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『プライマー』

配給:バップ、ロングライド
オフィシャルサイト:http://www.primer-japan.com/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
シェーン・カルース
エイブ:デヴィッド・サリバン
ケイシー・グッデン
アナンダ・アダヤヤ
キャリー・クロフォード
サマンサ・トムソン
チップ・カルース
監督・制作・脚本・編集・撮影・
音楽:シェーン・カルース
撮影:アナンダ・アダヤヤ

2004/アメリカ/カラー/
ヴィスタサイズ/ステレオ/
1時間17分


イントロダクション
「圧倒的なスリリングさ、緊迫感、そしてこちら側の混乱。何度でも観たくなる今までにないタイムマシーン映画の登場」
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 現在(2005/9)、絶賛公開中の作品『サマータイムマシン・ブルース』は当人たちにとってはとても重大な出来事を巡り、タイムマシーンで右往左往の大騒動になる様子を面白おかしく(そして真面目に)描いた作品だった。その作品の中心でもあるタイムマシーンは古今東西、様々な作品に登場している。実現はまず不可能のように感じるが、一縷の可能性からそこにのめりこんでいる研究者も多いはずだ。そんな人類にとっての夢でもあるタイムマシーンをテーマとした、とんでもない作品が登場した。それが今回紹介する『プライマー』である。
 物語の舞台となるのはアメリカの郊外にある平凡な街。ここに昼間はエンジニアなどとして働き、夜は仲間たちとのオリジナル製品の共同開発&起業を目指す4人の男たちがいた。しかし、その前途は多難の上、肝心の資金も底を付き始めていた。そんな中、2人が離脱、残った2人は新たな研究を続けるうちに思わぬものを発見する。それはタイムトラベルが可能となるものであった。
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 会社での仕事を終えてからガレージでなにやら物を作っている男たちの映像、そこで交わされる専門用語といういかにもアメリカの起業家精神を象徴するようなシーンから始まるこの作品は2004年のサンダンス国際映画祭で上映されるとすぐに多くの観客の心を捉えた(審査員大賞&アルフレッド・P・スローン賞受賞)。それはこの作品が従来の山の様にあるタイムマシーン映画と全く違う作品であったからだ。そのひとつはこの作品の持つリアリティーである。先に書いたようにこの男たちの間で交わされる会話は科学者、エンジニアの専門用語だらけである。英語は当然だが、字幕スーパーとなっている単語自体の意味が半ば素人であるこちらには釈然としない部分もあるが、それ自体がこの作品に緊迫感と相当なリアリティーをもたらしている。研究実験を続けるうちに彼らが発見したタイムトラベルが可能な空間もただの箱の中でのみ起きていることである。よくあるように人物の体がゆがんだりなどすることはない。彼らも周囲も変わらない。変わるのは時間軸だけである。実際にタイムマシーンが出来るとしたら、こんなものでしかないんだろうなというリアリティーがここにもある。
 そのリアリティーも監督のシェーン・カルースが数学を学び、エンジニアを生業にしていた人物だということで納得できる。彼はこの作品で監督だけでなく、脚本、撮影、編集、音楽、そして主演までひとりでこなしている。正に彼の映画なのだ。そんな彼は映画監督を目指した理由を「数学を研究しようとは思っていたんだけど、僕がやりたかった研究に出資してくれる人が見つからなかったから、僕には向いていないエンジニアをやっていた。映画は監督が大部分をコントロールできる。だからこそ挑戦をしてみたいと思ったんだ。」と語っている。実際に映画を撮り始めるに当たっては、講座を受けたり、たくさんの脚本を読んだり、プロダクションに通って質問をしたりを繰り返したという。それはカメラの役割から始まる本当に基礎中の基礎だったらしい。
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 この作品が素晴らしいのはリアリティーだということを書いたが、こちらを虜にする面白さはタイムトラベル以降にある。彼ら2人は仲間に内緒でタイムとラベルを始める。その目的はお金。未来から過去へ数時間戻り、デリバティブ取引で大きな利ザヤを稼ごうというのだ。この辺の発想はアメリカ的かつ現代的。株価の結果を知った彼らは箱の中に入り、その日の株取引直前へと戻る。そして株を注文し、この世界にいるもうひとりの自分に会わないためにやることもなくホテルに閉じこもり続ける(この辺りはこんなに単純ではないのだが)。これを何度も繰り返していくわけだ。ただ、人間の欲望はそこには押し留まらない。自分がそこでやった悪さもそこから過去に戻れば、その当事者にとっては無になる。どちらかがそれをやろうとした時に必然的に両者の間に葛藤が生まれていく。そして、もうひとつの問題はタイムマシーンが他にもあって、それを当人たちや他人が使用していたらどうなるのかということである。タイムトラベル以降はパズルのピースのように同じシチュエーションなのに違う行動など、どう考えたって2人の移動(オリジナルと分身の4人でも)だけでは理解できない状況が生まれてくる。こちらの頭に残るのは混乱である。僕は1度だけしか観られなかったのだが、その状況をうまく整理できずにこの文章を書いている。一つひとつのシーンをじっくりと眼に焼き付けていけば、パズルは解けるらしいが、どこがどうなっているのかは未だに分からない。でも、そこの部分が圧倒的にスリリングなのだ。過去を変えようと思い、行動し始めた彼らの行く末が気になって仕方ないのだ。あのエンディングには納得だが、でもあれはひとつのオリジナルか分身のエンディングでしかないのだろう。ナレーションで事の次第を話し続ける人物はオリジナルなのか、分身なのか。こう書きながらも様々なことが頭の中に沸いてきて、僕は更に混乱してきている。多分、もう一度観てもこの混乱の収拾はつかないだろう。
 リアリティーに満ちたバックグラウンドと物語の緊迫感で圧倒的な世界を構築した作品『プライマー』。頭の体操にも最適な映画の可能性を示した作品です。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「一儲けを夢見て、実験を続けていたエンジニアが偶然、生んだのは時間の概念が変わる装置-タイムマシーン-だった」
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 アメリカの郊外にある平凡な街。エンジニアのアーロンは昼間の仕事を終えてから仲間たちと新たな売れるオリジナル製品の開発に勤しんできた。将来はそれで一儲けを夢見てだ。しかし、大した結果も得られずに資金と時間を食うばかりの開発は完全に行き詰っていた。仲間のエイブはこの状況を打開するために超伝導を利用することで重力を軽減させる装置の開発を提案。これが出来れば、ノーベル賞も間違いなしだが、あまりの無謀さに仲間は離れ、エイブとアーロンのふたりだけになってしまう。それでも研究を続けるふたりに思わぬ副産物が舞い込む。彼らが実験していた装置の内部は時間の概念が変わる状態になっていたのだ。ふたりはこれでタイムマシーンを作ろうと思いつく。そして、その行動に入ろうとした時、エイブに連れて行かれた場所でアーロンが目撃したのはもうひとりのエイブの姿だった。タイムマシーンはすでに実験の結果を知るエイブの手により作られていたのだった。そして彼らは金儲けのために過去へとタイムトラベルするのだが。
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