1967年のアメリカ中西部。郊外に住むユダヤ人の大学教授ラリー・ゴプニックは、地元のミッドウエスタン大学で物理学を教える、ひたすら平凡な男だった。 しかしゴプニック家では、小さな問題が幾つも持ち上がっていた。ラリーの兄アーサーは無職で無気力なうえに病気を患っており、居候中のこの家から出て行く気配がまったくない。鼻の美容整形を密かにもくろんでいる娘サラは、伯父にあたるアーサーがいつも長時間バスルームにこもっていることが我慢ならなかった。授業中にラジオを先生に没収された息子ダニーは、乱暴者の同級生フェーグルにマリファナ代金の20ドルを支払えず、ぼこぼこに殴られるのではないかと脅えている。
そしてラリーにも厄介なトラブルが降りかかる。落第点をつけた学生からワイロを渡され、隣人トラブルにも頭を悩ます。それ以上に慌てたのは、長年連れ添った妻ジュディスが何の前触れもなく別れ話を切り出し、「離縁状を書いてほしい」て告げてきたことだった。やがて兄アーサーとともにモーテル暮らしを強いられ、こつこつ貯めた銀行預金も底をついてしまう。そんな相次ぐ不運を嘆くラリーは「なぜ自分だけがこんな悲惨な目に?」の答えを求めて、地元コミュニティーの指導者であるラビたちのもとを訪ねるのだが…。