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『ジャンプ!ボイーイズ』

配給:東京テアトル、ツイン
オフィシャルサイト:
http://www.jumpboys.net/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ


監督、製作、撮影、編集:
  リン・ユゥシェン
製作、撮影:チュアン・チンシェン
編集:ディン・チェンウェン
音楽:ジェフリー・チェン

*台湾金馬賞
  ドキュメンタリー部門
  最優秀賞 受賞

2004/台湾/ヴィスタサイズ/
ドルビーデジタル/1時間24分


イントロダクション
「台湾の全国体操大会を目指す幼稚園から小学校二年生の少年7人と熱血コーチ、そして実兄であるコーチと監督である自分の関係を捉えた、心の底から楽しめ、元気になれるドキュメンタリー作品」
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 “華流”という合言葉と共に中華圏の映画を盛り上げていこうという動きが相当に活発になっている(ただ、それに見合ったヒット作などは生まれていないのだが)。ガンガンと盛り上がっていくことはすごく良いことだと思うのだが、こういう流れは当然のように「“華流”なんて」という否定的なものも生み出していく。“華流”など関係なく、純粋に個人が面白いと感じられるものをセレクトできるようになればいいと個人的には思うので、こういう壁は邪魔だなと感じる部分も多々ある。今回紹介するのはそんな“華流”の中心となるであろう台湾で大ヒットを記録したドキュメンタリー作品『ジャンプ!ボーイズ』である。
 この作品は幼稚園児から小学2年生までの男の子たち7人と彼らの指導者であるコーチを主人公とした物語である。男の子たちとコーチとなると当然、何らかのスポーツが連想されるだろう。ここで彼らが取り組むスポーツは一般的にはオリンピックくらいしか陽の当たることがない“体操”である。小さな、可愛い男の子たち7人が鉄棒、あん馬、跳馬(跳び箱)などに一生懸命取り組み、全国大会を目指していく様子をこの作品は捉えていく。となると「涙も汗のうち」の感動的なスポ根ドキュメントをイメージしてしまうかもすれないが、そういったものとはちょっと違うのがこの作品の面白さ、良さに繋がっている。
  そうなった理由はこの作品が弱小チームや常勝チームなど、ひとつのチームが成長し勝ちあがっていく姿を捉えていくのではなく、作品に監督自身の持つ大きな気持ちが込められているからだ。それは兄弟の関係である。監督はこの子供たち7人のコーチである男性の弟であり、自分が子供の頃は当然のように兄の大いなる影響を受けながら成長してきた(年齢差は4歳ほどのようだ)。子供の頃から体操に取り組み、アジア大会金メダリストの体操選手として台湾では名を馳せた兄は引退後は体操クラブのコーチとなり、子供たちを育て上げている。そんな時に監督は兄が子供の頃の体操クラブの集合写真を偶然目にする。そこに写った兄をはじめとする体操仲間と兄が教える子供たちが重なった監督はコーチである兄と子供たちを追い始めるのだ。それは子供の頃のように毎日は付き合わなくなり、知らないことも多くなった兄と監督自身の関係性の再確認であり、成長していく子供たちにどこかであの頃の兄、体操はやっていなかったけど自分を見るような優しい眼差しでもある。
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  そんなことを書いても観始めれば、子供たちの純粋さなどにはまりこんでしまうのがこの作品の大きな魅力でもある。唯一の幼稚園の男の子はストレッチ(当たり前だけど並みのストレッチではない)の度に涙を流すが、負けん気も人一倍強い。その小学1年生の兄は弟と正反対の慎重な性格であん馬が常に1回転しか出来ない(でも、最後にちょっとした奇蹟(というより努力の結果)が起きる)。かと思えば、トップを狙うふたりがいる。でも、このふたりは常にライバル心をむき出しにしているわけではなく、たいていは仲良く遊び、そうした中でちょっとした摩擦が起きる。そんな彼らを厳しく、優しく見守るコーチがいる。コーチはチームの皆に頑張ってもらうためにチーム内での擬似試合を何度となく行う。もちろん、賞品がついていて、勝った順に好きなものを選ぶことが出来る。それは監督である弟からすれば、“せこい”賞品なんだけど、コーチである兄はコンビニで自分の予算内で7人分の賞品を選び、子供たちはその賞品のために一生懸命頑張るのだ。そして、この擬似試合にも大きなドラマがあるのだ。
  普通だったら子供たちに対して「何で頑張るの」という質問をしたり、全国大会に出場するチームにとってライバルとなるであろうチームなどを追っていくはずなのだが(最後の大会の場面で遠めに捉えられるだけだ)、この作品にはそういった部分はない。監督は子供たちの目線に立って、自らも楽しむように彼らへのインタビューを試みていく。象徴的なのが「コーチは怖い?練習は嫌い?」というものだ。その目線は監督と子供たちに仲間意識といった空気を作り上げていく。一方、兄であるコーチに対しては自分にとっての兄という存在、兄から子供たちに望むこと、叶えさせたいことを身内的な感覚を持ちながら聞いていく。それにより、彼は当たり前だけど常に弟だった自分にとっての兄の存在を確かにしていく。
  台湾国内では公開後に口コミで評判を呼び、2005年度の台湾映画公開作品として興行成績第5位の大ヒット記録。そのときの口コミは「元気になれる映画」というものだったという。観てもらえば分かるが、泣いてもへこたれずに挑戦し、出来れば大喜びするという、年齢を重ねるにつれてどこかに蓋をしてしまいこんでしまった子供たちの気持ち、そこを活かそうとするコーチの想いがこちら側をグイグイと捉えて離さないのだ。ほぼ、監督自身が撮影するデジタルビデオ1台で撮られた映像であることから、その荒さ、編集の拙さも感じられるのだが、そういった部分は全く問題にならなず、「元気になれる映画」という意味も実感するはずだ。今年は社交ダンスに打ち込むニューヨークの小学生たちを描いた『ステップ!ステップ!ステップ!』という秀作ドキュメンタリーが公開されたが、あの作品を気に入ったなら、この作品は間違いなく好きになるだろう。もちろん、子供と一緒に観ればすごく楽しめることは間違いないし、 “華流”という枠で括られることはないだろうが、そういうファンの方にも観てもらいたい作品だ。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「幼稚園児から小学校2年生までの男の7人とコーチは体操の全国大会を目指していく」
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 物語の舞台は2003年、台湾の地方都市。ここの小学校で放課後になると体操の練習に励む子供たちがいる。その中で幼稚園児から小学校2年生までの選ばれた男の子たち7人は10月に開催されるジュニア体操全国大会を目標に練習を重ねている。子供たちを指導するコーチはアジア大会の金メダリストで、この作品の監督の実兄でもあるリン・イーシン。毎日行われる練習風景、その中で子供たちが見せる無邪気な姿、コーチの子供たちへの願い、親たちの想い、カメラは全国大会を目指す子供たちの姿を追っていく。
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