マグニチュード9.0、最大震度7という巨大地震が起こした想定外の大津波が、福島第一原子力発電所(イチエフ)を襲う。浸水により全電源を喪失したイチエフは、原子炉を冷やせない状況に陥った。このままではメルトダウンにより想像を絶する被害をもたらす。1・2号機当直長の伊崎ら現場作業員は、原発内に残り原子炉の制御に奔走する。全体指揮を執る吉田所長は部下たちを鼓舞しながらも、状況を把握しきれていない本店や官邸からの指示に怒りをあらわにする。しかし、現場の奮闘もむなしく事態は悪化の一途をたどり、近隣の人々は避難を余儀なくされてしまう。
官邸は、最悪の場合、被害範囲は東京を含む半径250km、その対象人口は約5,000万人に上ると試算。それは東日本の壊滅を意味していた。残された方法は“ベント”。いまだ世界で実施されたことのないこの手段は、作業員たちが体一つで原子炉内に突入し行う手作業。外部と遮断され何の情報もない中、ついに作業は始まった。皆、避難所に残した家族を心配しながら──
新着映画情報
佐藤浩市 |
監督:若松節朗 |
2020/日本/122分 |
奇跡は起きると、信じたからこそ──
2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。日本人誰もが経験し、全世界が震撼した3.11。その最前線で戦い続けた人々の物語。
原作は、関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト門田隆将渾身のノンフィクション作品『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。想像を超える被害をもたらした原発事故。現場では何が起きていたのか?何が真実なのか?浮き彫りになる人間の強さと弱さ。現場と本社、そして官邸との軋轢。東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った職員たちは、家族を、そしてふるさとを守るため、いかにしてこの未曾有の大事故と戦い続けたのか─。出演は、福島第一原発1・2号機当直長・伊崎利夫役に佐藤浩市、福島第一原発所長、吉田昌郎役に渡辺謙。
そして今回、日本映画としては初めて、米軍が撮影に協力。2011年当時に実施された被災地を支援する米軍の「トモダチ作戦 」(Operation Tomodachi) が本作でも描かれ、2019年1月28日、在日米軍横田基地において日本映画としては初めてとなる撮影が実施された。作戦会議のシーンを撮影するために施設内にある実際の作戦会議室が貸し出されたほか、米軍所有のヘリ “UH-1”を実際に飛ばし、東北支援に向けて発進する迫力のシーンが撮影された。
©2020『Fukushima 50』製作委員会