イギリス/カラー/
シネマスコープ/1時間41分


イントロダクション
「世界的なベストセラーとなったブッカー賞受賞作家イアン・マキューアンの長編小説「愛の続き」を映画化したあまりにも不条理な、でも現実にありえるストーカーの愛と狂気の物語」
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 当たり前のことだが、人生というのはよく分からない。“人生とは定め”的な考えを持つ運命論者は自分の全く意図していない、関わりすらない状況に巻き込まれて、人生を終えてしまう人がいることをどう説明するのだろうかと思うこともある。でも、そういった出来事が現実的に増えてきている状況をみるにつけ、それも人生だと感じざる得ないときもある。今回紹介する作品『Jの悲劇』もまさにそういった人生を描いた作品である。
  この作品『Jの悲劇』は小説を映画化した作品である。その原作となるのが「アムステルダム」(新潮社刊)で“その年の最も優れた長編小説に与えられる、イギリス最高の文学賞”である“ブッカー賞”を受賞したイアン・マキュアーンによる長編小説「愛の続き」(新潮社刊)。自分では全く気づくことのない、身近に潜む恐怖を描き、世界的なベストセラーとなったこの作品はハリウッドのメジャースタジオがすぐに映画化件を取得し、その準備にかかるものの、小説持つ繊細な世界の映像化に難しさを感じ、頓挫。結局は映画化は宙に浮いた形となってしまう。出版前にこの「愛の続き」の原稿を読み「すぐに惚れ込んだんだ」と語るのが、結果的にこの『Jの悲劇』をプロデュースすることになるケヴィン・ローダーだった。原稿を読み、感銘を受けてから数年後、ローダーはこの原作をロジャー・ミッチェル監督(『ノッティングヒルの恋人』、『チェンジング・レーン』)に渡す。「一読してすごく気に入った」というミッチェル監督はすぐにイアン・マキューアンに連絡を取り、映画化について話し合った。イアン・マキューアンは「僕は自分の本が映画化されることに関してあまり心配はしない。本が出来上がったことで、仕事は終わっている。気になることは一体誰が映画化するのかということと、彼らのこれまでの経歴だ」と語っている。このことは映画化に際しての新たなキャラクターの創造、物語の細部の変更、カットなども良しとするという作家の了承でもある。実際、原作と映画は平行線を保ちながらもどこか違う感触を持ったものとなったものが多い。時には全く違うエンディングを持つものもある。映像と文章という表現の持つ差がそこに顕著に現れており、だからこそ、原作を超えた、超えない、別物という部分で評価が大きく左右されたりもするのだ。この『Jの悲劇』も原作を読んだ方からすれば、その差異が評価へと繋がっていく作品だろう。でも、読んでいない方はその物語を存分に楽しめるのではないだろうか。
  出演はダニエル・クレイグ(『シルヴィア』、『ロード・トゥ・パーディション』)、サマンサ・モートン(『モーヴァン』、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』)、リス・エヴァンス(『家族のかたち』、『ノッティング・ヒルの恋人』)、ビル・ナイ(『銀河ヒッチハイク・ガイド』、『ラブ・アクチュアリー』)、スーザン・リンチ(『カーサ・エスペランサ〜赤ちゃんたちの家』)など。
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  作品は端的に言ってしまえば、意味もなくストーカーに付きまとわれる男の物語、それも現実にありえるであろう相当な恐怖に満ちた物語である(作品の中でも触れられているが、これは特異な症状を持った男の物語でもある)。ただ、ストーカーに関しては数多くの物語が制作されており、辟易している方も多いのではないだろうか。それらの作品とこの作品が大きく違うのはストーカーに付きまとわれる主人公が大きな罪悪感に苛まれているということだ。その罪悪感を生じさせるのがあまりにもインパクトの大きなオープニング・シーンである。