ホーム ライブラリー コラム プレゼント トレイラー ショップ 掲示板 会社概要
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
公開劇場一覧を別ブラウザで開きます。 前のページに戻ります

『クラッシュ』

配給:ムービーアイ
オフィシャルサイト:
http://www.crash-movie.jp/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
サンドラ・ブロック
ドン・チードル
マット・ディロン
ジェニファー・エスポジト
ウィリアム・フィットナー
ブレンダン・フレイザー
テレンス・ハワード
クリス“リュダクリス”ブリッジス
サンディ・ニュートン
ライアン・フィリッ プ
ラレンツ・テイト
ノナ・ゲイ
マイケル・ペニャ
ロレッタ・ディヴァイン
ショーン・トーブ
ビヴァリー・トッド
キース・デヴィッド
バハー・スーメイク
監督、原案、脚本:
  ポール・ハギス
製作:キャシー・シュルマン
    ドン・チードル
    ボブ・ヤリ
    マーク・R・ハリス
脚本:ボビー・モレスコ
撮影監督:
  ジェームズ・ミューロー
編集:ヒューズ・ウィンボーン
プロダクション・デザイン:
  ローレンス・ベネット
衣装デザイン:リンダ・バス
音楽:マーク・アイシャム

*2005年ドーヴィル映画祭
  グランプリ 受賞
*第9回ハリウッド・フィルム
  ・フェスティバル
  ブレイクスルー監督賞 受賞

2005/アメリカ/カラー/
スコープサイズ/SRD/1時間52分


イントロダクション
「誰もが当たり前のように持つ他人への見知らぬ恐怖と差別を描いた心震える群像劇。『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家ポール・ハギスの素晴らしい映画監督デビュー作」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 2004年のアカデミー賞で作品賞、監督賞など主要4部門を受賞、蛇足かもしれないがこのサイトで募集した“最高の映画、期待はずれの映画2005上半期編”でも“最高の映画”部門の第1位を獲得した作品『ミリオンダラー・ベイビー』。昨年、日本で公開された作品の中で最も感銘を受けたもののひとつという方もきっと多いだろう。この作品で劇場用映画の脚本家デビューを果たしたポール・ハギスの映画監督デビュー作が公開される。それが今回紹介する『クラッシュ』である。
 日本では無名の存在だが、ポール・ハギスは70年代から数多くのTV番組の脚本家、製作者、デイレクターとして活躍していた。彼は多くの傑作を生み出してきたが、中でも「Due South」、「EZ Streets」というTVシリーズは数多くの名誉ある賞と高い評価を獲得してきている。彼がこうした圧倒的な評価と安定を獲得していたTVの世界を離れ、映画への参入決意をしたのは2000年、50歳を目前にしてのことだった。その時に彼が手掛けていた脚本のひとつが『ミリオンダラー・ベイビー』であり、もうひとつがこの『クラッシュ』だった(『クラッシュ』は彼の友人であるボビー・モレスコと共に書き上げている)。
  『ミリオンダラー・ベイビー』は衝撃的な作品であったが、そうした衝撃ではこの作品『クラッシュ』も劣ることがない。いや、それ以上の衝撃をもたらす作品であるかもしれない。この作品が描くのはロサンゼルスという都会に暮らす人々のほぼ1日という時間の中で生み出される鎖状に絡まったドラマである。主たる登場人物たちはアフロ・アメリカンの刑事、ラテン系の女性刑事、若いアフロ・アメリカンの青年、家族を支えるために寝る間を惜しみ働くアフロ・アメリカンの男、すでにTVディレクターとして地位を確立しているアフロ・アメリカンの男とその妻、差別主義者の白人警官とその同僚、白人の地方検事とその妻、雑貨店を経営するペルシャ人の男とその家族である。見ず知らずの彼らの人生はこの都会で交わっていく。交わりは偶然ではあるが、必然的な要素が絡んでくる。それがこの作品の大きなテーマの見知らぬ人への恐怖が生む差別であり、それが生み出すもの、タイトルでもある『クラッシュ』なのである。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
