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『かもめ食堂』

配給:メディア・スーツ
オフィシャルサイト:
http://www.kamome-movie.com/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
小林聡美
片桐はいり
もたいまさこ
ヤルッコ・ニエミ
タリア・マルクス
マルック・ペルトラ
監督、脚本:荻上直子
プロデューサー:前川えんま
           天野眞弓
企画: 霞澤花子
原作:群ようこ 『かもめ食堂』
     (幻冬舎刊)
撮影:トゥオモ・ヴィルタネン
編集:普嶋信一
美術:アンニカ・ビョルクマン
音楽:近藤達郎

2005/日本/カラー/35ミリ/
アメリカンビスタ/DTS/1時間42分


イントロダクション
「舞台はフィンランドのヘルシンキ。ここで日本人が経営する食堂を媒介として始まる人々の交流をオフビート感覚で描いた、心温まる現代のファンタジー」
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 リタイヤをしたら日本の外に出て生活、いや、それ以前に日本以外の国に暮らしたいという気持ち、欲求、また、日本で暮らしていてもどこかに所属するのではなく、自分で小さな商売をしたいという欲求は高まっているようだ。これはある種の閉塞感の表れであるのだろうけれど、こういった部分を掬い取ったかのような、ホンワカとした気分に浸れる作品が公開される。それが今回紹介する『かもめ食堂』である。
 この作品『かもめ食堂』の舞台は北欧の国フィンランドのヘルシンキである。主人公の小林聡美演じる女性は日本を飛び出し、この国で暮らし、「かもめ食堂」という食堂を経営している。夢のような、うらやましい話ではないですか。でも、この食堂には開店からひと月経ってもいっこうにお客さんが来る気配はなく、近所の主婦たちの格好の噂のネタにもなっている。こうなると現実はつらいとなってくる。普通なら立ち行かない、レント料だけで二進も三進もいかなくなってしまう熟考を要する状況だと思うのだが、主人公の女性は全く気にしていない。気にしないのはお金たんまりとあるからではなく、女性の性格によるものだ。そして、何よりもこの物語がファンタジーであるからだ(当然だが、ファンタジーだから経済的な側面は一切出てこない。そういうことは実用書で学べばいいのだ)。
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  この食堂に最初に訪れたお客さんは日本のアニメ、コミック好きのフィンランド人のオタク青年。ニャロメのTシャツを着てやって来た彼は名誉ある第1号のお客さんということで永遠のコーヒー無料サービスを受けることになる。その後も彼は店の常連となるが、誰かを連れてくるということは一切なく、常におかしなTシャツを着て、無料のコーヒーを飲み続けている。そんな彼が店主に質問したのが「ガッチャマン」の歌詞。店主も肝心な部分を思い出せず、悩んでいると書店のカフェで「ムーミン」を読む旅行者らしき日本人女性が。片桐はいり演じる彼女に質問すると見事な回答を手に入れることが出来る。で、彼女を家に招待することに。なんとなくフィンランドに来た彼女はなんとなく食堂を手伝い始める。しばらくして、店にひとりの中年を過ぎた日本人女性が現れる。フィンランドのへんてこさに惹きつけられやって来た、もたいまさこ演じる彼女もこの店を手伝い始める。こうして不思議な縁で集った3人が店を切り盛りしていくと、不思議とお客さんが集り、繁盛してくる。
  監督は劇場デビュー作にして『バーバー吉野』という傑作を生み出し、『恋は五・七・五!』という高校生俳句コンテストをテーマとした第2作目も記憶に残る荻上直子。オフビート感に彩られた独特な物語が癖になる彼女の作品だが、この作品『かもめ食堂』は『バーバー吉野』で床屋のおばちゃんを演じていたもたいまさこ、小林聡美、片桐はいりという独特の間合いを持った役者を集めること、フィンランドの食堂を舞台としたことで、なんともいえない心地よさに満ちた感覚を生み出している。原作は女性を中心に圧倒的な支持を受ける人気作家 郡ようこがこの作品のために書き下ろした小説である。また、撮影、照明などの撮影現場スタッフはフィンランドの映画スタッフが担当している。
