新着映画情報
来週の5月11日から開催される第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作品20本が正式に発表になった。
○BIR ZAMANLAR ANADOLU'DA (ONCE UPON A TIME IN ANATOLIA)
監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
トルコ、ボスニア・ヘルツェゴビナ/2011年/157分
<解説>
小さな町での生活は、草原地帯の只中を旅することに似ている。丘を越えれば「今までにない斬新な」何かが現れるかもしれない。けれども、結局、先細りするか永遠に続くかわからない、単調で寸分たがわぬ道が続くだけ...。
○DRIVE
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、 キャリー・マリガン
アメリカ/2011年/100分
<解説>
昼は無口で無名のスタントドライバーで、夜はマフィアの雇われ運転手という2つの顔を持つ主人公。その腕前は実に見事なものだったが、ある日、1つの仕事がうまくいかず、地獄の追跡劇に巻き込まれる。彼は自分を裏切った者への復讐を企て...。
○HABEMUS PAPAM
監督:ナンニ・モレッティ
出演:ミシェル・ピッコリ、ナンニ・モレッティ
イタリア、フランス/2010年/104分
<解説>
ローマ教皇の死後、後継者選びの選挙が開かれ、複数回の投票を経てようやく1人の枢機卿が教皇に選出された。大勢の信者たちがサン ピエトロ広場で新教皇がバルコニーに現れるのを今か今かと待つ中、選出された枢機卿はその責任の重圧に耐える準備がまだできていない様子。不安? うつ状態? それとも重責への恐れ? 世界全体が気を揉むなか、バチカンではこの危機を乗り越えるため、枢機卿たちが必死に解決策を模索する。
○朱花(はねづ)の月
監督:河瀬直美
出演:こみずとうた、大島葉子
日本/2011年/91分
<解説>
奈良県、飛鳥地方。日本の発祥地と言われるこの場所には、昔から、待つ喜びを受け入れる人々が暮らしていた。待つことに対するこの感覚を失ってしまった現代人は、「今」に感謝することができず、すべてのことは各自の計画通りに進むという幻想に取り付かれているかのようにみえる。大昔、神々が宿ると信じられていた畝傍山、耳成山、香具山。これら大和三山は今も変わらずその姿をたたえている。当時権力を誇っていたある豪族は、これらの山々を心の中の葛藤になぞらえ、山は人間の業を映すものとされてきた。そして現代、拓未と加夜子は祖父母たちの果たされなかった希望を受け継ぎ、日々を生きる。2人の物語は実に普遍的で、この地球上に積み重ねられた無数の魂を投影している。
○HEARAT SHULAYIM (Footnote)
監督:ヨセフ・シダー(ジョセフ・シダー)
イスラエル/2011年/106分
<解説>
シュコルニク家は父子共に研究者の一家。純粋主義者で社交嫌いの大学教授エリザー・シュコルニクはいつも不運に見舞われてきた。一方、息子のユリエルは同僚たちに一目置かれる存在だった。ところがある日、父子の立場は一転。エリザーにその分野で最も栄誉ある賞が贈られるという知らせが届き、認められたいという彼の想いが爆発する。
○一命
監督:三池崇史
出演:市川海老蔵、瑛太、役所広司
日本/2011年/126分
<解説>
「威厳を持って死にたい。」貧しい侍、半四郎が井伊家を訪れ、家老である勘解由(かげゆ)に切腹を申し出る。半四郎を思いとどまらせようと勘解由は先日も求女(もとめ)という若い浪人が同じことを願い出て切腹を遂げたことを話す。求女の身に起きたそのおぞましい詳細に半四郎は激しく動揺するが、誇りを持って死にたいという彼の決意は変わらなかった。切腹の準備が進む中、彼は勘解由の3人の腹心に介錯をしてもらいたいと最後の請願を申し出る。ところが奇妙なことに3人全員が揃って姿を見せない。訝しがり激怒した勘解由は半四郎に説明を求める。半四郎は求女との関係を明らかにし、彼らの悲喜こもごもの生活について語る。勘解由はやがて、半四郎が復讐心から力による決着に身を投じようとしていると知る。
○L'APOLLONIDE - SOUVENIRS DE LA MAISON CLOSE (HOUSE OF TOLERANCE)
