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壮絶なる愛の実話をもとに描いた「死にゆく妻との旅路」が、2月19日(土)より物語の舞台である石川・富山にて先行上映、2月26日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町にて公開となった。
本作は、1999年に実際に起きた、保護責任者遺棄致死事件の当事者である清水久典氏が『新潮45』に著した、清水夫妻の272日、6,000kmの旅の記録。この道行に「愚かさの中の純粋さ」を見たと語る塙幸成監督の演出によって、事件の裏で報道されなかった夫婦の生き様と死に様、泉のように湧き上がる妻への愛、夫への愛を、三浦友和と石田ゆり子が静かに深く演じた。
2月26日(土)、ヒューマトラストシネマ 有楽町にて主人公の清水を演じた三浦友和と妻・ひとみを演じた石田ゆり子、塙幸成監督が、初日舞台挨拶を行った。
【一言挨拶】
塙監督: 今日は2月の末でまた冷え込んだのですが、お越し頂いてありがとうございます。映画をもう見られたかと思いますが、皆さん是非2度3度お越し頂ければと思います。よろしくお願い致します。
三浦: 初日に足を運んで来て頂けただけで、土曜日だとずっと寝ていたいはずなのに感無量です。ありがとうございます。
石田: みなさんこんにちは。本日はお忙しい中ありがとうございます。映画を観終わった後の皆さんに会うのが初めてで、なんだか沈んだ空気を感じます。大丈夫だったでしょか(笑)この映画は今日から皆さんの手に渡っていく訳で本当に感無量です。ありがとうございます。
【撮影時の苦労、エピソードは?】
塙監督: ほとんどがマツダボンゴ(車)内での撮影で、非常に狭くどうやって持たせるか…2人の芝居で、飽きさせず持たせる事が出来ました。ロードムービーなので(移動距離が多く)2人にひどい仕打ちをしました(笑)。 お二人とも人格が出来ていて、怒られずに済みました。
【特に思い出すシーンはどこですか?】
三浦: 実際の場所を使っての撮影は難しいのですが、強行スケジュールで土日にかけて(高速料金が)1000円の時に低予算映画はそこを利用する事が多いんですね! 特に姫路城なんかは観光客が多くて大変でしたね。私に興味がなくても「撮影だ!」と(周りが)なるから、ちょっとそこが大変でしたね。
石田: ロードムービーという事でドキュメンタリーのように順番で撮影をしたんですね。私は結婚をしていないものですから、やはり夫婦、奥さんとしての空気はどう出したらいいのか…まして孫のいる役はさすがに初めてだったので戸惑いました。でもこんな素敵な友和さんと一緒にいれてうれしかったです!(笑)
三浦: ありがとうございます!
【共演者である三浦さんについては?】
石田: ほとんど車の中で、ほぼ密室、ぎりぎりの所で夫が介護をしてくれるという事が現実にあったという、それを芝居する事にちょっと時間がかかりました。
三浦: (石田さんに)扱いが乱暴だと言われました、頭の置き方が…(笑)
石田: 意外に力強い置き方を…それも含めて楽しかったです(笑)
【夫婦の絆を感じたりはしましたか?】
三浦: そうですね。人事ではない、どこにでも起こりうる話だという事だと改めて自分自身、夫婦の在り方や、また、これからのことを考える機会になりました。
【公式HPで“あなたに言っておきたいこと”キャンペーンとして、大切な人に言っておきたいメッセージを募集しました、代表して2つお二人にご紹介頂きます。】
三浦: (原作者・清水さんのメッセージ)「いつでも逢うことが出来るよ。ずっとひとみに生かされてるよ。ありがとう、頑張るよ」
石田: (インターネットでの応募者)「来年は結婚10周年、ありがとうを10回言わせて下さい。そして50周年の時は50回言わせて下さい。その時もしボケてて数えられなくなったら君の手と足の指を貸してください」
【皆さんどんなお気持ちになられましたか?】
塙監督: 長い時間を経るとどんな小さい事でも胸がいっぱいになりますよね。
三浦: (清水さんのメッセージ)「いつでも逢うことができる」いろんなとり方ができますよね。
石田: 言われてみたいです(笑)。 すごく温かい優しいかわいいメッセージで、奥さんがうらやましいですね。
三浦: いいですよね。「ありがとう」となかなか言わなくなりますよね。この映画の中で印象的だったのが「名前で呼んで」というシーンがありますよね。僕も実際お父さんお母さんという呼び合いになっているので、ああいう心境って、女性の中にはあるのかなぁと思いましたけど。でも家でそう呼ぶ訳じゃないですけどね、絶対!(笑) 石田さんはあの「オッサン」って呼ぶ気分はどうでしたか?
石田: 最初は呼びづらかったですね、オッサンよりオッチャンの方がいいのかな…。だんだん「オッサン」という名前の人みたいになってきて、そう思えば呼べる気が…。
三浦: (客席に向かって)やっぱり女性は名前で呼ばれたいものなんですか? あぁそうなんですか…。
【最後に一言】
塙監督: 静かな映画になりました。2人の芝居がいい映画になりました。
三浦: 今日おひとりで来ている方も多いと思いますが、是非ご夫婦で観て頂きたいと思います。(私の)看板(名前のボード)も作って頂いてありがとうございます。
石田: まだ冷静に観る事ができず、感想をインターネットやメールなどで教えて頂ければ嬉しいです。今日は足を運んで頂いてありがとうございました。