爆裂都市【映画情報】ムービーネット

『爆裂都市』

配給：アートポート
オフィシャルサイト：http://www.bakuretsu.jp/

サイモン・ヤム
アレックス・フォン
千葉真一
しらたひさこ
エドウィン・シュウ
サミュエル・パン
クリスタル・クォック
エディ・コー
ジョー・チョン
チャン・マンライ
ラム・シュー

監督、脚本：サム・レオン　
製作：松下順一
脚本：ポール・チュン
撮影監督：フォン・ユンマン
編集：チャン・カーファイ
音楽：吉川清之
アクション監督：アダム・チャン

2004/中国・香港/35ミリ/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/1時間38分

「サイモン・ヤム、アレックス・フォン、千葉真一など香港と日本の俳優陣が共演した香港ノワール作品」

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　低迷にあえいでいた香港映画が『インファナル・アフェア』シリーズ（最終章は来年（2005）のゴールデン・ウィークに日本公開される）で息を吹き返したという意見に異論のある方は少ないだろう。日本での公開本数も減っていたことから、このシリーズで香港映画の持つ面白さに出会った方も多いのではないかと思う。『インファナル・アフェア』シリーズは間違いなくA級品のノワール映画なのだが、香港といえばB級的な作品も捨てがたい、そこに魅力があると感じている香港映画のファンも多いのではないだろうか。そういった方々にとっては見逃せないであろう作品が公開される。それが今回紹介する作品『爆裂都市』である。
　舞台は香港。この空港で政府の高官が狙撃されるという事件がおきる。犯人の女性は逃走仕切れずに傷を負い、逮捕されてしまう。警察は事件の解決に取り掛かるが、この事件を担当する刑事にある連絡が入る。彼の愛する妻が殺され、息子が誘拐されたのだ。この事実を知るのは彼ひとり、その彼に対し、犯人側からひとつの要求が突きつけられる。それは逮捕されている女性の殺害であった。息子の命を救うこと、職務を全うすることとを天秤にかけた末に彼のとった選択は、愛する息子の命だった････というのがこの作品の物語のさわりである。もちろん、この後、物語は更なる展開を迎えていく。
　香港ノワールらしい派手な銃撃シーン、アクションシーン、そして二転、三転していく物語とともに、この作品『爆裂都市』の大きな見所となっているのが、香港の俳優陣と日本の俳優陣の共演であろう。その出演者たちは、『フルタイム・キラー』、『トゥームレイダー2』と香港のみならず世界でも活躍するサイモン・ヤム、『ダブルタップ』のアレックス・フォン、『キル・ビルVol.1』など日本が世界に誇る俳優ソニー千葉こと千葉真一、『完全なる飼育秘密の地下室』のしらたひさこなどである。
　監督は『完全なる飼育香港情夜』のサム・レオン。『無問題/モウマンタイ』シリーズ、『大阪プロレス飯店』などの話題作ではプロデューサーとしての才能も発揮している監督である。彼自身の持つ日本との人脈、関係が、この作品『爆裂都市』の香港と日本の俳優の共演に結びついたことは間違いないだろう。

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　香港での政府高官の狙撃事件、犯人である女性とその背後にある組織、その組織に息子を誘拐され、警察にも追われる身となってしまう刑事、これらの状況がミックッされながら展開していく物語は、どこかで借りてきたかのようないい所取りの部分もあるが、良くできている（B級的なノリを期待したのでちょっと意外であったが）。ただ、そういったストーリーの中で最高の設定が女性の背後にある組織とそれを率いる千葉真一である。これがぶっ飛んでいるというのか、最高というのか、おいおいというのかは分かれるところなんだろうけど、この組織の成り立ちと千葉真一の重みのある演技、台詞回しは見逃せない部分である（ヒントは「お父さん」ということで。観なければ分からないのでヒントにもならないか。ただ、これがキーとなって物語を最後まで引っ張っていくのには「ほーっ」と感じてしまった）。もちろん、サイモン・ヤム、アレックス・フォンはいい味を出しているし、本格的なアクションは初めてであろうしらたひさこも熱演を見せている。アクションシーンもこれ見よがしに派手に大げさにやることはせず、物語の中できちんと見せていこうとしている部分は好印象だった。基本的には香港映画のB級的な作品だが、登場人物たちの感情をきちんと描きながら、くるくると展開していくストーリーを重視しているので、十分に楽しんで観ることができると思う。『インファナル・アフェア』シリーズもいいけれでも、こういった香港ものも見て欲しいものです。ここから香港映画の奥深さにはまり込んでいくのもいいのではないでしょうか。ぜひ、劇場に足を運んでください。　　

「政府高官を狙撃事件、記憶を無くした犯人、息子を助けるために警察に追われる刑事、その先で進む計画」

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　　香港の空港。ここで到着したばかりの行政長官による会見が開かれていた。その時、記者会見場に現れた女により長官は狙撃される。女はその場をすぐに逃げるが、追ってきた刑事の銃弾により建物から転落、負傷してしまう。この事件を担当することになったのは、香港警察のチョン管理官とミン刑事。警察は女の身元を洗おうとしていたが、女は事件の記憶を一切失っていた。それでも捜査を続け、女の身元を掴んだミン刑事のパソコンにある映像が届く。それは見知らぬ相手に捕らえられた妻と息子の映像だった。映像の中で妻は殺され、息子は助けを求めていた。そして、犯人側はミン刑事に「捕らえられた女を殺さなければ、息子を殺す」というメッセージを残す。苦渋の選択を迫られたミン刑事が選んだのは息子だった。それにより、ミン刑事は警察から追われる立場に変わってしまうが、その裏ではある大きな計画が進行していた。


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