新着映画情報
伝説的名作「八月の鯨」(87)が、岩波ホール創立45周年を記念し、2013年2月16日よりニュープリント上映される。本作は、無声映画〜ハリウッド黄金時代に活躍した映画史にその名を残す2人の女優、リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスの奇跡ともいえる共演が話題となり、1988年の公開当時、31週間という異例のロングラン大ヒットを記録した。老いを「凝視」したその内容は、社会的にも大きな反響があり、今もなお語り継がれる名作として、多くの人に感銘を与えている。
岩波ホールは1974年より世界の埋もれた名作映画の発掘上映を行っているミニシアターの元祖であり、「宗家の三姉妹」(98)、「山の郵便配達」(01)、「眠る男」(96)など数々の大ヒット作を世に送り出してきた。
≪STORY≫
やがて鯨は姿を見せなくなり、老姉妹の季節も静かに変わっていった―
リビーとセーラの老姉妹は、長い人生の大半をともに過ごしてきた。彼女たちは、毎年夏になるとメイン州の小さな島にあるセーラの別荘にやってくる。かつてそこの入り江には8月になると鯨がやってきて、少女の頃、ふたりはよく鯨を見に駈けていったものだった。姉のリビーは、第一次世界大戦でセーラの若い夫が亡くなった時、彼女の面倒をみた。しかしリビーは病のため目が不自由になり、今度はセーラがふたりの生活を仕切っている。そのようななか、リビーは他人に依存せざるをえない自分に苛立つことが多くなった。セーラは姉の世話を続けてゆく自信を失ってゆく。しかし昔のようにこの家を訪れる幼友達のティシャ、修理工のヨシュア、そしてロシアの亡命貴族というマラノフ氏との交流にささやかな憩いを見出す。彼女たちは、もう一度、あの青春の思い出、八月の鯨を見ることができるのだろうか。
監督:リンゼイ・アンダーソン/脚本・台詞:デヴィッド・ベリー
撮影:マイク・ファッシュ/音楽:アラン・プライス
出演:ベティ・デイヴィス、リリアン・ギッシュ、ヴィンセント・プライス、アン・サザーン、ハリー・ケリー・ジュニア
1987年/イギリス/スタンダード/91分/原題:The Whales of August
2013年2月16日(土)岩波ホールほか 全国順次公開