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1月19日(水)、劇中で威厳のある父役を演じた吉川晃司及び木村祐一監督による舞台挨拶付き特別試写会が行われた。新社会人という若者が、今後「ワラライフ!!」な人生を送るために必要なものとは? 事前に募集した一般からの様々な質問にも答えてもらい、 “アニキ”なイメージのある2人から、『人生のアドバイス』が送られた。
【登壇者のコメント】
MC: 明日が今日より幸せになる。木村祐一監督ならではの暖かく優しい映画「ワラライフ!!」。まずはお二人から一言ずつご挨拶を頂きましょう。
吉川: 新社会人ということで・・・。どういうものさしで新社会人ということなんですかね?
木村: 高校・大学を卒業した人や、主婦から新社会人へというのもありますよね。でも不安もあることでしょう。社会に出ること、明日も新しい一日がくること。それは特別なことになっていくでしょう。この日この時間に観て頂き、観てよかったと思っていただけたら嬉しいです。昔の朝礼の話とか、あまり覚えてないと思うんですけど、何だかわからないけど強く覚えていることってありますよね。意味のないことはないんです。そう思うってことってすばらしいですよね。そして今日、足を運んでいただいたことがすばらしいので、ぜひ楽な気持ちで観てください。
MC: 今日はお二人には本作のキーカラーにもなっている赤を身に着けていただくお約束ですよね?
木村: 着けてますよ!(赤いネクタイを指しながら)
吉川: 俺もちゃんと着ていますよ!(ズボンから赤いパンツを見せ、さらにブーツの赤い裏地を見せる)
(会場が笑いとどよめきで溢れる)
MC: 何で赤なのでしょうか?
木村: 赤が好きなんです。中・高のころ、周りの男子は青や緑ばかり着ていたんですけど、その差が面白いなって。母も好きなんです。なので自然に入ってきましたね。それで映画にも使いたいなと思って。
MC: 木村監督、本作の重要な役柄、主役しずる村上純さんの父親に吉川晃司さんをキャスティングした理由を教えてください。
木村: 数か月前に対談して、まっすぐ、大きく周りを見て包み込むような人だけど、子供っぽい。そこが面白いと思いました。写真撮影の時もポーズをとってくれたり、(木村監督の出身地)京都の料理が出てこないと突っ込んできたり。。。それに、家族への思いやり・理解があるので、任せられるなと思いました。
吉川: 昔、姉貴のお古で花の付いた服をよく着させられていました(笑) そうすると姉ちゃんが喜ぶんですよ。アップリケだらけでしたけど、今は破れてるのもはけるし、それがファッションなんですが。。。昔はシャツもインですよ。
木村: 昔はみんなインでした(笑)この映画でも当時のシーンではみんなインですね。
MC: オフアーを聞かれていかがでしたか?
吉川: 脚本がよかったんです。木村監督の現場に行くと、すでに空気が作ってある。この人やるなと思いました。父親役ということは複雑でしたけど(笑)
MC: ワラライフ!!とは一体どういう意味なのでしょうか?
木村: 「What a wonderful life!」という慣用句で、しゃべり言葉ではないんですが、それを短くしたものです。飯を食った時の「やべー」とか 風呂に入った時の「幸せ!」のような、些細な喜びをワラライフ!!って言ってみれば、うれしくなると思うんです。
MC: 吉川さん、最近あったワラライフ!!な出来事を教えて頂けますか??
吉川: ナマコですかね。ガキの頃から大好きで、正月はナマコがないと過ごせません(笑) 去年の年末はライブで、河岸に行けず、なじみの魚屋にもなくて、心に隙間が空きました。5日に河岸が開いて、そこから毎日食べてました。
木村: 僕、ナマコダメなんですわ。。。
吉川: ナマコ好きって少ないんですよね。食べたことない人?
(会場の方々がたくさん挙手。) 人生半分損してますよ!日本酒に合うんです。
木村: 2011年はナマコ食べます!
MC: 事前のアンケートで新社会人の方々よりご質問を頂いております。皆さんが今後、「ワラライフ!!」な人生を送って頂ける様、質問にお答えいただきたいと思います。
質問1: 今まさに就職活動中です。希望する会社にことごとく落ちています。どうすれば受かりますか?
