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巨匠ベルナルド・ベルトルッチの完全復活を告げ、監督デビュー50周年を飾る記念碑的作品!
世界的巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督の最新作「孤独な天使たち」(原題:IO E TE)が、2013年GW、シネスイッチ銀座他にて全国順次公開される。
「暗殺の森」(70)「ラストタンゴ・イン・パリ」(72)などで映画史上特筆すべき衝撃と陶酔を観る者にもたらし、壮麗なる歴史大作「ラストエンペラー」(87)ではアカデミー賞9部門を制したベルナルド・ベルトルッチ監督。
「ドリーマーズ」(03)発表後、重い病に苦しみ、車椅子生活を余儀なくされたベルトルッチは、一時は引退さえ覚悟した。しかし、徐々にその現実を受け入れ、車椅子に座ったままの位置から映画を撮ることを模索。そんなときガブリエレ・サルヴァトレス監督作品「ぼくは怖くない」(03)の原作者でもあるニッコロ・アンマニーティの同名小説(河出書房より2月中旬刊)を読み、「たちまち恋に落ちた」というベルトルッチは、迷うことなくその映画化を決意した。
かくして完成した10年ぶりの新作「孤独な天使たち」は、2012年カンヌ国際映画祭特別招待作品として上映され、世界中の映画人が巨匠の完全復活に歓喜した。
本作は、ベルトルッチが30年ぶりに母国のイタリア語で撮った映画であり、くしくも監督デビュー作「殺し」(62)から50周年の節目を飾るメモリアル作品。自ら「この映画を撮り終えた私は、また自分が走り出したことを感じている」と語る、ベルトルッチの記念すべき再起作なのである。
ロレンツォは、少し風変わりで独りが好きな14歳。彼は両親に嘘をついて、学校のスキー旅行に行かずに、自分の住むアパートの地下で暮らそうと計画する。まるまる一週間、好きな音楽と本だけで過ごそうと思っていたが、思いがけず異母姉のオリヴィアが現れたことで、すべてが一変する。思春期まっただ中の少年と異母姉が二人きりで過ごす7日間の物語。少し年上で、世の中の経験も彼より豊富な彼女のおかげで、ロレンツォは少年時代に別れを告げて、大人の世界に飛び込めるような気持ちになっていく…。
かつて「魅せられて」(96)でリヴ・タイラーを見出し、「ドリーマーズ」でエヴァ・グリーンを羽ばたかせたベルトルッチは、入念なオーディションを実施したうえで、ジャコポ・オルモ・アンティノーリ、テア・ファルコという新人俳優ふたりを主役に抜擢。本編を盛り上げるのは、デヴィッド・ボウイ自身が歌う『スペイス・オディティ』のイタリア語版『ロンリー・ボーイ、ロンリー・ガール』。“孤独な少年よ、どこへ”と語りかけるボウイの切ない歌詞が、作品の持つ瑞々しい感性と見事に呼応し合う。
作品:孤独な天使たち
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
出演:ジャコポ・オルモ・アンティノーリ/テア・ファルコ
2012年/イタリア/シネマスコープ/ドルビーデジタル/97分
配給:ブロードメディア・スタジオ
2013年GW シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー