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『世界』

配給:ビターズ・エンド
オフィシャルサイト:
http://www.bitters.co.jp/sekai/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
チャオ・タオ
チェン・タイシェン
ジン・ジュエ
チャン・チョンウェイ
シャン・ワン
リュウ・チュエン
ワン・ホンウェイ
リャン・チントン
監督、脚本:ジャ・ジャンクー
プロデューサー:吉田多喜男
        市山尚三
撮影:ユー・リクウァイ
編集:コン・ジンレイ
美術:ウー・リーチョン
音楽:リン・チャン

2004/日本、フランス、中国/
カラー/HD→35o/シネマスコープ
/ドルビーデジタル/2時間13分


イントロダクション
「中国の北京に実在する世界の名所を縮小化した“世界公園”。ここを舞台に世界にいながらにして世界に出られない若者たちの姿を描いた世界が注目するジャ・ジャンクー監督の最新作」
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(c) 2004「世界」製作委員会
 “韓流”に続き、“華流”(ホアリュウ)という中華圏の作品を中心としたブームがやってくるといわれている。その中心となるのはF4、エディソン・チャンなどの台湾勢、これにプラスして根強いファンを持つ香港勢、そして中国(大陸)のフービンなどだろう。すでに彼らの作品は公開、TV放映され始め、日本映画とのコラボレーションも始まっている。このブームも“韓流”と同様にスター偏重主義的な流れになるであろうことはいがめないが、より幅広い、多くの作品が公開されていくのも確かだろう。今回紹介する『世界』は世界が注目する若手中国人映画監督 ジャ・ジャンクーの最新作である。
 北京電影学院の卒業制作として作成した作品『一瞬の夢』(1998)がベルリン国際映画祭の新人監督賞、最優秀アジア映画賞を受賞し、一躍世界の注目を浴びたジャ・ジャンクー監督はその後『プラットホーム』(2000)、『青の稲妻』(2002)という作品を発表してきた。これらの作品でジャ・ジャンクー監督が描いてきたのは、監督自身とも重なる現代の中国の若者たちの姿や支配体制へのやんわりとした不満、揶揄である。国際的には驚異的とも思える経済成長による繁栄を手にしつつある中国だが、その裏では貧富の差の拡大など国の成長を揺るがす大きな問題も露呈してきている。日本で公開される中国映画は「感動」を打ち出す面が大きかったため、こうした部分に触れる作品がどうしても少なかったが(それ以前に中国国内での正式公開も少ない)、今後の“華流”の盛り上がり次第ではこの手の若手を中心とした作品の公開も大いに期待できるはずだ。ジャ・ジャンクーはそうした監督たちの代表的存在である。
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(c) 2004「世界」製作委員会
 この作品『世界』は北京郊外に実在するテーマ・パーク“世界公園”を舞台としている。このテーマ・パークは「40カ国の109カ所もの著名な建築物が、10対1の比率で縮小されて再現されている」場所だという。どれくらいの人々がここを訪れているのかは分からないが、監督はオープンしたばかりの頃に田舎から北京に訪ねてきてくれた両親をここに案内している。その際に両親がとても興奮したことも憶えており、そういった部分がこの『世界』という作品には繋がっているという。「世界が突然、自分たちの身近に思えたが、実際のところは、より遠くなっていた」と監督はその時の気分と相反していった気持ちを語っている。そして、この世界の中にいながら、世界から遠く離れている、この世界から抜け出せないという思いが、この作品『世界』のテーマとなっているのだ。
 物語はこの“世界公園”でダンサーとして働く女性や仲間たちの群像劇として展開していく。登場する女性や男性のほとんどはこの“世界公園”で働き、暮らしている。彼らはそれぞれに恋愛などをしながら、その状況に押しつぶされそうになっている。言うことを聞かない相手に体当たり的な行動に出たり、浮気をしていたり、その心配をしていたりと、それは世界中どこでも変わらないような恋愛や悩みだ。彼らが多少違う部分があるとしたら、“世界公園”という世界を俯瞰できる場所にいながら、世界に出る道が閉ざされてしまっているということだ。そんな“世界公園”にはアトラクションの一環としてロシアなどからダンサーもやってくる。彼らは自国では満足な稼ぎが得られないため、世界のこうしたアトラクションを転々としている。それは相当に辛いことなのだが、“世界公園”という世界から抜け出せない彼らにとっては羨むべきものなのだ。そんな彼らを羨むのが田舎から抜け出せない仲間たちである。仮に抜け出してきたとしても彼らのような安定した仕事を得ることはまず出来ないのだ。でも、仲間たちはより多く稼ごう、稼げると思い、この都会へとやってくるのだ。
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(c) 2004「世界」製作委員会
 今ではほとんどなくなっているが、都会に対する田舎からの憧れと行動はこの日本にも存在した。それ以前には世界への憧れもあったはずだ。監督は「“世界公園”の環境は、映画に独特な雰囲気を与えるだろうと思いました。物語は中国人だけでなく、世界の別の場所でも起こりえるものです。」と語っているが、この日本でも、世界の他の国々もそういう構造を抱えてきているのだ。グローバリゼーションの中で世界はより狭く、即時的になってきているように思えるし、その影響も大きくなっている。そういった中で、多くの個人の悩みは変わっていないどころか、即時的な情報に振り回され、より深刻化している。間違いなく、世界は大きく変わっているが、個人の悩みは変わらない、そういった部分が“世界公園”という世界を介在として、何重もの形となりながらうまく捉えられているのがこの作品なのだ。
 映像はこの監督の特徴である長まわしを存分に活かしながら、そこにアニメーションを取り入れるなど新境地も試みている。物語で携帯電話をうまく機能させる部分などは中国の現代の若者に視点を置き続けるこの監督ならではのものだろう。
 今までの作品が中国で公開されてこなかったジャ・ジャンクー監督だが、この作品から正式に中国国内でも公開されることになったという(それ以前の2作は資本にも中国が絡んでいない)。それは世界を見据えての中国という国の変化である。そうした変化に対しても強烈な一撃を放つこの作品は、確実に一部で熱狂的な支持を受けていくはずだ。そういった支持がどのようなさざ波を世界に巻き起こしていくのかも気になる部分だ。ぜひ、劇場でその世界を体感してください。

ストーリー
「世界のミニチュアである“世界公園”、ここに働く者たちの世界の物語、日常は続く」
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(c) 2004「世界」製作委員会
 「バンドエイド持っていない?」と楽屋を訪ね歩くダンサーのタオ。ここ北京郊外にある“世界公園”で彼女はダンサーとして働いている。ダンサーの仲間からは「姐さん」と慕われている彼女には、ここで警備主任として働いているタイシェンという恋人もいる。“世界公園”は世界の名所、旧跡などのミニチュアが集められているテーマ・パークだが、タオたちは世界という内側で働き、暮らしながらも、些細な日常の出来事に心を揺らされ続けている。そして現実の世界は大きく変わり始めている中、このミニチュアの世界から出られないという現実も抱えている。そうした中でタオたちは日々を暮らしていく。
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