1940年。少しずつ、戦争の足音が日本に近づいてきた頃。聡子は貿易会社を営む福原優作とともに、神戸で洒脱な洋館で暮らしていた。身の回りの世話をするのは駒子と執事の金村。愛する夫とともに生きる、何不自由ない満ち足りた生活。
ある日、優作は物資を求めて満州へ渡航する。満州では野崎医師から依頼された薬品も入手する予定だった。そのために赴いた先で偶然、衝撃的な国家機密を目にしてしまった優作と福原物産で働く優作の甥・竹下文雄。二人は現地で得た証拠と共にその事実を世界に知らしめる準備を秘密裏に進めていた。
一方で、何も知らない聡子は、幼馴染でもある神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森泰治に呼び出される。「優作さんが満州から連れ帰ってきた草壁弘子という女性が先日亡くなりました。ご存知ですか?」
今まで通りの穏やかで幸福な生活が崩れていく不安。存在すら知らない女をめぐって渦巻く嫉妬。優作が隠していることとは――?聡子はある決意を胸に、行動に出る……。
新着映画情報
蒼井優 |
監督:黒沢清 |
2020/日本/アメリカンビスタ/115分 |
太平洋戦争前夜。愛と正義に賭けたふたりが たどり着くのは、幸福か、陰謀か――。
すべての国民が同じ方向を向くことを強いられていた太平洋戦争開戦間近の日本。正義を貫くためには、誰かを陥れなければならない。愛を貫くためには、誰かを裏切らなければならない。正義、欺瞞、裏切り、信頼、嫉妬、幸福。相反するものに揺られながら、抗えない時勢に夫婦の運命は飲まれていく。
主演は日本アカデミー賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る、実力派女優・蒼井優。「ロマンスドール」(19)に続き、高橋一生が蒼井と夫婦を演じる。監督は名匠、黒沢清。本作で第77回ベネチア国際映画祭・銀獅子賞(監督賞)を受賞した。
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