19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させたトーマス・エジソンは天才発明家と崇められ、大統領からの仕事も平気で断る傲慢な男だった。裕福な実業家ジョージ・ウェスティングハウスは、大量の発電機が必要なエジソンの“直流”より、遠くまで電気を送れて安価な“交流”の方が優れていると考えていた。若手発明家のテスラも、効率的な“交流”の活用を提案するが、エジソンに一蹴されてしまう。ウェスティングハウスは“交流”式送電の実演会を成功させ、話題をさらう。そのニュースにエジソンは激怒、“交流”は危険で人を殺すと、ネガティブキャンペーンで世論を誘導していく。こうして世紀の“電流戦争”が幕を開けた!訴訟や駆け引き、裏工作が横行する中、ウェスティングハウスはエジソンと決裂したテスラに近づく──果たしてこのビジネスバトルを制するのはどちらか──?
新着映画情報
『エジソンズ・ゲーム』
配 給 : | KADOKAWA |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2020年06月19日 |
映画館: | TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開 |
ベネディクト・カンバーバッチ |
監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン |
2019/アメリカ/シネマスコープ/5.1ch/108分/字幕翻訳:松浦美奈/字幕監修:岩尾徹 |
未来を照らすのは、誰だ。天才発明家 VS カリスマ実業家
世紀の発明王トーマス・エジソンほどの天才にも、最強のライバルがいた。彼の名前はジョージ・ウェスティングハウス、“頭脳でトップに立つクリエイター”であるエジソンに対して、“戦略で支配を広げるカリスマ実業家”だ。この二人による壮絶なビジネスバトル〈電流戦争〉を描く。
当初、本作はワインスタイン・カンパニーの作品として、2017年にトロント国際映画祭でお披露目され全米公開を予定していた。しかし共同創業者のハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ疑惑が発覚、同社は破産に追い込まれ、映画は公開延期を余儀なくされた。その後、ワインスタイン・カンパニーは買収され、セクハラ疑惑が発覚した後に同社を退社していた役員が設立した101 Studiosという配給会社により、遂に昨年10月、全米公開を実現したばかり。この復活劇に一役買って出たのは、巨匠マーティン・スコセッシ監督だ。当初のトロント映画祭で披露された本編は、ワインスタイン・カンパニーの強い圧力によってまとめられた、製作陣にとって不本意なバージョンだったという。アルフォンソ・ゴメス=レホン監督の師匠で本作の製作総指揮であるスコセッシ監督は、それを完成版と認めず製作陣による再編集を支援した。監督たちは、超多忙なスター俳優たちを集め、たった1日限りの再撮影を敢行。元のバージョンから10分を削り、新たに5つものシーンを追加した渾身の“ディレクターズ・カット”を完成させ、2年越しの全米公開を成し遂げた。
エジソンを演じるのは、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(14)のベネディクト・カンバーバッチ。対するライバルのウェスティングハウスには「シェイプ・オブ・ウォーター」(17)のマイケル・シャノン。さらに、二人の対決の鍵を握る若き天才科学者テスラに「女王陛下のお気に入り」(18)のニコラス・ホルト、エジソンを支える助手に「スパイダーマン」最新シリーズのトム・ホランド。