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園子温監督の最新作「ヒミズ」(2012年春 公開)が、8月31日から開催される第68回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決った。
ヴェネチア国際映画祭は、カンヌ、ベルリンとともに、世界3大映画祭のひとつにあげられる、世界的に権威ある映画祭。1997年、北野武監督が「HANA-BI」で最高賞の金獅子賞を、2003年、「座頭市」で監督賞にあたる銀獅子賞を受賞。2004年には宮崎駿監督の「ハウルの動く城」がコンペ部門に出品され、金のオゼッラ賞を受賞。昨年、2010年には三池崇史監督の「十三人の刺客」、村上春樹原作小説の映画化「ノルウェイの森」の2作がコンペ部門に出品されたことも記憶に新しい。
2009年「愛のむきだし」ベルリン国際映画祭出品、2010年「冷たい熱帯魚」ヴェネチア国際映画祭出品、2011年「恋の罪」カンヌ国際映画祭出品と、作品を発表する度に世界の映画祭から高い評価を受け続けている園子温監督だが、世界3大映画祭のコンペ部門への出品は、今回が初めての快挙。
「ヒミズ」は、2001年より、ヤングマガジンで連載された、古谷実の原作コミックの実写映画化。ギャグ漫画『行け!稲中卓球部』で人気を博した古谷が作風を一転し、若者の暗部を抉るダークなストーリーに挑戦した、衝撃の問題作。園子温監督が原作ものに挑むのは、今回が初。メインキャストは、その演技力が高い評価を受け、数多くの映画、ドラマに出演する染谷将太、二階堂ふみという若手の2人。日本の若者の心の闇を描いた問題作を実写化した映画を、世界がどのように評価するのか?
【園子温監督からのコメント】
今回、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選ばれて光栄に思います。撮影の前に、大震災、原発事故が起きて、それまで書いていたシナリオを書き変えなくては、ならなくなりました。どうしても、今、この現実を映画の中に取り入れて、撮っておかなくてはいけないと思いました。たった今、目の前で起きている本当の世界に即して、映画を撮るというのは、非常に生々しく、大変な事でありました。これは恐ろしい現実と向かい合う少年と少女の物語です。
【染谷将太からのコメント】
ヴェネチアのコンペに呼んでいただき、大変名誉であり、大変嬉しい気持ちです。現場中は見えない魔物と戦っていて常に興奮していました。その興奮がこの喜びの興奮に繋がったことに感動しています。国をこえてまで1人でも沢山の方々にみていただけたら幸せです。
【二階堂ふみからのコメント】
とても大変な撮影でしたが、茶沢としてこの作品に参加することができてとても幸せでした。監督、共演者、スタッフ皆さんの魂が詰まった作品です。
<ストーリー>
住田祐一、15歳。願いは、「普通」な大人になること。茶沢景子、15歳。夢は、愛する人と守り守られ生きること。そんな2人の日常は、住田が起こした、ある事件をきっかけに一変する。絶望と狂気に満ちた、壮絶な物語が幕を開ける―!
2012年春 シネクイントほか全国順次ロードショー