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『マンダレイ』

配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマ
オフィシャルサイト:http://www.manderlay.jp/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ブライス・ダラス・ハワード
ダニー・グローヴァー
イザーク・ド・バンコレ
ウィレム・デフォー
ローレン・バコール
クロエ・セヴィニー
ゼルイコ・イヴァネク
ジャン=マルク・バール
ジェレミー・デイヴィス
テディ・ケンプナー
ルエラ・ギデオン
ジニー・ホルダー
モナ・ハモンド
クライヴ・ロウ
エマニュエル・アイドウ
ジャヴォン・プリンス
スゼット・ルウェリン
ジョセフ・マイデル
監督、脚本:
  ラース・フォン・トリアー
プロデューサー:
  ヴィベケ・ウィンドロフ
撮影:
  アンソニー・ドッド・マントル
編集:
  モリー・マレーネ・ステンスガード
美術監督:ピーター・グラント
衣装デザイン:マノン・ラスムッセン

2005/デンマーク/カラー/
シネマスコープ/
ドルビーSR、ドルビーデジタル/
2時間19分

※プレゼントがあります。
締め切り:2月19日(日)


イントロダクション
「鬼才ラース・フォン・トリアーが傑作『ドッグヴィル』に続いて放つ“アメリカ3部作”の第2弾、舞台はあの閉鎖的な忌むべき村ドッグヴィルから、奴隷制が根強く残る南部の農園マンダレイへ」
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 昨年末(2005)には脚本を担当した『DEAR WENDY<ディア・ウェンディ>』も公開されたラース・フォン・トリアー。今ではそのスタイル自体が語られることすらなくなってきたが、当初は映画界に大きな話題を提供した「ドグマ95」の創設メンバーであり、『奇跡の海』、世界中で日本が最もヒットしたとも言われる、歌姫  ビュークが主演したカンヌ映画祭パルムドール受賞作品『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などを送り出している映画界の鬼才監督である。中でも2年前に公開された『ドッグヴィル』は広大な舞台的セットでの撮影、内包するテーマなどで様々な波紋を巻き起こした。そんな彼の最新作『マンダレイ』が公開される。
 『ドッグヴィル』という作品の持つインパクトを記憶している方は多いだろうが、その作品が“アメリカ3部作”の第1弾であったことを憶えている方は少ないのではないだろうか。この『マンダレイ』は“アメリカ3部作”の第2弾となる作品である(ちなみに彼は“ヨーロッパ3部作”と称される作品(『エレメント・オブ・クライム』、『エピデミック〜伝染病』、『ヨーロッパ』)も撮っている)。“ドッグヴィル”という(架空の)閉鎖的な村をああいった形で飛び出した(葬った)主人公の女性は偶然、新たな地へとたどり着く。そこは“マンダレイ”という奴隷支配により成り立っている大規模な農園である。時代は1933年。奴隷制はすでに70年も前に終わっているはずなのに、未だにそれが維持されていることに女性は怒りを感じ、奴隷たちを解放し、自立させようという心から湧き上がってきた正義感、使命感を実行しようとするのが、この『マンダレイ』の物語である。
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  『ドッグヴィル』では主人公の女性は村人たちに繋がれ、監視される奴隷のような扱いであったのだが、この『マンダレイ』では逆に彼女が監視者(管理者)となり、奴隷たちに自治のあり方を教え、それまで奴隷を支配していた家の主たち(白人)を支配する。白人たちにはある期間をうまくやり通せたたら自由を与えるという約束が与えられているが、これは『ドッグヴィル』での彼女の置かれた立場とほぼ逆転している。そして、ここから必然的に浮かんでくるのが、アメリカによるイラク統治などのプロセスである。アメリカがイラクなどで行っていることは“自由を、民主主義を世界に拡げる”という現在の政権の持つ基本的なスタンスである(裏に石油や企業が絡んでいるという諸問題はここでは無視しよう)。それは当時者以外から眺めれば、正義の押し売りに感じるかもしれないが、当事者にすれば有無を言わせぬ余地のない正義である。そもそも崇高な理想こそがアメリカという国を作り上げてきたという自負もあるはずだ。ラースはこのことについて「人はブッシュについて多くの良くないことを口にする。だがその中に彼の心があると、彼が自分のしていることを信じきっているとは、考えないのだろうか?なぜブッシュが我々をごまかすのか?それはこの方法で物事が改善されると彼が本当に考えているからだ。そこに疑いの余地はない。」と語っている。この明確な発言と同様にこの作品『マンダレイ』は明確なテーマを持った作品となっている(様々な受け止め方は出来たかもしれないが『ドッグヴィル』もストレートすぎるくらいの明確さがあった)。要するに主人公の女性は自分の、アメリカという国の理想を信じ、押し付けていくわけだ(見方ではそれは正しい道筋でもあるのだ)。