監督:ベルトラン・ボネロ
フランス/2011年/125分
<解説>
20世紀の幕が明けたばかりのパリ。とある売春宿に、顔の傷跡のせいでいつも不気味に笑っているかのように見えてしまう1人の売春婦がいた。笑い続ける彼女を中心に描かれる、売春婦たちの生活やライバル関係、不安、喜び、苦しみ。閉ざされた空間の中で繰り広げられる出来事は外の人間には決してうかがい知ることのない世界。壁の内側ではすべてのことが可能だった。
○LA PIEL QUE HABITO (THE SKIN I LIVE IN)
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス
スペイン/2011年/117分
<解説>
著名な形成外科医であるロベルト・レガルドは、交通事故でやけどを負った妻を救うため、新しい皮膚の開発に没頭する。そして事故から12年後、どんな衝撃にも耐えることができる皮膚の培養に成功する。研究と実験に費やした年月のほかにロベルトに必要だったもの。それは実験台となる人間と親友、そしてためらいを完全になくすことだった。彼はためらいを感じて心苦しくなることは一切なく、また、生まれた日からずっと世話をしてくれた女性マリリアは、彼の一番の親友だった。そして、実験台はというと...。
○LA SOURCE DES FEMMES (THE SOURCE)
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
フランス、モロッコ、ベルギー、イタリア/2010年/136分
<解説>
舞台は現代の北アフリカから中東にかけての小さな村。女性たちは太古の昔から続けられてきた習慣から、照りつける太陽の下、高地にある泉へと毎日水を汲みに行く。そんな中、若き妻レイラは村の女性たちにセックスストライキを提案する。それは男たちが村に水を運んでこない限り、抱擁もセックスもなし、というものだった。
○LE GAMIN AU VELO (THE KID WITH A BIKE)
監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:セシル・ドゥ・フランス
ベルギー、フランス、イタリア/2011年/87分
<解説>
もうすぐ12歳を迎える少年シリル。彼の頭の中にあるのはただ1つ。かつて一時的に自分を児童相談所へ預けた父を見つけることだった。ある日、シリルは美容院を経営するサマンサと出会い、週末を彼女の家で過ごすこととなる。だが、シリルはサマンサが向ける愛情に気付くことができずにいた。自分の怒りを静めるために彼が必死に求めていたその愛情に...。
○LE HAVRE
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド、フランス、ドイツ/2010年/93分
<解説>
元作家で有名なボヘミアンのマルセル・マルクスは、港町ル アーブルで隠棲を送っていた。彼は立派な仕事だけれどほとんど稼げない靴磨きをしながら、人と身近に接することのできる喜びを感じていた。作家として大成するという夢をあきらめ、馴染みのビストロと仕事と妻アレッティという3点のトライアングルの中で幸せに暮らしていたある日、運命のいたずらか、突如としてアフリカ出身の黒人の移民の子供と出会う。同じ頃、妻が重病に冒され寝たきりとなり、マルセルは再び、唯一の武器である生来の楽観主義と近所の人々との堅い連帯感を味方に、人間の無関心という冷たい壁に立ち向かう。ところが彼の前には、西側法治国家の無分別な仕組みが立ちはだかり、警察の万力によって難民の少年は次第に締め付けられていく。さあ、マルセルが自分の靴を磨いて立ち上がるときがやってきた。
○MELANCHOLIA
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルステン・ダンスト, シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザーランド
デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ/2011年/130分
<解説>
