ホーム ライブラリー コラム プレゼント トレイラー ショップ 掲示板 会社概要
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
公開劇場一覧を別ブラウザで開きます。 前のページに戻ります

『ナイロビの蜂』

配給:ギャガ・コミュニケーションズ
オフィシャルサイト:
http://www.nairobi.jp/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
レイフ・ファインズ
レイチェル・ワイズ
ユベール・クンデ
ダニー・ヒューストン
ビル・ナイ
ピート・ポスルスウェイト
監督:フェルナンド・メイレレス
製作:
サイモン・チャニング=ウィリアムズ
原作:ジョン・ル・カレ
脚本:ジェフリー・ケイン
撮影監督:セザール・シャローン
編集:クレア・シンプソン
美術:マーク・ティルデスリー
衣装:オディ・ディックス・ミレー
音楽:アルベルト・イグレシアス

*2005年アカデミー賞
  助演女優賞 受賞
*2005年ゴールデングローブ賞
  助演女優賞 受賞
*2005年英国アカデミー賞
  編集賞 受賞

2005/イギリス/カラー/
ビスタサイズ/ドルビーーSR、
デジタル/2時間8分


イントロダクション
「惨殺された妻、その死の裏に隠されていた陰謀、アフリカのナイロビを舞台に『シティ・オブ・ゴッド』フェルナンド・メイレレス監督が最高の切れ味で描く、骨太の政治的サスペンス・ミステリー」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
(C)2005 Focus Features,LLC
 公開本数は決して多くないが、南米映画の中で強烈な印象を残した1本にブラジル発の『シティ・オブ・ゴッド』がある。神の街と呼ばれるリオデジャネイロのスラムで命を懸けて暮らす少年ギャングたちの生々しさを捉えたこの作品は細かく切り替わるカットでスピード感を出し、ドキュメンタリーかと思うような緊張感、重々しさを閉じ込めていた。この作品を撮ったフェルナンド・メイレレス監督の待望の新作が公開される。それが今回紹介する『ナイロビの蜂』である。
  『シティ・オブ・ゴッド』で圧倒的な評価(様々な映画祭で数え切れないほどの賞を手にした)とヒットを手にしたフェルナンド・メイレレス監督には当然、数多くの作品の監督へのオファーがきたであろうことは想像に難くない。自身の制作プロダクションも持っている監督は『シティ・オブ・ゴッド』以降、TVシリーズの製作などに関わっていたようだが、次作として満を持して乗り出したのがこの『ナイロビの蜂』であり、監督にとって初めての英語圏での作品(イギリス映画)となっている。この作品を選んだ理由について監督は「“独創的な愛の物語であること”、“ケニアで撮影するチャンス”、“製薬会社の陰謀について描きたかった”」という3点を挙げている。一般的に世界的な進出のより大きなチャンスとなる英語圏の監督作品でも“製薬会社の陰謀”という社会性を取り込もうとしている点、どこかでリオデジャネイロとの共通性を感じさせるケニアを重視した点(作品を観てもらえば分かるがここでもスラムや貧困は大きなテーマとなっている)などからはこの監督の気骨というものが感じられる。そして作品もその監督の気骨に見合う骨太の物語に仕上がっている。
  物語は外交官の妻であるアクティヴィストの女性が結婚のきっかけともなった赴任先のケニアで亡くなることから始まる。治安が安定していない地域での襲撃されての死亡。実は彼女には結婚生活の支障となるような悪い噂、彼女がこの地で精力的に追っていたグローバル企業である製薬会社に関する事実が残されていた。彼女を失ったことでその必要性に深く気付くとともに、彼女の死に不審を感じた夫は仕事を投げ出し、その謎を追い求めていく。それは自分の想いを超えた彼女の深い愛と想像を超えた巨大な陰謀へとぶち当たっていくものへとなっていく。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真 
(C)2005 Focus Features,LLC
  監督が魅力を感じた“独創的な愛の物語”は彼が彼女の死への道程をなぞっていくことで気付くものであり、“製薬会社の陰謀”には国際的な現実が隠されている。この現実とリンクするミステリアスさの背景には作品にはきっちりとした原作があること、その原作を手掛けたのが「寒い国から帰ってきたスパイ」、「パナマの仕立屋」など多くの傑作を残しているミステリー、冒険小説界の大御所ジョン・ル・カレとなれば納得ではないだろうか。脚本を手掛けた、作家としても活躍するジェフリー・ケインはジョン・ル・カレと綿密なコミュニケーションを取りながら、2年という歳月をかけて脚本を完成させている。
