「少年はなぜ、恋人の弟を刺し殺したのか」
どこにでもいる16歳の普通の目立たない少年リーランド。彼は恋人のベッキーとの関係もうまくいっているし、彼女の家族との関係もうまくいっていた。
ある日、ベッキーの見ているテレビに殺人現場からの中継場面が映し出されていた。そこにはうなだれる父親の姿があった。殺されたのは彼女が可愛がってきた知的障害を抱える弟ライアンで、殺したのは彼女のボーイフレンドのリーランドだった。この事件により、ベッキーの家族は保っていたバランスを崩し始めていく。
逮捕されたリーランドは矯正施設に入れられるが、事件について一切語ろうとしなかった。しかし、リーランドは教官のパールと出会うことで、少しずつ胸のうちを語り始め、教室から持ち出すことが禁じられているノートに自分の想いを書き綴り始めた。一方、パールはリーランドを題材に本を書こうと思い立っていた。ふたりの対話により、事件を覆う層が明らかになり始める。 |