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『柔道龍虎房』
配給:ステップ・バイ・ステップ
    デックスエンタテインメント
オフィシャルサイト:
http://www.judo-ryukobo.com/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ルイス・クー
アーロン・クォック
チェリー・イン
レオン・カーフェイ
ロー・ホイパン
カルバン・チョイ
チョン・シウファイ
ジャック・カオ
監督、プロデューサー:
  ジョニー・トー
製作:スティーヴン・ラム
脚本:
  ヤウ・ナイホイ
  イップ・ティンシン
  オー・キンイー
撮影:チェン・シウキョン
編集:デビッド・リチャードソン
美術:トニー・ユー
衣装:スタンリー・チョン
音楽:ピーター・カム

*2004年台湾金馬奨 脚本賞 受賞

2004/香港/カラー/シネマスコープ
/SRD/1時間35分


イントロダクション
「黒澤明へのトリビュート、TVドラマ「姿三四郎」へのオマージュ。香港映画界の顔役ジョニー・トー監督が描く、奇妙な縁で出会った年齢も違う男女3人が織り成すロマン溢れる青春ノワール・ムービー」
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 日本での公開は今ふたつみたいだったけれども、香港映画界の顔役ともいうべきジョニー・トー監督の『ブレイキング・ニュース』はあのオープニングの映画的な醍醐味を味わえるシーンから圧倒的な作品だった。今回紹介する作品はジョニー・トー監督の日本での最新作『柔道龍虎房』である。
 ジョニー・トー監督を香港映画界の顔役とするのには理由がある。1年間に1本の映画を撮り上げる映画監督でさえ少なくなっている映画界にあってジョニー・トー監督は2本以上は当たり前というペースで監督作を発表し続け、その他にプロデューサーとしても多くの作品に関わり続けているのだ。例えば、この『柔道龍虎房』が公開された2004年には前述の『ブレイキング・ニュース』、小粋なラブ・ストーリー作品『イエスタデイ、ワンスモア』を監督している(どれもが全く違ったタイプの作品でありながら、ジョニー・トーの色がある)。また、低迷を続けていた香港映画界を支え続け、注目を絶やすことがなかったのもこのジョニー・トーの存在が大きかったはずだ。タランティーノ監督などから世界的な評価を受けながらも香港を離れることはなかったジョニー・トー監督はこの作品の後に日本での公開が予定されている『黒社会』がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門への出品され、大々的な形で世界からの注目を浴びることになるのだが、ま、そこは蛇足的な部分だろう。
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  さて、ジョニー・トー監督が今回、挑んだテーマはなんと柔道、カンフーではなく柔道なのである。しかも最後には「黒澤明に捧ぐ」という大見出しまで出てしまうトリビュート的な作品なのである。大体、作品のオープニングからしてちょっとすごいものがある。オープニング・テロップはキャストやスタッフの名前が縦書きで出てくるという往年の日本映画を思わせるようなスタイル。そして作品は「こんな所あるのか、あるかもしれないな」という高層ビルが立ち並ぶ一角にある草はらで柔道に打ち込むひとりの年老いた男を捉えていく。そこではもうひとりの得体の知れない男が「姿三四郎」の歌を日本語で歌っているのだ。すでにとんでもない映画の予感がするのだが、その予感は的中でありながらも、見事に別の感触を生み出していくというのが、この作品の魅力になっている。『ブレイキング・ニュース』、『PTU』、『暗戦/デッドエンド』、『イエスタデイ、ワンスモア』などとの感触とは違うジョニー・トー、でもジョニー・トーでしかない魅力がこの作品にはあるのだ。
