ロシア革命の英雄でありながら政治犯の汚名を着せられたコトフは、懲罰部隊の一兵卒としてドイツ軍の堅固な要塞と対峙していた。そんなコトフの前に、スターリンの命を受けて彼の捜索を続けていたドミートリ大佐が出現。深い因縁で結ばれたドミートリから、すでにこの世を去ったはずの元妻マルーシャが生きているという事実を告げられたコトフは、家族とのかけがえのない思い出の地である避暑地の別荘へと導かれていく。一方、最愛の父コトフとの再会を願ってやまないナージャは、今なお従軍看護婦として戦地を駆けずり回っていた。やがてスターリンの非情な命令によってコトフが絶体絶命の危機に陥ったとき、ナージャもまた戦場の最前線へと走り出すのだった……。
新着映画情報
『遥かなる勝利へ』
配 給 : | コムストック・グループ、ツイン |
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公開日: | 2013年11月23日 |
映画館: | シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテほか全国ロードショー |
ニキータ・ミハルコフ |
監督・脚本:ニキータ・ミハルコフ |
2011/ロシア/ロシア語/150分 |
ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフが放つ壮大な戦争スペクタクル3部作、ついに完結!
1970年代から1980年代にかけて発表した「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」「オブローモフの生涯より」「黒い瞳」などの傑作で、旧ソ連を代表する世界的フィルムメーカーとなったニキータ・ミハルコフ監督。2007年の「12人の怒れる男」で長いブランクを打ち破って復活を遂げたこの巨匠が、新たなライフワークとして取り組んだのが「太陽に灼かれて」「戦火のナージャ」、そして最新作「遥かなる勝利へ」へと連なる戦争ヒューマン・スペクタクル3部作。
3部作を通して監督&主演を兼任するミハルコフが1994年に放った「太陽に灼かれて」は、スターリン大粛清の時代を背景に、男女3人の痛切な愛憎を紡ぎ上げた人間ドラマ。チェーホフ的な田園地帯のノスタルジックな情景描写に、得も言われぬ官能とサスペンスが入り混じったその映像世界は、カンヌ国際映画祭審査員グランプリとアカデミー外国語映画賞に輝いた。それから16年ぶりに製作された続編「戦火のナージャ」は、前作の主人公であるコトフ大佐と愛娘ナージャが生き別れたまま、第二次世界大戦下の独ソ戦に巻き込まれていく姿を映像化。そして完結編となる「遥かなる勝利へ」では、コトフとナージャ、彼らを引き裂いた秘密警察のドミートリ大佐のその後の運命を描出。「戦火のナージャ」の壮大なスケール感はそのままに、戦争というものの残酷な悲劇性のみならず、人間の愛と生への渇望を力強く表現し、3部作を締めくくるにふさわしい感動大作に仕上がった。