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『ジャケット』

配給:松竹
オフィシャルサイト:

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
エイドリアン・ブロディ
キーラ・ナイトレイ
クリス・クリストファーソン
ジェニファー・ジェイソン・リー
ケリー・リンチ
ブラッド・レンフロ
ダニエル・クレイグ
監督:ジョン・メイブリー
製作:ピーター・グーバー
    ジョージ・クルーニー
    スティーヴン・ソダーバーグ
原案:トム・ブリーカー
    マーク・ロッコ
脚本:マッシー・タジェディン
撮影監督:ピーター・デミング
編集:エマ・E・ヒコックス
美術:アラン・マクドナルド
衣装:ダグ・ホール
音楽:ブライアン・イーノ

2005/アメリカ、ドイツ/
シネマスコープ/SR、SRD、
SDDS/1時間43分


イントロダクション
「主演エイドリアン・ブロディ&キーラ・ナイトレイ、スティーヴン・ソダーバーグとジョージ・クルーニーが設立した製作プロダクション“セクション・エイト”だからこそ生み出せた、先の展開が全く読めない、魅力的なSF的サスペンス・ラヴ・ストーリー」
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(c) 2004 VIP MEDIENFONDS 2/VIP MEDIENFONDS 3/MP PICTURES. All Rights Reserved.
 現在(2006/5)、監督第2作目である『グッドナイト&グッドラック』が日本でもヒット中のジョージ・クルーニー。それなりの血筋、最高のルックスでありながらも、俳優としてのデビュー後は泣かず飛ばずの状態が続いていた彼がブレイクしたのがTVシリーズ「ER 緊急救命室」だった。その後、メジャーなエンタテインメント作品に出演しながらスティーヴン・ソダーバーグと共に製作会社セクション・エイトを設立し、ハリウッドの主流からは一歩足を踏み外した刺激的な作品を提供してきた。そんなセクション・エイトが送り出す作品のひとつが、今回紹介する『ジャケット』である。
 この作品『ジャケット』もメジャーなハリウッド映画ではこのようには撮れなかっただろうなという刺激的かつ面白い作品となっている。まず、その大きな要素となるのが、先が読めないストーリー展開である。物語は湾岸戦争の映像から始まる。あのシュミレーション・ゲームのような映像が映し出される中、この最前線にいるひとりのアメリカ兵がイラク人の子供に頭を撃たれ、野戦病院へと担ぎ込まれる。彼は瞬間的な死を体験し、蘇生する。1年後、帰郷した彼は故郷であるヴァーモント州の路上をヒッチハイクしながら、ひとり歩いている時に故障で立ち往生している1台の車に出会う。そこにはひとりの少女と、路肩にうずくまる母親らしき女性がいた。彼は車を直し、少女が興味を持った自分の認識票をプレゼントする。しかし、母親に疎まれた彼はその車に同乗することが出来ず、別の車を捕まえる。その車が警官により停止されたとき、彼の記憶は途切れる。その後、彼は法廷で警官殺しの裁判を受け、頭への被弾と湾岸戦争症候群ともいうべき精神状態により無罪と認定され、精神病院へと送られていくのだ。物語のキーとなるのは主人公は湾岸戦争により脳の記憶に重大な損傷を受けているということと、罪を犯したとされる瞬間の記憶が抜け落ちているということである。となると、無実の罪で精神病院に収監されたかもしれない主人公がそこを証明するために闘う展開を想像するかもしれないが、この作品の本番は精神病院に入ってから、そこでの荒治療、実験にあるのだ。
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  現実的に精神病院や隔離施設などでは入院患者などへの度を越した関与報道もされているが、この作品で主人公は自分の成果のためにはマッドな部分を持った医者による実験対象になっていく。主人公は夜毎、ガチガチの拘束衣で寝台に体を縛り付けられ、薬を撃たれ、死体安置のためのロッカーに放り込まれるのだ。もちろん、彼はロッカーのような真っ暗な空間で恐怖に駆られるのだが、記憶のフラッシュバックとともに、自分のあの認識票を持った成長した少女に出会うという経験をする。それは端的に言えば、タイムスリップ、未来の予知、ワープである。そしてこの体験はあのガチガチの拘束衣で寝台に体を縛り付けられ、死体安置のためのロッカーに放り込まれる時にしか起きないのだ。タイトルの『ジャケット』(原題『THE JACKET』)はこのときに彼が着せられる拘束衣を意味している。
  主演の男性を演じるのはエイドリアン・ブロディ。アカデミー賞主演男優賞を受賞した『戦場のピアニスト』でもその奔走ぶりが印象的だったが、この作品でも痩せてぎすぎすした体で、自らの存在価値を死体安置所のロッカーの向こうにある未来に見出した男を見事に演じている。その彼にとって運命の女性を演じるのが『プライドと偏見』の公開も記憶に新しいキーラ・ナイトレイ。体調の不良にも拘らず、飛行機に飛び乗り、自らの熱意で熱望していたこの役を獲得したという。その熱意はもちろん、女優として成長を続ける彼女も感じ取れるはずだ。その他、クリス・クリストファーソン、ジェニファー・ジェイソン・リーなどの共演者も物語のキーとなる人物を印象的に演じている。
  文字にすると明確な物語だが、何の予備知識もなく観てしまうとちょっとした混乱に陥る方もいるかもしれない。特にロッカーに放り込まれてからフラッシュバックのように彼の頭に甦る映像には具体的な説明もない。でも、そこに現れる映像のピースを自らの頭の中で当てはめ、推理していく楽しみ、そういったことをせずともどこに向かうのかという面白みに満ちている物語となっている。こういう作品はちょっと書くだけでネタばれになってしまうのだが、作品は彼が犯したかもしれない罪ではなく、もっと根源的な重要なものの解明、未来という世界で出会ったあの女性との邂逅、ロマンスがテーマとなってくる。そこへ到る道筋もその後の流れもよく出来ている。
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  スティーヴン・ソダーバーグによってこの作品の監督として白羽の矢を立てられたのは『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』という公開作品あるイギリス人監督ジョン・メイブリーだが、ミュージック・ビデオでも活躍してきた彼持つ映像的なセンスが物語に見事に合致している。この作品のきっかけとなったスティーヴン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニーによる製作会社セクション・エイトはハリウッドでありながらも既存のものとはちがうセンスに満ちた、冒険的な作品を生み出し続けていたのだが、その活動には終止符が打たれることが決定している。自分たちの役割は終えたという発展的な解散ではあるのだろうが、現状を眺めた限りでは残念としか言いようがない。例えば、この作品がハリウッドのメインとなるべき作品として作られたならと考えれば、そうした部分は明確だろう。
  SFであり、ミステリーであり、何よりもロマンスであるこの作品は、多くの方にとり頭のどこかに残り続ける作品となることは確かだろう。正直、似たようなテーマの作品は乱発されているが、切り口を変えただけで、映像的なセンス、それに合った音楽(ブライアン・イーノだ)を取り入れただけでここまで魅力的な作品が出来るという好例である。ぜひ、劇場でその面白さを味わってください。

