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『DEAR WENDY ディア・ウェンディ』

配給:ワイズポリシー、シネカノン
オフィシャルサイト:
http://www.wisepolicy.com/dear_wendy/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ジェイミー・ベル
ビル・プルマン
マイケル・アンガラノ
クリス・オーウェン
アリソン・ピル
マーク・ウェバー
ダンソ・ゴードン
ノヴェラ・ネルソン
トレヴァー・クーパー
ウィリアム・フーキンズ
テディ・ケンブナー
トマス・ボー・ラーセン
監督:トマス・ヴィンターベア
製作:
  シッセ・グラウム・ジョーゼンセン
脚本:ラース・フォン・トリア
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
編集:ミケル・E・G・ニールセン
プロダクション・デザイン:
  カ−ル・ユリウスン
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ

*2005年モスクワ国際映画祭
  監督賞 受賞

2005/デンマーク/35mm/カラー/
1:1.66/ドルビーSRD/1時間45分

※プレゼントがあります。
締め切り:2006年1月9日


イントロダクション
「ラース・フォン・トリーアとトマス・ヴィンターベア、あの「ドグマ95」の創設者がコラボレーとして生み出した、現実を告発したかのような拳銃への愛情が生み出す一風変わった青春ドラマ」
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 人間が他の動物と違った理由のひとつに「道具を使用する」ということがある。「道具を使用する」という行為は人間の行動範囲を大きく広げていき、人間に安心感も与えてきた。例えば、それがあれば安心するという道具は誰もが持っているだろう。今回紹介する『DEAR  WENDY<ディア・ウェンディ>』はそうした道具が大きなキーとなる一風変わった青春ドラマである。
 この作品『DEAR WENDY<ディア・ウェンディ>』で大きなキーとなる道具は拳銃である。一級品の道具を扱った雑誌が人気を博していることからも分かるように道具は色々な意味で人を魅了し、染めていく。例えば、人生の敗者や弱者が銃を手にしたら、どんな気持ちになるだろうか。それを手にするだけで自分が強者になった気持ちを持つかもしれないし、銃弾を発射することによって、想像を逞しくし、ストレスを発散できるかもしれない。いや、そんなことは考えずに有無を言わせず強者に対して復讐をするかもしれない。この『DEAR WENDY<ディア・ウェンディ>』が描くのは正にそういった内容である。
  物語の主人公はひとりの青年。アメリカの小さな炭坑町で育った彼は学校を卒業後、父親の勤める炭坑に入るが、エレベータで下に着くと同時に地上へと戻ってしまう。彼曰く「意固地で、体が弱く、繊細」なので炭坑には向かない。その彼を優しく迎えるのは使用人の黒人女性。彼女は彼にはやるべきことが別にあると信じている。ある日、彼女は孫の誕生日に出席するように彼に勧める。気乗りがしないままに、プレゼントとして選んだのは玩具屋のショーウィンドーにつるされっぱなしになっていた古びた玩具の拳銃。結局、拳銃はプレゼントしなかったのだが、その拳銃が彼に思わぬ変化を与えていく、というものだ。
  玩具だと思っていた拳銃は本物ということを同僚の拳銃マニアに指摘され、彼はその拳銃にどんどんと魅了され“WENDY<ウェンディ>”という名前をつける。作品のタイトルは主人公の愛した忘れえぬ人物ではなく、拳銃なのだ。炭坑で働かなければ男じゃないという町で拳銃は彼らにとって自信の源であり、自分を自分たらしめる存在へとなっていく。
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  この作品の脚本を書いたのは奇才ラース・フォン・トリーア。監督はラースの盟友でもあるトマス・ヴィンターベア。映画界に衝撃をもたらした「ドグマ95」の創設メンバーである彼らは「ドグマ95」のスタイルに則った作品を撮る一方、そこからはみ出した作品も撮ることで大きな評価を獲得してきている。特にラースは作品発表ごとに大きな話題を提供する類稀な映画監督でもある。ラースは「もともと自分で監督をしようと思っていたのだが、この作品には現実的なトーンが不可欠だったので自分が監督をするには危険性を伴うかもしれないと感じ」トマスに脚本を預けたという。トマスはその脚本はもちろん「仕事へのアプローチが違うふたりがコラボレーとすることに魅力を感じ」、脚本に手を加えていく。そして生まれたのが青春ドラマであり、寓話的であり、社会批判にも受け取れる様々な意味合いが入り込んだこの作品だった。
