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『17歳の処方箋』
IGBY GOES DOWN
配給:エスピーオー
オフィシャルサイト:http://www.17-shohou.com/


キャスト スタッフ データ
キーラン・カルキン
クレア・デインズ
ジェフ・ゴールドブラム
ジャレッド・ハリス
アマンダ・ピート
ライアン・フィリップ
ビル・プルマン
スーザン・サランドン
ロリー・カルキン
監督、脚本:バー・スティアーズ
製作:マルコ・ウェバー
   リサ・トーネル
撮影監督:ウェディゴ・フォン・シュツェンドーフ
編集:ウイリアム・アンダーソン
美術:ケヴィン・トンプソン
衣装:サラ・エドワーズ
音楽監督:ニック・ハルコート
※2003年BFCA賞 ベスト・ヤングアクター賞 受賞
※2003年ラスベガス批評家協会賞 最優秀脚本賞、最優秀新人賞、最優秀助演女優賞 受賞
※2003年U.Sコメディ・アートフェスティバル 最優秀新人監督賞 受賞

2002年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/1時間38分

イントロダクション
「現代版の「ライ麦畑でつかまえて」と絶賛された痛みと笑いが同居する青春映画」
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  最近では村上春樹による新訳も話題になった青春小説の金字塔とも言うべき作品「ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)」。高校を退学させられたホールディングという17歳の少年が、NYの自宅に帰るまでの3日間の出来事を語るこの作品は、音楽、小説、映画と今でも数多くの影響を与え続けている(最近ではこの小説をバイブルのようにしている少年がその後のホールディングを知りたいがために、大好きな女の子とサリンジャーに会う旅に出るという『ライ麦畑をさがして』という作品も公開された)。今回紹介する作品『17歳の処方箋』もそんなサリンジャーの世界がダブってしまうような青春映画である。
 この作品でホールディングを思わせるような主人公の名前はイグビー。何度も高校を退学になり、根性をたたきなおすために入れられた士官学校すら放校になってしまう17歳の少年である。とにかくひねくれているのか、ストレートなのか分からないくらい反抗的な精神の持ち主であるイグビーは現状を打破しようとしてか、これ以上はないほど自分の周りにいる大人たちに毒づいていく。その反面、自分をきっちりと受け止めてくれる大人に対しては彼なりに甘えていく。その毒気と甘えが、そういったことを経験してきたものからすれば、痛すぎるだ(そして、多少なりともうらやましさも感じるのだ)。
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 監督は俳優、脚本家として活躍するバー・スティアーズ(日本で公開された作品では『10日間で男を上手にフル方法』の脚本がもっとも有名であろう)。この作品『17歳の処方箋』が監督デビュー作になる。全米で公開されるとすぐに批評家やメディアから大きな絶賛を受け、各種映画祭で受賞及びノミネートを果たしたこの作品について監督は「実は僕の兄弟が亡くなった後にこの映画を書いたんだ。サリンジャーは戦争から帰ってきて、死というものに囲まれながら「ライ麦畑でつかまえて」を執筆している。僕も同じような経験をしていたんだよ。だから、10代の頃に戻るというのは僕にとって自然で本能的なことだと思う。作品にはエリートの家庭で生まれ育った自分自身の経験と影響を受けてきた映画や小説の世界(それは「ライ麦畑でつかまえて」、『ファイブ・イージー・ピーセズ』やハル・アシュビー監督など70年代初頭の作品、初期のマイク・リー監督の作品などであるという)を融合させた。これは僕が初めて心の声を感じて書き上げた脚本なんだ。」と語っている。ここで感じるのは行き場のなさを描いた作品が多いなということ。実際、この作品『17歳の処方箋』も行き場のなさに満ちている。そして、そのことは監督自身が若く多感な頃に抱えていたことでもあるんだろう。
 作品においてイグビーの反抗の源として描かれるのが彼の家族である。裕福でエリートで貪欲な彼らは誰もが自己中心的で強い性格を持っている。高圧的な母親、成績優秀で周囲の評判もいい兄、イグビーの名付け親である父親代わりの成功者D.H。もちろん、そんな状況だから家族としてのつながりはぶっ壊れかかっているし、行き場もないのだ(唯一違うと感じさせるのがイグビーの父親なのだが、彼自身は本当に壊れて、そこしかない世界へと隔離されている)。そんな中でイグビーが甘え、付き合っていく大人たちはどこかに脆さを抱えている。その脆さは自分の父親とつながるから、イグビーは彼らに甘えていくのかもしれない。しかし、彼らも大人だから、いくら甘えても物事はイグビーの思うように進まない。そういったことを経験しながらイグビーは現実の重さを認識していくのだ(最後には決定的な出来事が起きる。そこのバックに流れる曲はストレートだけど、印象的だし、監督が影響を受けた70年代的でもある)。だからこの作品はイグビーという少年の大人へのちょっとの成長、旅立ちの物語とも取れるし、表面はうまく行っていそうな裕福な家族、人間関係への強烈な皮肉(笑い)にもなっているとも受け取ることが出来るのだ。
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 出演はキーラン・カルキン、クレア・デインズ、ジェフ・ゴールドブラム、ジャレッド・ハリス、アマンダ・ピート、ライアン・フィリップ、ビル・プルマン、スーザン・サランドンなど。主人公を演じるキーラン・カルキン、母親役のスーザン・サランドンなど俳優陣の演技は見ものです。
 若い頃の絶対的な反抗心が痛さを感じさせるとともにあの頃の気持ちを呼び起こしてくれる、そんな感覚にこの作品は満ちている。そういった反抗心の生まれる崩壊しかかった家族や周囲の大人たちを監督は誇張した“黒い笑い(ユーモア)”を交えながら描いていくのだが、黒い分だけ、一層現実感が立ち上ってくるのも真実である。正直、好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思う。ただ、「ライ麦畑でつかまえて」の反抗心に影響を受けたり、今でも持ち続けている方なら、どこかで共感する要素がある作品だろう。個人的にはイグビーと同世代に観てもらえれば最も嬉しいのだが。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「最低な毎日と大人たちに反抗を繰り返す17歳の少年イグビーのみつけたこと」
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  私立高校を退学になったイグビー。母親にはこれでもかというほど怒られたが、次もどこかの私立に入れられるんだろうと気にもしていない。コロンビア大学に通う出来の良い兄とは対照的だ。イグビーが次に送られたのは彼の予想とは違い士官学校だったが、そこも放校になってしまう。おまけに親のカードでホテルに泊まるなどやりたい放題だ。そんなイグビーを彼の名付け親であるD.Hは夏の間、自分の会社で働かせることにする。そこで彼はスーキーとレイチェルという二人の美しい女性に出会う。スーキーは大学生、レイチェルはダンサーでD.Hの愛人だった。レイチェルからぜひ訪ねてきてとスタジオのアドレスを貰ったイグビーは数ヵ月後にそこを訪ねる。家に帰りたくないイグビーはレイチェルに頼み込み、そのスタジオに無理やり住みこんでしまう。そして、スーキーとも偶然に再会する。家に戻らずに彼は誰にも干渉されずに自分の思ったように暮らしていこうと考えていたのだが。
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