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10月21日(金)、第24回東京国際映画祭の特別オープニングを飾る、映画「1911」の記者会見が東京・六本木のザ・リッツカールトン東京で行われた。約300名のマスコミが待つ中、ダークグレーのジャケット姿で颯爽とジャッキー・チェンが登場。「みなさん、こんにちは!」と日本語で挨拶したのちに、「日本にやっと帰ってこれた。ずーと日本に帰って来たかったが、なかなかチャンスがなく、今回やっと帰ってこれました。徐々に回復している日本の姿を見れて、本当にうれしい」と気持ちを語った。
【質疑応答】
Q1: 映画出演100作目という記念すべき作品となりますが実感はありますか?
昨年、この映画へのオファーを頂きました。1911年におこった「辛亥革命」から今年でちょうど100周年。非常に有意義であると感じました。僕の生涯でも大変記念すべき素晴らしい映画です。全編において真実の物語です。たくさんの若者の命が散ったこの“革命”がなければ今の中国もないですし、今の私もいない。そんな真実を描いた映画だからこそ、製作意欲はすさまじかったです。
この映画を通して、“革命”には日本の皆様が力を貸してくれた事を知りました。どこの国でも国を良くしようとする革命があります。私は特に若者に見て頂きたいです。
Q2: アクションスターのイメージのジャッキー・チェンさんですが、今回演じられた黄興は肉体的というよりは、精神的に強い人です。そんな黄興を演じられていかがでしたか?
黄興は普段の自分に似ていると思います。乗馬や銃が好きなところなどです。黄興は文学にも長けていますが、そこの部分は自分は苦手ですが、その代わりに僕にはアクションがあります。あと黄興より僕の方が背が高く、ハンサムですね(笑)。
黄興はたくさんの戦闘を行ったが、ほとんど毎回負けています。でも諦めず戦い続けます。そして勝利を収めてからは、総理にもならず、司令官にもならず、田舎に帰ります。そんな人だからこそ、僕は尊敬しているのです。
Q3: 本作では孫文が非常に重要な役回りですね。昔は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」、最近では「孫文の義士団」など孫文を描かれた作品がありますが、そちらと比べて「1911」はいかがでしょうか?
残念ながら僕はそこまで歴史に詳しくないのですが、映画として脚色しているものと、真実を描いているものがあると思います。「1911」は真実です。例えば、真実を描いているから僕がいきなり激しいアクションをしたりすると、観ている人もビックリしてしまうし、この素晴らしい映画が台無しになってしまいます。(日本語で)「1911 ホント!」
Q4: 次の世代にこの「1911」を通して伝えたいメッセージは?
「自己犠牲」でしょうか。すなわち“与える”という事です。すべての人がというわけではないですが、得る事ばかり考えて、与える事をしない人が多い。「1911」に出てくる革命家の若者たちは実はお金持ちの人達が多いのです。理想のために自分の生涯をかけたんですね。彼らがいたからこそ、今の僕らがいる。世界中で声を大にして呼びかけて、この「1911」のメッセージを伝えていきたいと思います。
Q5: 本年4月に日本に対してチャリティイベントなどを早々と主催して頂いたりと東日本大震災に対してのジャッキーさんの行動に感謝しております。東北に行かれる予定はあるのですか?
