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『ブエノスアイレスの夜』
VIDAS PRIVADAS
配給:アット エンタテインメント
オフィシャルサイト:http://www.buenos-yoru.com/


キャスト スタッフ データ
セシリア・ロス
ガエル・ガルシア・ベルナル
ルシス・シエンブロウスキー
ドロレス・フォンシ
カローラ・レイナ
ヘクトル・アルテリオ
チューチョンナ・ヴィラファーネ
リト・クルス
監督、製作総指揮、脚本、音楽:
  フィト・パエス
製作総指揮:
  アレハンドロ・クランシー
脚本:アラン・パウルス
撮影監督:アンドレス・マッソン
編集:フェルナンド・パルド
美術:ジョルジュ・フェラーリ
   ファン・マリオ・ロースト
衣装:アナ・マルカリアン
音楽:アラン・パウルス
2001/アルゼンチン・スペイン/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタルSRD/1時間45分

イントロダクション
「アルゼンチンという国が抱える暗く深い闇をセシリア・ロス、ガエル・ガルシア・ベルナル主演で描いた秀作」
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(c) Circo Beat S.R.L. ARGENTINA 2001
 『アモーレス・ペロス』で鮮烈なデビューを飾った俳優ガエル・ガルシア・ベルナル。今後もスペイン映画界の巨匠ペドロ・アルモドバル監督の新作『バッド・エドゥケーション』が控えるなどハリウッドを含め、今最も注目を浴びる俳優の一人である。日本でもその甘く端正なルックスから熱狂的なファンを抱えていたが、現在(2004/12/10)大ヒット公開中の『モーターサイクル・ダイアリーズ』を契機に、より一層の人気を獲得していくことは間違いないだろう。そういったルックスももちろんだが、彼を語る上で忘れてはならないのは役柄に入りきってしまう演技、その表情、特に眼だろう。今回紹介する作品『ブエノスアイレスの夜』は、そのガエル・ガルシア・ベルナルが『アモーレス・ペロス』の後に出演したアルゼンチン映画である。
 物語の主人公はアルゼンチンを離れ、スペインに暮らすひとりの中年女性。忘れることの出来ない過去ゆえにブエノスアイレスを離れ、人を愛すること、肉体を重ねることすら忘れてしまった彼女は家族の問題から20年ぶりに帰郷する。肉体を重ねることは出来ないが、性的な悦びを求める彼女の唯一の楽しみは、お金を払ったカップルの行為をドア越しに聞きながら自慰にふけることだった。このブエノスアイレスでも彼女はその行為を行っていた。この行為に呼ばれるモデルクラブに所属する青年役を演じるのがガエル・ガルシアベルナルである。主人公の中年女性を演じるのはペドロ・アルモドバル監督の作品でおなじみの女優セシリア・ロス。物語は当然のように青年との関係が、中年女性に肉体を重ねる悦び、人生の喜びを与える方向に向かっていくのだが、その喜びが人生のブラックホールに変わっていくという内容の作品である。
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(c) Circo Beat S.R.L. ARGENTINA 2001
 監督は主演のセシリア・ロスのパートナーでもあるフィト・パエス。彼はラテン・グラミー賞を受賞するなど南米では知らぬ人がいない作曲家・歌手でもある。幾つかの映画への出演や映画音楽も担当している彼の劇場長編デビュー作が、この作品『ブエノスアイレスの夜』となる。監督はこの作品について「この作品で伝えたかったのは、悲劇に見舞われた人間のもろさだ。これは私自身の問題でもあったし、アルゼンチンの歴史にも通じるものだ」と語っている。
 ここで監督が語るアルゼンチンの歴史、悲劇とは、軍事政権の支配下にあった時代のことである。映画『エビータ』の中でも描かれていた民衆の大きな支持を受けていたペロン政権は軍のクーデターにより崩壊する。その後、ペロン政権は復活するが、再度の軍事クーデターにより再び崩壊。この間、軍の弾圧により多くの者が国外に逃亡し、国外の逃亡できなかった者は殺害された。その数は3万人ともいわれている。映画の中では、この悲劇に関してこれみよがしに大きな声では語られていない。それはアルゼンチンや同じ軍事政権下にあった南米の国々の人々なら自ずとそのテーマに気付くからだろう。ただ、そういったテーマに関しては、僕たち日本人はどうしても関心が薄く、匂わせている部分に気付かないことが多い。だから、このソ連とアメリカによる冷戦構造から生まれた背景だけはどこか頭の隅に入れて観て欲しいと思う。ガエル・ガルシア・ベルナル観たさなら、彼が『モーターサイクル・ダイアリーズ』で演じたチェ・ゲバラの動きと重ねてもらえばいいと思う。
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(c) Circo Beat S.R.L. ARGENTINA 2001
 監督が音楽家出身らしく、音楽は本当に素晴らしい(サントラがあれば欲しい)。そして、その音楽と重なるように、映像自体もまるで『ブエノスアイレスの夜』という楽曲のピースのように流れ、展開していく。その映像的にも美しいピースが積み重なり、展開していくことで見えてくる結末には分かっていても唖然とするしかない。欧米では「これほど悲劇的な作品を観たことがない」という感想も相次いだ作品だというが、そういった悲劇がそこらじゅうに生み出され、その悲劇からまだ立ち直れない現実があるということを教えてくれる作品でもある。そういった部分で、僕はどうしようもないほどの感銘を受けた作品だった。ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「20年ぶりに故郷ブエノスアイレスに戻ったカルメンが抱える過去と現在」
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(c) Circo Beat S.R.L. ARGENTINA 2001
  故国であるアルゼンチンを離れ、スペインのマドリッドで暮らすカルメン。故郷に帰ることなど忘れたしまった彼女は、父親の危篤の報を聞き、20年ぶりにブエノスアイレスに戻ってきた。母、父、妹との久しぶりの再会だが、彼女は故郷の日々を実家ではなく、家族に秘密で借りたアパートメントで過ごすこと、スペインへ戻る日取りも決めていた。実は彼女の楽しみは他人の行為を聞きながら、自慰にふけることだった。過去を忘れるために家族から離れることと、この行為のために彼女はアパートメントで過ごすことにしたのだった。友人のモデルクラブのオーナーから派遣されてきた青年と女性。彼女はその青年に惹かれ、毎日のように自分のアパートに呼び出す。もちろん、そこには肉体関係はなかった。彼女は肉体関係を結べない身体だったのだ。その頃、妹は姉が故国に帰りたがらない理由や行動を知ろうとひそかに姉を尾行していた。
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