「鎖につながれたふたりの男。その間に横たわる死体。そして不可解なゲームが始まる」
ひとりの男が水が張られたバスタブの中で目覚めた。男の名はアダム。暗闇の中で助けを求めるアダムの声に反応する男の声があった。その男がスイッチを見つけ、電灯をつけると、そこにあったのはアダムの対角線上に位置する男の姿とふたりの間に横たわるカセットプレイヤーとピストルを持った自殺した男の死体だった。アダムの対角線上にいる男の名はゴードン。外科医である。片足を鎖でつながれ、ある範囲しか身動きを取れないふたりの男にはそこにいる理由すら分からなかった。そんな彼らのポケットには互いにカセット・テープが入れられていた。死体からうまく手に入れたプレイヤーでそのテープを再生するとそこにはあるメッセージが入れられていた。それは「6時までに相手を殺すか、お互いが死ぬか」という内容の脅迫であった。残された時間は6時間余り。犯人が残した様々なヒントを手掛かりにふたりは脱出に向けて様々な行動を始める。そんな時、ゴードンは自分たちを監禁したであろう犯人像を思いつく。それはゴードン自身も容疑者として疑われた連続猟奇殺人事件の犯人で、ある刑事が必死に追っている事件だった。 |