新郎新婦のジャスティンとマイケル。2人の結婚パーティーがジャスティンの姉夫婦の家で盛大に行われていた。その間、メランコリアという惑星が地球に向かっていて...。
○MICHAEL
監督:マルクス・シュラインツァー
オーストリア/2011年/96分
<解説>
10歳のヴォルフガングと35歳のミヒャエルが強いられた共同生活の最後の5ヶ月間を描いた作品。
○PATER
監督:アラン・カヴァリエ
出演:ヴァンサン・ランドン
フランス/2011年/105分
<解説>
ヴァンサン・ランドンとアラン・カヴァリエ。2人はまるで父子のように親しい友人同士。バーでポルトワインを飲みながら、どんな映画を一緒に作ろうかと語り合う。時にはスーツにネクタイ姿で権力者のふりをし、人がどれほど困惑するか試して大笑いしたり、ほんとに個人的なちょっとしたほらを吹いたりする。そして、いつもある疑問が残る。決して答えのない「映画というのは本当に空想なのだろうか」という素晴らしい疑問が。
○POLISSE (POLISS)
監督:マイウェン
フランス/2011年/127分
<解説>
パリ警視庁の未成年保護分隊(BPM)。彼らの日常は、小児性愛者を拘束し、未成年すりを逮捕するだけで終わるのではなく、ランチタイムには互いの恋の悩みを打ち明けあうこともある。本作品には、虐待を犯した親への聴取や子供たちの証言、青少年に広がる乱れた性の実態、同僚との連帯、想像もつかない場面でのつい大爆笑してしまう瞬間、そして、最悪の存在を知りそれと共に生きていく彼らの姿が収められている。警官らは自分たちのプライベートと、日々直面する現実との均衡をどのように保っているのか。神経過敏な隊員のフレッドは、分隊の写真集を作成するために内務省から派遣されたカメラマン、メリッサの視線に耐えることができずにいた。
○SLEEPING BEAUTY
監督:ジュリア・リー
オーストラリア/2010年/104分
<解説>
ルーシーは学費を稼ぐために複数のアルバイトを掛け持ちする大学生。ある日、彼女は小さな求人広告から「眠れる森の美女」という一風変わったアルバイトを始める。眠りにつき、やがて目覚めてみると、一見何も起こっていないように見えるのだが...。
○THE ARTIST
監督:ミシェル・アザナヴィシス
フランス/2011年/100分
<解説>
1927年、ハリウッド。ジョージ・バレンタインはサイレント映画のスターで人気者。しかし、音の出る映画の到来が彼の存在感を薄め人々の忘却の中へと追いやる。一方、若い端役のペピー・ミラーはスターダムに押し上げられていく。
○ツリー・オブ・ライフ
監督:テレンス・マリック
出演:ブラッド・ピット、ショーン・ペン
アメリカ/2011年/138分
<解説>
1950年代のテキサス。ジャックは威圧的な父と寛容で優しい母の間ですくすくと育つ。やがて2人の弟が生まれるとその無条件の愛情は自分だけのものではなくなり、さらには息子たちの成功に固執する父の異常なまでの個人主義に反感を抱くようになる。そしてある日、その不安定な平静を壊す痛ましい事故が起こる。
○THIS MUST BE THE PLACE
監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:ショーン・ペン
イタリア、フランス、アイルランド/2011年/118分
<解説>
かつてロックスターだったシェイエン。50歳となった現在、いまだに「ゴス」調ファッションを守りつつ、ダブリンで印税生活を送っていた。絶交していたた父の死によりニューヨークへ渡った彼は、そこで父があることに固執していたことを知る。それはかつて受けた侮辱の恨みを晴らすというものだった。シェイエンはその真相を探る決意をし、自分なりのペースでアメリカ横断の旅へと出かける。
○WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN
監督:リン・ラムジー
イギリス/2011年/110分
<解説>
エヴァは自らのキャリアと夢をあきらめ、ケヴィンを出産する。母と息子のコミュニケーションは早くからうまくいかず、16歳になったケヴィンは取り返しのつかない罪を犯してしまう。自分は息子を一度も愛していなかったのだろうか。ケヴィンの犯した罪における自分の非とは何だったのか。エヴァは罪悪感と母性の間で悩み苦しむ。