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『隠された記憶』

配給:ムービーアイ、タキ・コーポレーション
オフィシャルサイト:http://www.kioku-jp.com/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ダニエル・オートゥイユ
ジュリエット・ビノシュ
モーリス・ベニシュー
アニー・ジラルド
ベルナール・ル・コック
ワリッド・アフキ
レスター・マクドンスキ
ダニエル・デュヴァル
ナタリー・リシャール
ワリード・アフキール
監督、脚本:ミヒャエル・ハネケ
プロデューサー:
  マルガレート・メネゴス

*第58回(2005年) カンヌ国際映画祭  監督賞、国際批評家賞、  人道賞 受賞
* 第18回(2005年) ヨーロッパ映画賞 作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞 受賞
* 第31回(2005年) ロサンゼルス批評家協会賞 外国語映画賞 受賞
*第4回(2005年) サンフランシスコ映画批評家協会賞 外国語映画賞 受賞
*第14回(2005年) サウスイースタン映画批評家協会賞 外国語映画賞 受賞 ほか各種映画祭にてノミネート

2005/フランス、オーストリア、
ドイツ、イタリア、/1時間59分


イントロダクション
「『ピアニスト』でカンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞したミヒャエル・ハネケ監督が送る、過去の記憶を巡り主人公はもちろん、観客側をも揺らすサスペンス、ミステリーを超える衝撃的な傑作」
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 2001年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリ、最優秀主演女優賞、最優秀主演男優賞を受賞するなど絶賛を受けたオーストラリア人映画監督ミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』は衝撃的以上に痛い作品だった(歳の差を越えたラブ・ストーリーと多くの方がおもっただろう)。また『ファニー・ゲーム』という作品に後味の悪さしか残らなかった方も多いだろう。そういったある意味で観客を挑発する作品を撮り続けているハネケ監督の最新作が公開される。それが今回紹介する『隠された記憶』である。
 ヨーロッパでは巨匠といってもいい扱いを受けているハネケ監督だが、日本では一般の映画ファンの間でもまだ余り知られていないのかもしれない。そこにはこうしたタイプのヨーロッパ映画の興行が日本では厳しいという現実があることは確かだろう(興行は様々なものを天秤にかけての結果だが、そこが苦しければ、DVDやレンタルも必然的にそうなる傾向がある)。ハネケ監督に関してみれば、『ピアニスト』とこの『隠された記憶』の間に撮られた作品(『Le Temps du loup』)の公開及びソフト化も見送られている。でも、ヨーロッパを中心に世界中で絶賛を受けこの『隠された記憶』は劇場公開されることになった。これは素直に喜ぶべきことで、全てのヨーロッパ映画(この呼び方は好きではないがアート映画)好きは劇場に脚を運ぶべきだと思う。
  ハネケ監督はTV映画の脚本家、監督として活躍し、1989年に劇場映画監督デビューを果たしている。1942年生まれというから、TVでの経験が20年近くあったとはいえ、相当に遅いデビューである。彼が世界的な注目を浴びたのは日本でも公開された1997年の『ファニー・ゲーム』だった(それ以前からヨーロッパでは注目を浴びていたという)。そして2001年の『ピアニスト』は彼を一躍、世界が認める才能に押し上げる。ちなみに日本で劇場公開された作品は今回公開になる『隠された記憶』を含めて僅か3本、ハネケ自身の劇場監督作も9本しかない。この『隠された記憶』の公開を契機に、それらの作品がソフト化されることも切に願いたくなるほど、ハネケ監督の作品は魅力的である(この作品の公開に合わせ、過去の作品の特集上映が行われるという嬉しいニュースもある)。その一端をこの『隠された記憶』で味わってもらえればと思う。