  もうひとつ加えると、アメリカの奴隷制が法的に廃止されたのは1865年である。彼女が70年前に奴隷制は終了したとするのは確かなのだが、実際はそこで培われた黒人も含めた異人種への差別的な感情は延々と延々と続いている(例えば、この3月に公開される『クラッシュ』を観てほしい)。法的な奴隷は終わっても、実質的な奴隷状態はこれもずっと続いていく。主人公の理想は崇高だが、それを覆せない現実が横たわっているし(作品にも少し現れる)、そういった現実を抱える国が自由を世界に広げるとは・・・・という揶揄的な態度をここに感じることも出来る。ここにはある種のパラドックスが存在しているのだが、ラースは物語の結末に更なるとんでもないパラドックスを用意している。これを人間のひとつの本質とみるのか、そこを突いた強烈なブラック・ジョークと感じるのかなどは作品を観て、感じ取って欲しい。
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  主人公には前作と同様にニコ−ル・キッドマンを想定し、脚本は書かれたが、彼女が降板したため、『ヴィレッジ』でスクリーン・デビューを飾ったブライス・ダラス・ハワードが抜擢された。ニコールも素晴らしかったが、ブライスも困惑しながらも自らの意思で突き進んでいく主人公を好演している。その他の出演はローレン・バコール、クロエ・セヴィニーという『ドッグヴィル』出演者やダニー・グローヴァー、ウィレム・デフォー、イザーク・ド・バンコレなど。
  舞台上に線が引かれ、壁などの遮蔽物を排した斬新なセット、ナレーションにより物語られる章立てされた展開(今回は8章)は前作と同様である。その分、セットに対する斬新な気持ちはなくなっているが、テーマ、物言いがより明確になっている物語展開にはラースのはっきりとした意図が感じられる。作品のラストで主人公はその歩をアメリカの首都であり、政治的な象徴でもあるワシントンへと向けていく。この『ワシントン』と題されている最終章のテーマは次期大統領選(2008)に左右される可能性も考えられるが、デヴィッド・ボウイの「ヤング・アメリカンズ」に乗せて綴られるエンディング・テロップも『ドッグヴィル』とほとんど変わっていないことを考えるとラースの中で描きたいことはすでにほぼ出来上がっているのではないだろうか(そこではあえて挑発するように明確にしている物言いが更に明確になるだろう)。そして『ワシントン』が完成し、この3部作を改めて観たときにこれらの作品の真価が発揮されるはずだ。またしても評価が割れる作品になるだろうが、あの『ドッグヴィル』を気に入ったなら、ぜひ劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「あの閉鎖的な村ドッグヴィルから、奴隷制が根強く残る農園マンダレイへ」
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 時代は1933年のアメリカ。ドッグヴィルを抜け出し、自らの町へと戻ったグレースと父親のギャングたちはそこに居を構えることが出来ず、新たな地を求めて、南部へと向かい続けていた。
 ある夜、彼らは「マンダレイ」と彫られた石碑が飾られている農園の前に駐車する。束の間の休息のはずだったが、そこにひとりの黒人女性が「彼を助けて」と門から飛び出してきた。農園ではひとりの黒人男性が鞭打ちの刑を受けていたのだった。すでに奴隷制は終焉しているはずなのに、この農園では未だに奴隷制が活き続けているのだ。「奴隷制は白人社会が生み出したものだから責任を取らなければならない」という理想主義的な考えから、グレースはこの事態を収拾するために父親を説得し、選び抜いた部下たちとこの農場に残り、奴隷たちの自立を即し、支配者だった白人たちに平等の意識を根付かせようとする。理想に裏打ちされたグレースの奮闘が始まるが、状況は混迷を極めていく。
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