1928年、日本統治下の朝鮮・京城(現・ソウル)。この地に引っ越してきた少年、憲兵隊司令官を祖父に持つ長谷川辰雄は、使用人の息子キム・ジュンシクと出会う。走る事が大好きな二人の少年は、良きライバルとして国を代表する選手にまで成長するが、オリンピック代表の座を掛けた選考会中に起きた乱闘事件の影響で、辰雄はマラソンを離れ、ジュンシクは日本軍に入隊する事になり、互いに憎しみ合うようになる。
1939年、モンゴル国境地帯のノモンハンの戦場。過酷な戦闘の日々を送るジュンシク達の部隊に、絶対的な愛国心を抱く軍人へと変貌を遂げた辰雄が上官として赴任する。彼は、戦場においてもオリンピックへの夢を信じて生き抜くジュンシクを目の敵にする。辰雄の狂気的な指揮の下、ソ連軍への攻撃作戦が決行される日、奇襲を受けた日本軍は壊滅的な打撃を受け、二人はソ連軍の捕虜となる。列車でロシアの険しい大山脈の頂きを越えて極寒の強制労働所に送られ、仲間たちは劣悪な環境の中で倒れていく。誇りも地位も名誉も全てを失った辰雄は、どんな状況でも自分を見失わず、民族の違いも厭わないジュンシクの姿を見るうちに、国も地位も関係ない、一人の人間として前を向いて歩み始める。
1941年12月、ドイツ軍がソ連に侵攻したことを受け、捕虜たちもソ連軍に配属される。日本帝国軍人として、敵国の軍服に袖を通すことに、震えるほどの屈辱を感じる辰雄だったが、<誇りを守り死ぬか、誇りを捨てて生きるか>の選択の中、生きる事を選ぶ。苛烈を極める戦況の中、決して後退を許さないソ連将校の姿をみた辰雄は、かつての“命を軽視していた”自分の姿を重ね、“生き抜く”事への執着心を抱く。激戦のあと生き残った二人は、ドイツへ逃亡を計るがドイツ軍に捕えられ、離れ離れに。
1944年5月、フランスのノルマンディー。ドイツ軍の“東方部隊”に所属する辰雄。ジュンシクと離れ、今は一人となった彼の表情には、命を捨てようとしていた頃の面影はなく、今でも離れてしまったジュンシクを探し続けていた。しかし、そんな変わり始めた辰雄に、運命の“1944年6月6日”、連合軍による<ノルマンディー上陸作戦>の日が刻一刻と近づいてきていた・・・。
新着映画情報
『マイウェイ 12,000キロの真実』
配 給 : | CJ ENTERTAINMENT JAPAN/東映 |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2012年01月14日 |
映画館: | 全国ロードショー |
オダギリジョー |
監督:カン・ジェギュ |
2011/韓国 |
これは、一枚の写真から始まった真実の物語。
物語の発端は、アメリカ国立公文書館に保管されていた一枚の写真だった。ドイツ軍の軍服に身を包んだ、この東洋人の姿は、韓国国内で話題となった。
1944年、史上最大の上陸作戦<ノルマンディー上陸作戦>作戦終了後、一人の東洋人が発見される。彼が語り始めたのは、日本兵として朝鮮半島を出発し、12,000キロの道のりを戦い抜き、しかも全ての戦いで敗戦し、捕虜になり続け、日本、ソ連、ドイツ三カ国の軍服を着て戦ったという衝撃的な物語だった。
数奇な運命をたどる主人公の二人、日本人・長谷川辰雄にオダギリ・ジョー、韓国人・キム・ジュンシクにチャン・ドンゴン。監督は「シュリ」「ブラザーフッド」のカン・ジュギュ。
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