プロデューサーのケヴィン・ローダーが「今でこそ周知の事実だけど、この「愛の続き」の出だしの30ページは現代文学の中でもベストのオープニングだ」と語っているその部分をロジャー・ミッチェル監督は見事にスリリングに映像化している。そのシーンは郊外の草原へとピクニックにやって来た主人公の男性と彼女が腰を落ち着け、年代もののシャンパンを開けようとしたときに子供が乗ったまま、運転不能となった気球が風に流されてくるというものだ。気球を操縦していた少年の祖父、主人公の男、その場を偶然通りかかった男たちの5人は自らの力で気球を止め、少年を救おうとするが、無常にも気球はバスケット、ロープにつかまった男たちと共に空中へと舞い上がっていく。地上からどんどんと離れていく中、自分たちの身も心配し始めた男たちは手を離す。しかし、唯一手を離さなかった男は力尽き、墜落死してしまう。皮肉にも気球はその後、着陸し、子供は助かる。あの瞬間に俺が最初に手を離さなければ、墜落死した男は助かったのではないかという罪悪感に主人公が苛まれているときに、その気持ちは分かるよと近づいてきたのが助かった男たちのひとりだった。とにかく、物語の導入部としてのこのオープニングのシーンが素晴らしい。物語を全く知らなければ、これがストーカーの物語へと繋がっていくとも思えないだろうし、多分、罪悪感に苛まれた男、彼の彼女、死んだ男、その家族との係わりを描いていく物語になるのではないか、と感じるのではないだろうか。でも、人生とは当人にとっては全く意味のない、記憶にもないことでも、相手にとっては相当に深い意味を持つことがある、オープニングのシーンとその後の主人公の人生をストーカーがめちゃくちゃにしていく展開は人生の不条理さを表している。オープニング以降の展開には凡庸さを感じる部分もあるが、ストーカーを演じるリス・エヴァンスの狂気に満ちた演技などもあり、主人公へとじわじわと浸透していくような恐怖、そこから生じる狂気がうまく描かれている(その中でも個人的に印象に残ったのはストーカーが主人公に向かいビーチ・ボーイズの名曲「ゴッド・オンリー・ノウズ」を歌うシーンだ。こんなに印象的で、詩の意味合いが怖い(逆転した)「ゴッド・オンリー・ノウズ」は初めてだった)。リス・エヴァンスだけでなく、ダニエル・クレイグ、サマンサ・モートンなどの演技も素晴らしく、迫り来る恐怖に震え、上映終了後は考えさせられ部分もあるのではないだろうか。
  でも、この作品の勝因は原作と同様に何といってもあの気球のオープニングにあると思う。あのスリリングなシーンが見事に映像化されたからこそ、この作品は独特の緊迫感が乗り移ったかのようなものになったのだと思う。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「操縦不能になった気球を止めようとした献身的な行動。それがジョーの人生を狂わせるきっかけだった」
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 この日、大学教授であるジョーと彫刻家であるクレアは自然豊かな郊外へピクニックに出かけた。草原の中でシートを広げ、シャンパンの栓を抜こうとしたその時、彼らの傍を操縦不能になった気球が流されていく。追いかける老人、バスケットに取り残された少年。ジョーはその気球を何とか止めようと気球のバスケットにしがみつく。ジョーの他にもちょうどその現場に居合わせた男たち3人が加勢をするが、無常にも気球は男たち5人をぶら下げたまま、空へと舞い上がっていく。自分たちの身の危険を感じた男たちは気球から手を離し、地上へと飛び降りる。しかし、手を離さなかったひとりの男は力尽き、墜落死してしまう。男は献身的な姿勢で知られる医者だった。ジョーは自分が最初に手を離したのではないか、離さなければ、医者を助けられたのではないかと悩み続けていく。そんな時にあの気球の事件に関わった若き男であるジェッドから、あなたの気持ちはよく分かるので会おうという連絡が入る。そこからジョーの人生は大きく狂わされ始める。
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