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カンヌで沸いた前作「ブロークン・フラワーズ」(審査員特別グランプリ受賞)から約4年−。ジム・ジャームッシュ監督の最新作「リミッツ・オブ・コントロール」が9月19日より、シネマライズ他全国で公開され、唯一日本人として抜擢された工藤夕貴が初日舞台挨拶に登壇し、「ミステリー・トレイン」以来20年ぶりとなるジャームッシュ監督とのエピソードなどを語った。
この映画に出ることになったきっかけについて:
「ニューヨークのマネージャーから電話があり、ジムの新作の話があるということでしたので、オーディションを受けるのかと思っていたら、実際に出てほしいんだ、と。私がOKなら来月マドリードに飛んでほしいという話でした」
出演が決まって:
「台本をもらうと膨大な台詞の数に気おされました。相手は相づちも打ってくれないようなシーンなので、2ページずっとしゃべりっぱなしじゃない、と。台詞の言い回しも難しいし、英語の分かるジムの前で英語で芝居することにプレッシャーを感じました。こんなに私はプレッシャーに弱かったのかというくらいに・・・。外国人はあまりリハーサルをしないので、グラスを持つシーンだったので、持つ手がガタガタ震えてカチカチ音がするくらいに緊張しました」
「言葉のニュアンスやしゃべり方で全然違うので、英語で演技している自分のことが気になって仕方がなかったですね。ジムは近しい人なので、普通のハリウッドの映画に出るのとは違いましたね」
ジャームッシュ監督のこと、現場でのエピソード:
「ジムはとても細やかな人で、衣装も最初はブランドものの銀のスーツが用意されていたのですが、私の演じた役は“分子”ということだったので、スペインが発祥地の水玉、ポルガドットで分子に重なる水玉を使いたいということで、オートクチュールですぐに私のサイズに合わせて作り直しました」
「「ミステリー・トレイン」に出演してからの20年間の間には、マーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」のプレミアで再会したりしましたし、日本に来た時に私もいれば、一緒に会ったりはしていました。」
「リミッツ・オブ・コントロール」についてメッセージ:
「独特な雰囲気をもっている作品なので自分でも楽しみにしていました。普通の作品ではないが、ジムの映画は感性が触発される作品です。(観た後には)自分がおしゃれな人間になったような気持ちで帰れる映画なので、ぜひいろんな方に声をかけてください。映画は観られてなんぼのものなので、大きなスクリーンでぜひ観てほしいです」
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