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2009年11月20日 配信
就職活動中の者にはオススメしたい一作(75点)
残業は当然どころか膨大な仕事量に徹夜残業の連発、安月給、理不尽な社員連中といったマイナス要素がズラリと並ぶブラック会社(ブラック企業とも言う)。不況真っ只中の近年、この手の会社は多く存在し、今後も増加すると言われている。
日本映画界は、ついにこのブラック会社を取り扱った作品を世に送り出すこととなった。ネット掲示板「2ちゃんねる」(劇中では「Bちゃんねる」)に書き込まれたブラック会社実体験を書籍化した黒井勇人の原作を基に佐藤祐市監督が映像化。
いじめが原因で高校を中退し、引きこもりのニート生活を送ってきた26歳の真男(小池徹平)は、母の死をきっかけに一念発揮してプログラマーの資格を取得し、就職活動を始める。不況でどこの会社も真男を採用してくれなかったが、黒井システムという会社はあっさりと採用する。真男は初出社日から上司・阿部(品川祐)に怒鳴り散らされ、サービス残業を強いられてしまう。黒井システムは、立派なブラック会社だったのである。
人気タレントを揃えてブラック会社の実態を鋭く暴いた社会派ドラマだと思えたが、社会派テイストはかなり薄い。ブラック会社の厳しさ、ダルさ、腹立たしさを描く一方で面白可笑しさを押し出し、テンポ良く描いて魅せつけた一級のエンターテイメント作品として仕上がっている。