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映画「ケープタウン」の公開を前に緊急来日した主演俳優オーランド・ブルームが、27日(水)記者会見を行い、花束ゲストとして佐々木希も登壇した。
MC: 日本での公式会見は7年ぶりですね。
オーランド: 日本に戻ってこられて大変うれしく思っています。初来日は23歳の時でしたが、それから素敵な記憶がたくさんあっていつも早く日本に戻りたいと思っています。今回も大好きな日本食と日本の文化を味わって帰りたいと思います。
MC: この作品への出演を決めたポイントを教えて下さい。
オーランド: 何と言っても今回演じたブライアンというキャラクターが決め手でした。ブライアンは自堕落な生活を送っているけれど、同時に闘志というものをしっかり持っているし、間違っていないという価値観をしっかり持っていて、これはぜひ演じてみたいと思ったことがきっかけです 。
MC: 名優フォレスト・ウィテカーさんとの共演はいかがでしたか?
オーランド: フォレスト・ウィテカーと共演できたことは本当に光栄でした。素晴らしい才能がありアーティストでもある彼とスクリーンを分かち合うことができたことを嬉しく思っています。
質問: ブライアンはかなりアウトローなキャラクターですが、彼を演じるにあたりどのようなことをしましたか?
オーランド: 初めに監督と話した時に、監督から「自分がファイナルカット権を持っているし、これはスタジオ映画ではないから思いきり振りっ切ってやろう」と声をかけていただきました。ですから自分もそういう意気込みで臨むことができました。ブライアンが南アフリカで警察官であるということは本当に大変なことなんです。それを撮影の4〜6週間前に現地に入って過ごすなかで理解しました。まずは南アフリカの文化、南アフリカで男性であるということはどういうことか、そして南アフリカで警察官であるということはどういうことかということを知り、この地で警察官として生きることの厳しさを知り、さらには多くの一般の方々の人生も厳しいということを知りました。また人間の命の対価というものがとても安く、命に重きが置かれないという現実があり、警察官にとってはとても辛い状況であるということを知りました。それを考えるとブライアンが警察官として生きる上で毎日厳しい現実に直面したくないという気持ちからお酒等に依存してしまったのではないかと思います。
質問: これまで演じられたキャラクターと今回のブライアンはかなり違うキャラクターですが、特に意識したようなことはありましたか?
オーランド: 準備の段階で気を使ったのは言葉のアクセント、そして肉体です。南アフリカの男性は比較的にマッチョな方が多いので、そういう身体作りをする準備をしました。
質問: それはどの程度の期間でどのようなことをされたのですか?
オーランド: 約6ヶ月くらい、ウエイトトレーニングや有酸素運動をしました。当然食事にも気を使いました。
MC: フォレスト・ウィテカーさんはどのような方ですか?そして次に共演するとすればどのような作品で共演したいですか?
オーランド: フォレスト・ウィテカーは真のアーティストであり、役への入り方は見ていてグッとくるものがありました。 1つ例を挙げると、彼がベッドから起き上がるシーンでそのまま倒れ込んでしまったのですが、みんながあわてて彼のもとに駆け付けたところ、彼は「役に入りすぎてやり過ぎた」と言ったんです。そこまでキャラクターになりきるという彼の演技に対する思いを見た気がしました。人柄も本当に素晴らしく、その人間性、思慮深さ、心の広さ、どれをとっても素敵な方です。もしまた彼と共演できる機会があるならどんな作品でも構いません。
質問:本作は社会問題についてかなりリアルに描いていましたが、この役を通じてどう考え方が変わられたか、そしてこの映画を通して一番伝えたいことを教えて下さい。
オーランド: 撮影前から現地に入り、撮影中も滞在することができて、目からうろこが落ちるという経験をしました。南アフリカという国にはこれからの希望や可能性を強く感じる一方、同時に自分の理解の範囲ではありますが、南アフリカの方々には様々な大きな壁が立ちはだかっている中、前に進んでいかなければならないんだということを強く感じました。タウンシップと言われる地域では100万人以上の人々が最も貧しい状況で生活している姿を目にし、心を動かされました。本作を観ていただければ、こういう場所にいるということがどういうことなのかを経験していただけるのではないかと思います。
これまでに演じたキャラクターとは全く違います。演じていて演じ応えがありました。そんなキャラクターをみなさんに楽しんでいただければとても嬉しいです。また応援し続けてくれてありがとうございます!みんな大好きです!!
「ケープタウン」
8月30日(土)新宿バルト9ほかにてロードショー