  この作品は“スローライフ”という自分たちにとって心地よい視点でゆったりと暮らす文脈で語られるだろう。それと共に交流の物語としても語られるはずだ。なんとなくやって来たフィンランドのヘルシンキで食堂をひとり開いた女性だが店には誰もやってこない。でも、変てこな日本かぶれの若者がやって来て、「ガッチャマン」の歌が契機となり、ひとりの女性が手伝い始める。彼女は客が来ない店を信じられない気持ちで眺め、なんとかフィンランドの人に受けるメニューを考案しようと奮闘する。そのほとんどが失敗に終わるのだが、あるひとつのものが客をひきつけ始める。そこから、この食堂に客の流れが生じ始める。3人の店員がそれぞれの役割をこなすことで店に潤滑油がまわり始めるのだ。お客さんも「こんにちは」とやってきては「おいしかったよ。またね。」と当たり前のように声を交わす関係が成り立っていく(それは彼らにとって当たり前の感覚だ)。
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  人間的な交流はこの食堂のある場所で、以前カフェをやっていた男(これをカウリスマキ監督の『過去のない男』に主演したマルック・ペルトラが演じている)においしいコーヒーの淹れ方を学んだり、旦那が飛び出してしまった女性との交流が始まったりと、些細なことから店を越えた部分にまで広がっていく。でも、店長以外の旅行者であるふたりの女性には帰国の日時も迫ってくる。
  現実にこうした形で食堂(カフェ)などの店の経営が成り立つとは思わない。物語は現代のファンタジーだが、こういうところなら行ってみたいし、こういうことなら出来るかもしれないという想いも自然と湧き上がってくる。また、作品のもうひとつ主役である食べ物は食堂の料理、店主の部屋での料理、コーヒーをドリップする際の湯気と音・・・・、とにかく何もかもが(失敗作までも)おいしそうで、空腹で観るとスクリーンの映像に耐え切れなくなる程だ。これらの料理は凝ったものではなく、ごく普通のものだ(フィンランド人にとっては多少違うかもしれないが)。“スローライフ”とは“普通”であることでもある。でも、この普通さを確立することが難しいのは誰もが気づいている。外に居を持つことでそれがくっきりと見える瞬間もあるのだ。
  この『かもめ食堂』は荻上監督らしいオフビート感覚の効いた、一服の清涼剤のような作品であるが、さらりとしていながらも考え、感じさせるものを多く持っていると思う。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「フィンランドのヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。ここでは人の交流が生まれ始めようとしていた」
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 ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。日本からやって来た女性サチエが切り盛りするこの食堂には開店から1ヶ月もするのに、全くお客さんが来る気配がない。近所のおばさんたちも店をガラス越しに覗き、毎日のように噂話をする始末。サチエはおばさんたちに対しても店内からにこやかにペコリと頭を下げるが、おばさんたちはそそくさと退散してしまう。
 そんなある日、ついに記念すべきお客さんが「かもめ食堂」にやって来る。それは日本のアニメーション、コミックなどが大好きなフィンランド人のオタク青年トンケ。彼は記念すべきお客さん第1号として、永遠のコーヒー無料権をプレゼントされる。そんな彼が彼女に「ガッチャマン」の歌詞は分かりますか、と質問する。彼女は出だししか思い出せなかった。
  しかし、それは書店のカフェにいた「ムーミン」を読む、旅行者らしき日本人の女性に質問することで解決する。彼女の名はミドリ。フィンランドに来た理由はめくらめっぽうに世界地図を指したらフィンランドに当たったからだった。サチエはミドリを自宅に招待し、ミドリは自然と「かもめ食堂」を手伝っていくようになる。こうしてトンケが常連となり、ミドリが加わることで「かもめ食堂」には今までとは違う空気が流れ始める。
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