ストーリー
「湾岸戦争で心身に傷を負った男。彼は警官殺しの罪から精神病院へと送られ、ある実験台へとなっていく」
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(c) 2004 VIP MEDIENFONDS 2/VIP MEDIENFONDS 3/MP PICTURES. All Rights Reserved.
 湾岸戦争、その最前線でイラク人の子供の銃弾を頭に受け、一度は心肺停止という死の淵に落ちたジャック・スタークス。1年後、彼は故郷であるヴァーモントに戻ってきた。雪に積もる中、路上を歩きながらヒッチハイクをしようとしていた彼は故障で立ち往生している車に出会う。車の横には少女、路肩には母親らしき人物が気分が悪そうにうずくまっていた。彼は車を修理し、少女が興味を持った認識票のついたネックレスをプレゼントするが、母親は彼を疎み、車に乗せることもせず、出発してしまう。その後、彼は若者が運転する車をヒッチハイクするが、その車は制限速度オーバーのため、後から来た警官に停止させられる。そこで彼の記憶は途切れてしまう。目覚めたとき、彼の横にあったのはその警官の死体と自分の手に握られた拳銃だった。
 湾岸戦争で負った身心の傷により、裁判で無罪を勝ち取った彼だったが、その行き着いた先は放免ではなく、精神病院だった。そしてこの精神病院で彼はある実験の対象となり、そこで絶望と新たな希望を見出していく。
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