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武士の誇りと家族愛を描く、究極の人間ドラマ
第64回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に、三池崇史監督作「一命」の正式出品が決定した。
貧しくとも、愛する人と共に生きることを願い、武家社会に立ち向かった二人の侍の生き様に、心が震える感動作。1958年に発表され、1962年には映画「切腹」とし世界に名を轟かせた伝説の物語『異聞浪人記』が、今、50年余の時を経て、再映画化。
主演に、比類なき存在感と天賦の才で、他を圧倒する歌舞伎俳優・市川海老蔵と、繊細な演技に定評のある若き実力派俳優・瑛太。企画・プロデューサーに「おくりびと」「十三人の刺客」の中沢敏明、「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」のジェレミー・トーマス。鬼才・三池崇史監督が、時代劇初の3D作品として切り開いた新境地。
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タイトル: 一命
海外版タイトル: HARA-KIRI: Death of a Samurai
企画・プロデューサー: 中沢敏明、ジェレミー・トーマス
原 作: 滝口康彦『異聞浪人記』
監 督: 三池崇史
脚 本: 山岸きくみ
出 演: 市川海老蔵、瑛太、役所広司、満島ひかり、他
制作プロダクション: セディックインターナショナル
配 給: 松竹
公 開: 2011年10月
公式サイト: www.ichimei.jp
【配役】
市川海老蔵: 津雲半四郎(つくも・はんしろう)役
*浪人。元芸州広島・福島家家臣。
瑛太: 千々岩求女(ちぢいわ・もとめ)役
*浪人。元芸州広島・福島家家臣。美穂の夫。
満島ひかり: 美穂(みほ)役
*半四郎の娘。
役所広司: 斎藤勘解由(さいとう・かげゆ)役
*井伊家家老。
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◆映画祭出品にあたってのコメント
いつもと同じ春ならば、どんなに嬉しかったことでしょう。でも、だからこそ、しっかり顔を上げ、前進あるのみです。
三池崇史(監督)
三池監督のようなとても野心的で偉大な監督の作品をカンヌのコンペティションに出品することができ、大変嬉しく光栄です。今回は私にとってもコンペ部門に挑戦する3本目の日本映画です。三度目の正直、と言うことで幸運が舞い込んでくることを祈っています。
ジェレミー・トーマス(エグゼクティブ・プロデューサー)
◆原作『異聞浪人記』について
著者:滝口康彦(本名:原口康彦)
1924年、長崎県佐世保市出身。郵便集配員や運送会社員を務め、44年に海軍の相浦海兵団に入団、防府海軍通信学校に転属。戦後は炭鉱員として働く傍ら、小説やラジオドラマを書いては懸賞に応募した。57年発表の『高柳父子』で初の直木賞候補。以後も『かげろう記』『仲秋15日』など計6回同賞候補に選ばれた。封建制下に生きる下級武士や庶民の苦悩、葛藤を描き続けた滝口文学。
映画「一命」の原作である『異聞浪人記』は1958年発表、第54回サンデー毎日大衆文芸入選作品。1962年には「切腹」(小林正樹監督/仲代達也主演)として映画化され、同作は第16回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。
2004年、死去。時代小説を通し、常に世の不条理を問う作品群には現代にも通じる「体制と個」という根幹的なテーマが貫かれている。