  ロサンゼルスに25年間住んできたハギス監督は人々が日々の生活でお互いを差別することを目の当たりにしてきた。その差別は大っぴらではなく、それが存在していないように振舞うことで成り立っていたという。ハギス監督がこの作品の脚本を書き上げようと思ったきっかけとなったは、自らが銃を突きつけられ、カージャックされたことだった。家に戻り、恐怖から家の鍵を全て交換した彼はその男たちについて考え始め、数年後に彼らの視点から、物語を書き始める。そんな頃に起こったのが9.11の同時多発テロだった。この事件は人々の隣人の見方さえ大きく変えてしまう。あまりの事の大きさから見えない恐怖と目に見える差別意識が沸き起こってきたのだった。9.11以前でも当たり前のように存在し続けていた見知らぬ恐怖と差別、それが浮かび上がってきたのだった。
  『クラッシュ』という作品は映画ならではの醍醐味である循環する群像劇となっている。そこに現れるシーンには相当な嫌悪感を感じざる得ない。建国から移民という存在で成り立ってきた国家であるアメリカ、その移民の多くが集まる大都会ロサンゼルスで差別主義者の警官はこれ見よがしにアフロ・アメリカンを緊急停止させ、屈辱的な取調べを行なう。アフロ・アメリカンの若者は銃を手にカージャックを繰り返す。カージャックにあった白人の地方検事の妻は黒人への不信感に凝り固まる。屈辱的な取調べを受けたアフロ・アメリカンの地位ある男は警官はもちろん、真っ当に働かない黒人の若者たちへの苛立ちを隠さない。ペルシャ系の男の店はイラク人と間違えられ、襲われ続ける。そんなことから男は不信感と苛立ちを募らせている。彼らは皆、アメリカ人であり、アメリカという国を支えている礎である。でも、その礎がいかにもろいかということ、そのもろさの要因である不信と恐怖をこの作品は見事に描き出している。この不信はと恐怖は武器(銃)へと結びついてもいくのだ。ここに描かれたものはアメリカに暮らす人々にとってきっと他人事ではないだろう。それを明確に突きつけたという部分でもこの作品は想像を超えた力を持っている。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
  作品はドラマだからこそ、登場人物たちを想像もしなかった道筋へと運んでいく。例えば、人種差別主義者の警官には悪漢のままでは終わらないファンタジック、希望とも思えるような展開が待ち受けているし、良心的だと思われていた人間には思ってもみなかった落とし穴、絶望が待ち受けていたりもする。英雄や良心的な人間がそのままで終わるわけではないし、悪漢がずっとそのままであるわけでもない。ここには紙一重のような人生と人間の存在が描かれている。オープニングでドン・チードル扮する刑事は「人々はぶつかりたがっているんだ」と呟くが、この呟きは映画の中で描かれているアメリカにとっても、日々をこうして生きている僕たちにとっても他人事ではない意味深い言葉だ。
  アメリカ人にとっては相当に切実な世界を描いた作品だが、日本人である僕たちのとっても決して対岸の物語ではないものであるし、群像ドラマとしても素晴らしい出来栄えの作品となっている。社会派の作品やヒューマン・ドラマが好きなら、ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「様々な人種で構成されたアメリカ人ガ暮らす都市ロサンゼルスを舞台に起こる1日のドラマ」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 深夜のロサンゼルス、黒人刑事のグラハムと同僚で恋人でもあるスペイン系のリタは交通事故に巻き込まれていた。事故を起こした車を運転していた中国系の女性はリタに対し、人種差別的な言葉を捲くし立てながら、自分の非を認める気などは一切なかった。その事故現場の横ではアフロ・アメリカンの若い男性の死体の捜査が行なわれていた。
  物語はその前日へと遡る。ペルシャ人の雑貨店経営者はイラク人と間違えられ、度重なる強盗や中傷を受け、疑心暗鬼になり、護身のための銃に手を伸ばそうとしていた。繁華街では白人の地方検事とその妻が若いアフロ・アメリカンによるカージャックに遭い、妻は全てのアフロ・アメリカンに対する憎悪を、家の使用人や鍵の修理に来た男などにも構わずにむき出しにしていた。一方、白人警官はアフロ・アメリカンの運転する車を緊急停止させ、嫌がらせのような取調べを行なっていた。同僚の白人警官はそこに嫌悪を感じていた。彼らの人生はこれからの1日という時間の中で交わり、思わぬ方向へと向かっていく。
movilog
ピックアップムービー
サーチ
DVD比較はベストプライス


リンク
メールマガジン登録
神雕侠侶オフィシャルウェブサイト
ベクター・メディカルテック・ジャパン
*giggle
本サイトをご覧になりるにはFlashPlayerが必要です。 IE5.0以上推奨 画面サイズ推奨800×600以上 お問い合わせ先