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11 月27 日(日)に閉幕した「第12回東京フィルメックス」コンペティション部門の各賞が発表された。主な受賞は次のとおり。
■最優秀作品賞
『オールド・ドッグ』(ペマ・ツェテン監督/中国/2011年/88分/カラー)
物語:都市開発が進むチベット。富裕層に高く売れる種類の犬を飼っている老人は、犬を売ろうとする息子に反発し、いったん売られた犬を強引に連れ戻す......。頑固な老人とその犬を描きつつ、チベットの現状を表現した作品。
○副賞として賞金100 万円を監督に授与。
受賞理由:これは何もない場所にある静寂と雰囲気を捉え、登場人物の心の中に入り込んだ作品です。非常に真摯な手段で文学から映画への移行が行われています。私たちに、この地域そしてその人々の生活を経験させてくれるものです。
■審査員特別賞コダック VISION アワード
『ムサン日記~白い犬』(パク・ジョンボム監督/韓国/2010年/127分/カラー)
物語:北朝鮮から韓国にやって来た青年が直面する厳しい現実、その痛みと孤独を描く。
○副賞としてコダック株式会社より8,000 米ドル相当の生フィルムを監督に授与。
受賞理由:カメラの前と後ろに立つという困難に身を置きながら、監督は情熱をもってこの作品を完成させました。その情熱が全キャスト、全スタッフに伝染し、真のコラボレーションを達成させました。主人公を通して私たちは現代の韓国と北朝鮮の複雑な状況そのものを経験するのです。
■ スペシャル・メンション
社会の隅に追いやられた主人公の人物像を繊細に作り上げた『ミスター・ツリー』のワン・バオチャン(王宝強)の演技は特筆すべきものでした。
また、審査員はドキュメンタリー作品『無人地帯』に映し出された福島に住む人々への想いをスペシャルメンションとして伝えたいと思います。
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■第12 回東京フィルメックス
コンペティション審査員:
アミール・ナデリ(審査委員長:アメリカ/映画監督)、フィリップ・アズーリ(フランス/批評家)、チョン・スワン(韓国/映画研究者)、篠崎誠(日本/映画監督)、スーザン・レイ(アメリカ/ニコラス・レイ財団代表、映画監督)