木村: 昔、男は黙ってビール・・・というCMがありましたけど・・・
吉川: トマトジュースじゃなかったっけ?
木村: トマトジュースって、それ、おかしいでしょ!
吉川: (映画のキーカラーの)赤を入れてみたんですよ(笑)
木村: でも、そのビール会社に面接を受けに言って、面接中ずっと無言だったのに、最後の最後になって「男は黙ってビール!」と言って受かった人がいたらしいんですよ!そうやって開き直ってみるのもありかも。全部落としてみろみたいな。無理して入ろうとしなくてもいいと思うんです。
吉川: 僕は、何で履歴書に失敗談の欄が無いのかなと思います。日本人って建前を気にするけど、こんな失敗・酷い目にあってるって書けば、この人は山を越えているんだなってわかる。
木村: そういうエピソードが読みたいですね。人間が見えるというか。
吉川: 20社落ちたとか、あとになれば自慢になるかもしれないですよね。
木村: 逆に使ってみたくなりますね。普通のやつはいらんという会社とかはね。頼もしいです。
質問2: 就職を機に地方から出てきました。家賃が高すぎます。どうにかしてください。
(木村・吉川、顔を見合わせて笑う)
木村: 一駅ずつずらすとかどうでしょう(笑)
吉川: 住みたい家の周りで変な噂流すとかね。「あの家変なことがあったらしいですよ」、とか言って。家賃が安くなるかもね。シェアとかはいいんじゃない。人間関係とか気難しいけど、いい経験になる。
質問3: 学生時代ずっと恋人がいませんでした。モテモテになるにはどうすれば良いですか?
木村: 吉川さんは水球部ですごかったんでしょ。広島にすごいやつおるって。僕も16、7の時はロックバンドですごかったんです。
吉川: 突っ込むところですか?(笑)
木村: キャロルとかクールスをリーゼント姿でやってましたよ。
吉川: すごくそれ見てみたいですね。
木村: モテモテにならなくてもいいと思うんです。
吉川: やっぱり個性!
木村: そっ!!興味ある人間になることが大事だと思うんです。
吉川: くじけないでほしいですね。自分も学生時代フラれて3日飯が食えなかったときがありました。それで母が俺の友人に電話したりとかして・・・。
木村: おかんの前で泣いたりね。
吉川: 今じゃないでしょ?
木村: 昔ね、昔(笑)
吉川: 当たって砕けて慣れるんです。最初しんどいけど。
木村: 恥ずかしさとか考えないで。
吉川: 女性でも同じです。むしろその方がありがたい(笑)年を取ると変わったりしますしね。
質問4 : お二人の様にかっこいい大人になりたいです。今からなにを頑張れば良いですか?
吉川: 初志貫徹ですね。自分を通すこと。まあ、なかなかできない世の中ですけどね。人に迷惑をかけないことも大事。ま、かけてしまうものだけど。
木村: めざす人がいるなら、嫌われても自分からついていくことですね。
吉川: 仕事も恋も受け身ではもったいないですからね。
MC: 最後に、「ワラライフ!!」な人生に大切なものとはどの様な物でしょう?
木村: 何もなくてもマイナスではないんです。それはゼロじゃなくプラスってことですよね。そういうふうに何でも喜びに変えるんです。急がなくてもいいんです。僕にも偉大な先輩がたくさんいるけど、一番じゃなくても十番でもいいんですよ。それが日本一の十番なら。そういう考えって大切だなと思います。
吉川: 自分に飽きないことですかね。冷めた感じとか、損ですよね。確かにそのほうが楽で賢明だけど。遠回りっていうのもワラライフ!!なんじゃないかな。だから何でも、自分にも、興味を持つようにしています。いつも楽しい・悲しい・辛いけど、幅があったほうがいい。悪いことと良いこと、順番があって、いつもくっついてくると思うんです。
MC: 最後にお二人から一言ずつご挨拶を頂きたいと思います。
吉川: 泣きたいときとか、いつも観るDVDが何本かあるんです。2年に1回くらいとかで、そうやって20年経って染みてくるような、「ワラライフ!!」はそんな長く付き合える、新社会人が40,50歳になったときにもうまみがわかる映画です。
木村: 今日は時間を割いてくださってありがとうございました。この日、この時間、映画を観たことを自慢に思ってくれればと思います。