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昨年夏に開始された70年代の傑作映画のリバイバル上映プロジェクト「ZIGGY FILMS ‘70s」が全国的に好評を博し、来る8月6日より第2弾として「ZIGGY FILMS ‘70s Vol.2」が開催されることが決定した。
8月6日(土)からは故ロバート・アルトマンの傑作群像劇にして、ソフト化されていないことから幻の音楽映画とも呼ばれている「ナッシュビル」。8月27日(土)からは、本年度カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したテレンス・マリック監督が1979年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した、リチャード・ギア主演の一大叙事詩「天国の日々」が公開される。
「ZIGGY FILMS ‘70s Vol.1」では「バード★シット」、「ハロルドとモード」というカルト的人気の2本が数十年ぶりに公開され、立ち見の出る大盛況となり、メイン館ではレイトショーが追加されるなど、若者を中心にロングランヒットとなった。今回はテレンス・マリック監督のパルムドール受賞の追い風もあり、古い映画をスクリーンで観る機会の無かった新世代の映画ファンにもアピールする絶好の上映機会。
◆「ナッシュビル」 8月6日(土)〜
舞台はアメリカで最も保守的な町といわれ、カントリー&ウェスタンの聖地でも知られるナッシュビル。ここには歌手として、ミュージシャンとして成功しようという野心を持った男女が全米から集まってくる。映画はオープリーという有名なナッシュビルのフェスティバルに係る24人もの人間ドラマを、フェスティバル期間中の数日間を通して描いてゆく。しかもドラマと並行して政治への問題意識や人種差別、お祭り化した選挙キャンペーン、民衆のエネルギーなど、当時のアメリカ社会の意識のありようが浮かび上がる周到な物語だ。
監督・製作:ロバート・アルトマン
脚色:ジョーン・テュークスベリー/撮影:ポール・ローマン/音楽編曲・監修:リチャード・バスキン
出演:ヘンリー・ギブソン、リリー・トムリン、ロニー・ブレイクリー、グウェン・ウェルズ、シェリー・デュバル、キーナン・ウィン、バーバラ・ハリス、スコット・グレンほか
1975年/カラー/160分/原題:NASHVILLE
(c)1975 Paramount Pictures corporation
◆「天国の日々」 8月27日(土)〜
マリック監督の長編第二作。第一次大戦さなかのアメリカ中西部を舞台に、季節労働者となって農作物の収穫期に各地をさまよう移民たちの希望と絶望を、繊細な感情の揺れ動きに焦点をあてた演出や、ため息の出るような詩的な映像美とともに描き出している。
78年の公開当時、リチャード・ギアは「アメリカン・ジゴロ」や「愛と青春の旅立ち」で大ブレイクする直前であり、サム・シェパードは本作が本格的な映画デビュー作だった。大スターの出演作でもなく、観客にわかりやすく移民の説明がなされるわけでもない。歴史や宗教、社会的背景は暗黙の了解であって、ただ静かに移りゆく時間の中で予定調和的な悲劇が訪れる物語が地味だとされたのか、当初アメリカでは興行面では成功しなかった。しかし作品を見た批評家はこぞって大絶賛。ニューヨーク映画批評家賞監督賞をはじめ、数々の賞に輝いた。
監督・脚本:テレンス・マリック
製作統括:ジェイコブ・ブラックマン/製作:バート・シュナイダー、ハロルド・シュナイダー/撮影:ネストル・アルメンドロス/編集:ビリー・ウェバー/音楽:エンニオ・モリコーネ/衣装:パトリシア・ノリス
出演:リチャード・ギア、ブルック・アダムズ、サム・シェパードほか
1978年/カラー/94分/原題:DAYS OF HEAVEN
(c)1978 Paramount Pictures corporation
「ZIGGY FILMS ‘70s Vol.2」 8月6日(土)より新宿武蔵野館にて公開
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア