「土地の利権を巡り、殺しという正当な因習を繰り返す家族。次に殺される青年の行く先」
1910年のブラジル東北部にある荒涼とした砂地。ここに隣り合って暮らすプレヴィス家とフェレイラ家は長年にわたり土地の権利を巡り、ある因習を繰り返してきた。それは殺されたら、殺し返すという復讐という名の因習だった。因習だから、それは両家にとって正当な権利だった。
この日、殺された兄の仇を討つために、プレヴィス家の次男トーニョはフェレイラ家の長男を撃ち殺すことに成功した。しかし、それは今度は自分が殺されるという合図でもあった。トーニョはその事実を受け入れながらも苦悩し続ける。トーニョにはパクーという弟がいた。トーニョは弟を愛し、純粋な弟は兄を信頼していた。そんなある日、ふたりは男女のサーカスの曲芸師に出会う。純粋な弟の気持ちと曲芸師に出会うことで知った外の世界は、トーニョの気持ちを大きく動かしていく。 |