場面が変わると柔道に打ち込む年老いた男と歌っていた男は香港の繁華街の街頭に立ち、ビラまきをしている。でも、そんなビラなど取る者はいない。彼らはこの作品のキーとなる人物だが主役ではない。主人公はこの後に登場してくる。ひとりは体格の全く違うクラブの門番に対し、勝負を挑むアーロン・クオック演じる青年、そのクラブで毎晩のように飲んだくれているルイス・クー演じる雇われ店長、そして歌手を目指し奮闘しているチェリー・イン演じる女性である。実は雇われ店長は柔道の世界では名の知れた伝説的な人物。青年は彼と試合をすることを目標として、クラブに乗り込むが、今の雇われ店長には伝説の面影すらない。女性は家賃の滞納から住処を追い出されてしまう。そんな彼女が見つけたのが雇われ店長のクラブの歌手募集の張り紙。夢を叶えるために彼女はそこへと飛び込んでいく。そこにはサックスを片手にしたあの青年も現れる。ふたりは即採用となるが、最初の仕事は全く別のもの、ゲームセンターでヤクザから金を盗み取るというものになっていく。
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  なっていないと言われればそれまでの柔道、先にも書いた「姿三四郎」のテーマ曲、掴み所のないような物語展開・・・・、“怪作”、“珍品”という言葉が飛び交うことが間違いないであろう内容なのだが、そのずれた軌道が爽快感を生み出していく。それはこの作品の登場人物が世代を超えながらも繋がり、夢を求めているからだと思う。そしてその夢を調子はずれのだらけたものにしないのが、ジョニー・トーらしいスタイリッシュな映像的世界である。3人の中では多少歳上の雇われ店長はひょうひょうとした、世間離れした状態から若いふたりにあおられるようにその頃の気持ちを取戻し、些細なことにすら充実を感じ取っていく(ここがオヤジの身には現実感として沁みてくる)。ジョニー・トー監督は「日本ドラマ「姿三四郎」が香港のテレビ局で放映されたのは70年代でした。当時の若者たちは人生に積極的で、いつも希望を持ち、失敗を恐れませんでした。希望や理想を捨てるな、と言っても今の若者たちにはただの説教です。だから私はこの作品にロマンを盛り込んで、それを伝えることにしたのです。」と語っている。その言葉が端的に表しているように、この作品はそういったロマンに満ち溢れているのだ。この作品を日活の“無国籍アクション”(これは世界に誇れるジャンル映画だ)と比べる向きがあるが、それには大いに同意したい。“無国籍アクション”もどこかに脱出したい、居場所を見つけたいというロマンに満ちていた。でも、いつの間にかそんなロマンは映画の中から追い出されてしまった気がする。それがこの作品にはあるのだ。ちなみに柔道に打ち込む年老いた男は作品の持つロマンの象徴でもある。
  不思議な感触の作品だが駄作ではなく、映像にひきつけられ、人物の生き様に何かを投影したくなるそんな力を持った作品である。作品のコピーとしてスタイリッシュな青春ノワール・ムービーとあるが、その言葉は正にぴったりだ。ジョニー・トー監督のファンはもちろん、青春映画好きにも観てもらいたい。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「自暴自棄の伝説の柔道家、彼と戦うことを願う青年、歌手を夢見る女性。彼らは出会い、お互いが持っていた、忘れていた夢に向かって進んでいく」
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 高層ビルが立ち並ぶ狭間にある草はら。そこでひとりの老いた男が柔道に打ち込んでいる。傍らには男の生き様のように「姿三四郎」を歌う男が立ち尽くしている。
 とあるクラブ。ここで雇われ店主の男がいつものように客と一緒に飲んだくれている。彼はいつも何を飲むにも“10”を基準としている。そのクラブの入り口ではひとりの若い男が2倍以上も体格が大きい門番に対して「お前を投げ飛ばす」と金をちらつかせ勝負を挑んでいた。男は門番を軽く投げ飛ばし、勝負に勝つ。男の名はトニー、彼はこのクラブの雇われ店主であるシト・ポウに勝負を挑むことを夢としていた。ポウは絶頂の最中に引退した伝説の柔道家なのだ。でも、今のポウにはそんな面影はない。
  翌日、滞納により住処を追い出された女性シウモンがこのクラブにやって来る。歌手を目指す彼女はこのクラブが専属歌手を募集していることを張り紙で見たのだった。その場にはサックスを手にしたトニーもやって来る。飲んだ暮れたままの状態でクラブにいたポウに採用されたふたりは最初の仕事としてゲームセンターへと向かう。そこでポウはヤクザから金を横取りしようとしていた。
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