  出演は『リトル・ダンサー』の少年役が印象的だったジェイミー・ベル、『さよなら、さよならハリウッド』、『ボム・ザ・システム』のマーク・ウェバー、『エイプリルの七面鳥』のアリソン・ピル、『遠い空の向こう』のクリス・オーウェン、『シービスケット』のマイケル・アンガラーノ、『ロスト・ハイウェイ』のビル・プルマンなど。映画の全編を彩る音楽は「ふたりのシーズン」など今でも熱狂的なファンを持っている60年代のブリティッシュ・ロック・グループ ゾンビーズの曲の数々。ラースは「この作品はゾンビーズのサウンドとエモーションからインスパイアされた」と語っているが、作品中ではゾンビーズの曲がストーリーと寄り添い、登場人物の気持ちを補うように使用されている。
  最初に青春ドラマと書いたが、この『DEAR WENDY<ディア・ウェンディ>』はこの炭坑町の負け犬(ルーザー)たちが拳銃を手にすることによって自信と勇気を手にする前向きで、無邪気な物語である。彼らは子供たちのように、最初は拳銃の試し撃ちの場であった廃坑を自分たちの秘密基地とし、秘密結社まで作る。図書館があったり、銃創に関してビデオを見ながら勉強したり、自らが興味のある研究を発表したりとその状況を楽しみまくる。大人たちもそれを暗黙に認めている。彼らは平和主義者である。平和主義者だから拳銃を持つことに対する嫌悪感は人一倍だったが、拳銃を持つことで拳銃が平和を壊すのではなく、拳銃は自分たちの心の糧になるとも気付く。拳銃で彼らは自分たちを成長させ、安定させていくのだ。でも、それは思わぬ新参者の登場で崩れていく。それは拳銃の登場で満たされていたはずなの人間の欲望、嫉妬が出てくるということでもある。
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  一方、この作品は明確な銃への批判、転じてアメリカへの批判にも満ちている。それはいくら平和主義者でも銃を持てばどうなるのかという、銃社会という危うさの告発である。ラースが「自分が監督をするには危険性が伴うかもしれない」と考えたのは、このアメリカの現実が色濃く出てしまうことを示しているのだろう(そういう意味ではこの作品は『ドッグヴィル』とも連なりを持っているのだ)。トマス監督は逆にこのアメリカの現実を若者の成長を前面に押し出すことでうまい具合に蓋をしている。その蓋の閉じ方は作品に寓話的な味わいをもたらしている。作品のラストは西部劇&アメリカン・ニューシネマ的な展開となっていく。ここでの彼らはヒーローだがそれは彼らが望んだものではなかったのかもしれない。たまたま、拳銃があったためにもたらされた小さな英雄譚であり、小さな悲劇である。
  「ドグマ95」のスタイルに則った作品ではないが、映像にはそのセンスが存分に残っているし、現在なのに現在でない架空の雰囲気を持ち出した色彩なども本当に美しい。物語も実は相当に奇妙な展開を持っているのだが、そういった部分を感じさせず、ユーモアもブレンドしながら、小気味よく進んでいく。「ドグマ95」の異才が生み出した現実を告発したかのような青春ドラマ『DEAR WENDY<ディア・ウェンディ>』、ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「炭坑夫こそが男の小さな町でそこからはずれた若者。彼はある拳銃に出会い、その魅力に取り付かれていく」
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 炭坑夫として生きることこそが男として認められる唯一の道である小さな町に生まれ育ったディックは学校卒業と同時に炭坑で働き始めるが、それが肌に合わず、すぐに辞めてしまう。彼が働き始めたのは強盗に怯える店主がいるスーパーマーケットだった。孤独な彼を唯一慰めるのは使用人の黒人女性クララベル。彼女はディックは将来やるべきことがあると信じ、言い聞かせている。
  ある日、ディックはクララベルに孫のセバスチャンの誕生パーティーに行くことを「友人も出来るかもだから」と強要される。仕方なく、セバスチャンへのプレゼントを探すディック。彼が選んだのは古い玩具屋の店先にずっとぶら下げられていた拳銃だった。でも、平和主義者のディックはその拳銃ではなく、結末が破れた本をプレゼントする。
  数年後、彼の父親が亡くなる。クララベルも使用人の仕事を辞め、母もいないディックは天涯孤独の身となる。そんな彼が見つけたのがあの拳銃だった。一緒にスーパーで働く、拳銃マニアのスティーヴによりそれが玩具でなく、本物であることを告げられた彼はその拳銃に“ウェンディ”と名づけ、魅力に取り付かれていく。そして、その魅力は彼自身も変えていく。
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