  日本で公開されるこの作品には“世界が絶賛し涙した、壮大なラブストーリー”というコピーがつけられているが、個人的には非常に政治的な映画だと思っている。そのラブストーリーが作用するためには政治的な部分、夫婦の立ち位置の違いが欠かせないのだ。無残にも惨殺されてしまう男の妻が追っていたことは“製薬会社の陰謀”であることは書いた。その陰謀とは無償、援助という名目で行われている臨床実験、人体実験である。有志の努力により公開され、大ヒットしている『ホテル・ルワンダ』(本当に嬉しい限りだ)の中でドン・チードル演じる主人公は「欧米社会は私たちのことを人間とすら思っていない」ということを語るが、このナイロビでも製薬会社により同じことが行われているわけだ。極端な話、ルワンダの民たちはモルモットでしかないのだ(例えば、この作品の中では製薬会社からの支援物資が使用期限切れの役にも立たないものばかりということがさらされるし(製薬会社には格好の節税対策となる)、HMV治療の代替薬品を巡る知的財産保護の訴えなども繋がってくる)。男の妻が追っていたのはその事実であり、その間、英国政府から派遣された男は何をやっていたかというと作品の原題となる“THE CONSTANT GARDENER”(相も変らぬ庭仕事)なのである。作品では妻の死に疑問を抱き、自らの手で真相を探ろうという夫がその過程で見向きもしなかった現実を知り、使命感を取戻していく様がレイフ・ファインズにより見事に演じられている。使命感を持ちながらもミステリアスさを失わない妻を演じるレイチェル・ワイズも本当に素晴らしい(アカデミー賞助演女優賞受賞も納得だ)。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
(C)2005 Focus Features,LLC
  妻が突然惨殺され、疑問にたどり着き、自らの手で行動し、生きる糧を取戻し始めていく男の物語であるこの作品はフラッシュバックのように妻との出会い、楽しかった日々などが挿入されていく。そのコンプレックス具合が生じさせるミステリアスさ、相変わらずの細かいカット割り、スピード感、切れ味はフェルナンド・メイレレス監督だからこそ生み出せたものだろう。単純に描こうと思えば、ラブを前面に押し出そうと思えば、いくらでもそのように出来たこの作品をそうしなかったという点にこの監督の手腕は存分に発揮されている。それはブラジル出身であり、『シティ・オブ・ゴッド』という現実を知る監督だからこそ表せた世界観だと思う(もちろん、アフリカと南米の落差も大きく認識しているはずだ)。
  ラブストーリーではあるが、それ以前に存在するものがある骨太の政治的サスペンスミステリー作品として認識してもらった方が、この作品を存分に楽しめると思う(というよりは必要条件だろう)。『シティ・オブ・ゴッド』でフェルナンド・メイレレス監督にやられた方はもちろん、『ホテル・ルワンダ』に共感を持った方にはぜひ、観てもらいたい作品だ。そこには完璧なリンクが存在している。そしてこのリンクはそこかしこに存在している。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「疑問の多い妻の死を探り始める夫、そこには巨大な陰謀があった」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真 
(C)2005 Focus Features,LLC
 その日、英国外務省一等書記官のジャスティンはナイロビの空港から旅立つ妻のテッサを見送った。いつものように数日後には再会できるはずだったが、彼女は車で出掛けた先で殺害され、よくある殺人事件として処理されてしまう。
 ジャスティンは最初、そのことに大きな疑問を抱かなかったが、妻のパソコンや書類が意味もなく押収されること、不可思議な手紙を眼にしてしまったことなどから、その死に疑問を抱いていく。テッサとの出会いなど幸せな日々、子供を流産してしまったことなど辛い日々が頭の中に甦ってきたジャスティンは仕事を投げ打ち、妻の死の真相を探り始める、。そこには彼の想像を超えた陰謀が隠されていた。
movilog
ピックアップムービー
サーチ
DVD比較はベストプライス


リンク
メールマガジン登録
神雕侠侶オフィシャルウェブサイト
ベクター・メディカルテック・ジャパン
*giggle
本サイトをご覧になりるにはFlashPlayerが必要です。 IE5.0以上推奨 画面サイズ推奨800×600以上 お問い合わせ先