新着映画情報

2014年01月22日 配信
「ホビット」3部作の2作目を試写。あまりの素晴らしさに灯りが点いてもしばらく立てなかった。メガネの上に3D用メガネをかけていたのにである。
1作目より映像の作り込みが完璧で美術デザインは史上最高の出来だ。「ロード・オブ・ザ・リング」より時代の幅と世界観が狭い分、背景に現地味があり、親しみを感ずる。
ホビット役のマーティン・フリーマンは相変わらす小回りが効くうまさで魅せる。今回の見せ場は宿敵の竜スマウグとの対決。声で演じているのは「シャーロック」の相棒ベネディクト・カンバーバッチだ。映像のド迫力とともに白熱する画面に釘付け。たっぷり豪華なクライマックスを味わえる。
前半から驚くべきはアクションシーンの絵画的な美しさだ。奇怪な森の巨大クモに糸で絡めとられるシーンに始まり、ビルボたちがエルフ族の陣地から逃れる時のアクションは、まず段取りのデザインが巧妙で、演ずる役者の動きがスピーディーかつスマート、ゲーム運びのごとき軽快なテンポで進むこのシーンは何度でも繰り返し見たくなる。
ことにオーランド・ブルームとエバンジェリン・リリーの弓を射ながら飛び跳ね蹴り上げるアクロバティックな動きは白眉だ。「LOST」のエバンジェリンはここまでアクションができる女優だったのか。それはみごとに痛快で大ファンになってしまった。
役者は一生をかけてひとつの役に取り組むわけではないのに次々めぐりあう作品に集中し命を賭ける。
<合木こずえ>