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  物語は通り越しにある一軒のアパートメントの玄関を映している固定、長まわしの映像でスタートする。何人かの人物、車が通りを行きかい、玄関から人が出てくる。ここで何かが起こる予感に駆られるのだが、その映像は突然巻き戻される。それはその家に暮らす主人公である男、家族の長へ何者からか届けられたビデオテープなのだ。TV局の本を紹介する番組の人気キャスターである主人公にも、妻にもその理由は一切分からない。それは何かが映っているようでいて、何も映っていない映像だからだ。世間よりはレベルが高いが普通の生活を送る家庭には次々とこうしたビデオテープが送り届けられることになる。しかも映像は核心に近づいているのか徐々に変わり、そのビデオテープを包む紙には得体の知れないイラストが描かれていることもあった。家の主はそれが自分の過去の出来事に関係があるのではないかということに気付き、ビデオテープに小さく映っていた街路表示からある場所を訪ねてみる。
  オープニングの映像がビデオテープであったと分かった瞬間、次々と届けられるビデオテープの映像を観ることから、多分、観客である僕たちの頭は翻弄されていく。それはどれがビデオテープの映像でどれが現実の映像なのかという部分である。例えば、オープニングのビデオテープの映像の後に、夜間のほぼ同じ構図で撮られた映像が映し出されるなど、編集の巧みさもあり、ちょっと疑心暗鬼な状況になっていくのだ。訳の分からなかったビデオテープを届けられる家族にとってもサスペンスだが、そのサスペンスは違った部分で観る側にも共用されていく。そして徐々にそれが主人公の過去の記憶に関係があると分かることでミステリー的な観方も出来るようになってくる。主人公は過去に何をしたのか、ビデオテープを送るのはだれなのか、その理由は・・・・。こうした重要なことが明らかになることを望む方は多いだろうが、ハネケ監督のこの作品はそうした部分をほとんど明確にしない。観る側が「なぜ」と思考することを強いるのだ。これはハネケ監督の作品の特徴で、こうした部分が一様に“難解”という感慨をもたらすのかもしれない。
  でも、ハネケ監督はそこを狙った映画作りをしており、それが映画の面白みだと考えていることは確かだろう。しかも、そこには社会が抱える様々な問題をフレイバーしている。例えば、オープニングのビデオテープはストーキングであること、これが見えない暴力、脅迫に繋がっていくことは分かるだろう。その他にも家族、人種、経済的格差などの問題がここには転がっている。そしてタイトルにもある“記憶=過去の出来事”がこの作品には大きく関わってくる。この“記憶=過去の出来事”は主人公が心の奥にしまいこんでいたであろう都合の悪い出来事なのだが、こうした部分はそこまでではないにしても誰もが抱えているはずだ。しかも、それに対して大きな罪も持っていないはずだ。これは人間の理不尽さでもある。
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  作品は主人公の“記憶=過去の出来事”が明らかになるにつれ、あまりにも衝撃的な出来事が起こり、そして本当に衝撃的な結末へと落ちていく。ただ、この結末がどこへ向かうのかは全く分からない。それが始まりなのか、継続しているものなのか、それとも・・・・とここに対しても色々な解釈が成り立つのだ。ひとつ言えるのはオープニングでビデオテープが巻き戻されるように、ここでは僕たちがこの作品を頭の中で巻き戻さなければならないということだ(但し、それは『メメント』的なものとは違う)。そこから更なる解釈が成り立ってくるはずだ。
  何気ないことを積み重ねていくことで、現実と心身面の迫り来るサスペンスを描いた圧倒的な作品である。万人向けではないが、映画が持つ面白さ、残す思考がこの作品には存在している。映画が好きというなら、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「突然、届けられ始めたビデオテープ、そこには男の過去の記憶を揺るがす事実があった」
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 TV局の人気キャスターであるジョルジュ。彼は妻のアン、ひとり息子のピエロと比較的裕福な生活をしている。ある日、ジョルジュ宛に差出人不明のビデオテープが届く。そのビデオに撮られていたのはジョルジュの暮らすアパートメントを捉えた映像だった。そこにはジョルジュやアンが出かける状況も映されていた。でも、何か不吉なもの、不可解なものが映っているとは思えなかった。そのビデを巡り、夫婦で言いようのない不安がつのっていた頃、また新たなビデオテープが届く。それは前回のものの夜のバージョンで、ビデオテープは血を吐く少年の得体の知れない落書きのような絵に包まれていた。そして、次に届いたビデオテープに映し出されていたのはジョルジュが生まれた家の映像だった。その映像からジョルジュは思い立ったように母を訪ねる。その時、ジョルジュはビデオテープの送り主に思い当たる節を持っていた。それは彼の過去の隠してきた記憶と大きく関わるものだった。
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