現在はまさに新作の撮影で来年の4,5月くらいまで撮影が入ってしまっているのですが、機会があれば是非いきたいと思います。
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その後、花束ゲストとして、映画「1911」でジャッキー・チェンが演じる黄興の腹心の部下で、革命によって命を落としてしまう林覚民の残された妻、陳意映(ちんいえい)の日本語吹替版キャストを演じた中川翔子が登場。
辛亥革命100周年、ジャッキー・チェン出演100作品目という事で、深紅のバラ100本の花束をジャッキー・チェンに贈呈。日本を代表するジャッキー・チェン ファンである中川翔子は感激で言葉を失っていた。
(中川翔子)
完全に確実に生まれてきてから今日が一番幸せです!本当に生きていて、よかったです。ジャッキー・チェンさん来日ほんとにありがとうございます!!このジャッキー・チェンさんという監督・脚本・武術指導・アクションスターというあらゆる形で活躍してきたジャッキーチェンさんの生きた証が、こうして100本目という形で刻まれたという事は地球の、宇宙の、人類の、大いなる財産で、その歴史が動く瞬間を同じ時代に生きて、生き証人になれる。こんな喜ばしい事はありません。私だけでなく、たくさんの世界中の方々の、大きな人生の大事な瞬間がジャッキーさんの映画の中からもらった“勇気”と“愛”と“希望”で変わったと思います。
私自身も生まれてきて今日このお仕事をできるなんて、本当にジャッキーさんのおかげです。ホントに命の恩人です。すべての人生を、なにもかもかけてこの映画を宣伝します。いつまでもみんなの宝物でいてください。不老不死でいてください。
○中川翔子さん、ホントに好きなんですね。ジャッキーチェンさんのことがね。
(中川翔子)
すべてを捧げてもいい程です。命の恩人です。
○では「1911」の吹替えのお仕事のお話が来た時も即答だったんですか?
(中川翔子)
即答でしたし、母と手を取り合って号泣しました。
○どんな役柄を演じられたのですか?
(中川翔子)
陳意映(ちんいえい)という革命家の妻の役をやらせていただきました。とても重要な役で、私の人生はなんて生ぬるいだと思いました。新婚であり、赤ちゃんもいる、なのに旦那さんは革命により命を落としてしまう。こんな大きな歴史な裏にはたくさんの犠牲がある。そのすべての瞬間があるから今がある。とっても重要な役をやらせて頂きました。いままで生きてきて最高の生きた証をやらせて頂きました。
(ジャッキー・チェン)
僕がこの映画を撮った時もそういう気持ちで撮影しました。映画作りは、誰もがそうだと思いますが、良い目的のために作っているわけで、僕は特に若い人の為に、作りたいと思っております。いつも映画を撮る時に考える事があります。「この映画は果たして、自分の子孫たちに見せる映画だろうか」という事です。自分の家族に見せる事ができれば、他の皆さまにも安心して見せる事ができると思います。映画以外の仕事でも、歌を歌う時もとにかくその考えの下に挑んでおります。みんながそうゆう気持ちで臨めば、世界は平和になると思います。
(中川翔子)
最後に一つだけ。私は10年前、香港でジャッキー・チェンさんに偶然出会って、私と母がジャッキーさんにご飯をご馳走してもらいました。「誕生日おめでとう」といって。本当にその日のおかげで今まで私は生きてこれました。そんな風にどんな瞬間も、スーパースターなのに、すべての方に無償で愛を与える、心に愛を持つ秘訣はなんですか?
(ジャッキー・チェン)
僕は小さい時は、本当に貧乏でした。いろんな人にお世話になりました。そこで自分と約束しました。いつか自分にそういう力があれば、人を助けようと。小さい時にいろんな町に行きました。タイ、台湾、フィリピン。9歳の時には沖縄にも行きました。どこに行ってもいつも周りには助けてくれる人がいました。今は自分にその力があるので当然のことながらいろんな人を助けたいと思っております。世の中全体を助けるのは無理なので、一人一人助けていきたいと思います。今、地球上には60億の人がいます。一人一人助けていければきっとみんな幸せになれると信じております。
(中川翔子)
はぁ、ありがとうございます。言葉にならないほどで、全身をほとばしる想いでありがとうございます。ジャッキー・チェンさんが生きて、今ここにいる事がたくさんの、地球のすべての人が救われる事となると思います。永遠に不老不死でいてください。
(ジャッキー・チェン 最後のコメント)
今日、日本に来ましてまだ2時間程しか経っておりませんが、既に日本の回復ぶりを目にしました。感動しました。日本の友人に会う時に「日本はどうなってる?」って聞いておりました。精神力を実感する事ができます。この精神力がある限り、日本は絶対再生できると思います。一番嬉しかったのは、日本が震災の被害にあった時に、全世界の人達が日本を助けようと動き出しました。それは日本の皆さんが持っている精神力の賜物と思います。(日本語で)「日本ガンバレ!」
11月5日(土)丸の内TOEI他にて全国ロードショー