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世界の金融マーケットの中心地ニューヨークを舞台に、非情なマネー・ゲームの行方を描いた「ウォール街」(87)の続編「ウォール・ストリート」(配給:20世紀FOX映画)が、2011年2月4日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国公開される。
29日(月)、本作の監督であるオリバー・ストーンが来日し、ザ・ペニンシュラ東京(千代田区)で記者会見を行った。
Q: 4年ぶりの来日になりますが、日本の印象は?
とても美しい場所ですね。昔きた時より新しい建物ができていたり、今日はお天気が良かったので、窓から見える景色が本当にキレイです。アメリカでは日本の経済が厳しいといわれていますが、そうは見えません。豊かな国に見えます。
Q: 前作「ウォール街」から、23年ぶりに続編を撮ろうとした理由は?
前作は1980年代で、金融業界では自由市場と言われ、金融緩和が始まりました。そして、2008年にリーマンショックで終わりましたよね。ですので、このタイミングにと思いました。
この「ウォール街」と「ウォール・ストリート」の2つの作品は、本棚の初めと終わりという感じで、前の作品が春の花開く若いチャーリー・シーンのモラルの話で、どうやって成長していくかということが描かれている。そして、今回は年をとったゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)の、人間としてのモラルで考えていく映画になっています。
Q: 作品を作る際に、こだわった点は?
この作品を撮影する前にたくさんのリサーチをしたんですが、当時、銀行は巨大な資本を持っていて、100年間で新しい市場を作ったことが問題になり、社会に還元しなかったことが更に問題になりました。自分はそれを発見し、忘れないで作品に入れていきたいと思った。また、銀行が罪悪感持たず、国が救うか救わないか決めてしまったところが驚きで、そのシーンを作品に入れました。それは初の試みだと思います。
Q: ゴードン・ゲッコーの魅力とマイケル・ダグラスへのアドバイスは?
ゲッコーは、金が大事で人間なんてどうでもいいと思っていて、時代がそんな彼をもてはやしていた。金を持っていて成功していれば、どんな人間でも受け入れられていた。しかし、結局刑務所に入ることになり罰せられた。そういう点では、人間の道徳心があるか、ないかということになりますが、ゲッコーにしてみると、刑務所から出てきて人間的に反省したのかですよね。それは、ゲッコーの微笑みに答えが入っています。
そして最後は、娘に本当に認められたいのからなのか、それともやはり金のためなのか、ご覧になったみなさんが決めて頂くところだと思います。本当のマイケルは家族を大事にしている人ですけどね。
Q: シャイア・ラブーフとキャリー・マリガンと仕事をした感想は?
楽しかったですよ。私はこの映画を3世帯に渡って描きたかった。シャイアとキャリーが新しい世代ですね。2人の役の中での仕事を見ればわかりますが、とても理想主義です。私がリサーチした時に、ほとんどが20代半ばの、ハングリーで理想的で、お金儲けをしたいけれど、夢見がちな若い人をたくさん見ました。まさに、シャイアとキャリーと重なるところがある。いかにも今らしい。
キャリーはとても素晴らしい女優さんです。彼女はイギリス人なので、アメリカ人の発音ができるか気にしていたんですが、反対にアメリカの子供として育っていないところが、父親に捨てられた娘を見事に演じてくれた。2人はエネルギーに溢れていて、彼らと一緒に仕事ができて、とても楽しかった。
Q: 金融は現代社会の中で進行形ですが、過去の題材を作るにあたって先を見据えて作ったのでしょうか?
現在を見据えて近未来を描くことは、とてもリスキーなことですし、間違ってしまうと簡単にに批判されてしまいます。「ウォール街」を作った時は、父が仲買人ですし、ニューヨークもそれなりに知っていますし、ブローカーの人も相談にのってくれたりしたので、全く知らない世界ではありません。だからこそ、とても楽しかった。満足して、誇りに思う作品になりました。
「ウォール・ストリート」
2011年2月4日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー