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中国の不朽の名作から近作まで、60作品を一挙に上映する"中国映画の全貌2010"が7月24日より新宿K's Cinemaにて開催される。北京オリンピック、上海万博開催と日本の高度経済成長時代の路線を歩む中国の現在と過去、そしてその変化を映し出した作品群が上映される。
今年の“中国映画の全貌2010”は劇場未公開作品が多く上映される。『北京の自転車』『シャングリラ』『女人本色』それにドキュメンタリーシリーズ「胡同三部作」。それぞれに時代をとらえた切り口の鋭い作品である。『北京の自転車』は経済成長にともなう都市部と農村の格差と都市の問題を。『シャングリラ』は台湾との合作で新しい試みとして。「胡同三部作」は北京オリンピックが決定し、変貌してゆく北京の姿と庶民の暮らしにスポットをあてた。そして、香港返還10周年記念作品として制作された『女人本色』は、香港版「ワイルドスワン」である。返還後の10年間、一国二制度と言われた新体制、金融危機、アメリカ同時多発テロ、サーズと連続して襲い掛かる歴史の激流にもまれながら、香港に生きる人々。
50年後、100年後、中国は、世界はそして日本はどう変わっているのか。日本という足元を見つめつつ、広く世界を、真の中国を見なければならない時代になった。
■「北京の自転車」
監督:ワン・シャオシュアイ
出演:ツイ・リン、リー・ピン
(2000年/中国・台湾/113分)
農村から上京し自転車便配達の職を得た少年クイと、念願の自転車を手に入れた北京の高校生チエン。ある日盗まれたクイの自転車は、まさしくチェンが手に入れた自転車で....。経済発展にともなう矛盾を見事な青春映画として結実させ、2001年ベルリン映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)および新人男優賞を受賞。
■「シャングリラ」
監督:ティン・ナイチョン
出演:チュウ・チーイン、ウー・チョンティエン
(2008年/中国・台湾/107分)
息子の死を信じきれず、彼が描いた絵の中の山に向う若い母親の心情を、抜けるように美しいチベットの風景の中に描き上げた。中国映画も個人の心情を謳いあげる時代が来たことを知る一作。2009年NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映された際には好評を博してアンコール上映作品にも選出された。
7月24(土)〜8月27日(金)
新宿K’s Cinemnaにて 上映スケジュール