90年代初頭のパリ。HIV/エイズが発生してからほぼ10年の間に、その脅威が広がるなか、政府も製薬会社もいまだ見て見ぬ振りを決め込んでいた。仲間が次々と亡くなっていくなか、業を煮やした活動団体「ACT UP-Paris」のメンバーたちは、より過激に人々へ訴える手段に出る。彼らにとってこれは文字通り生死をかけた闘いであり、一刻の猶予もならない事態だったのだ。そんななか、新たにメンバーとなったナタンは、グループの中心的な存在であるショーンに出会い、ふたりは徐々に惹かれ合うようになる。だが、ショーンはすでにHIVに感染しており、自分の運命を自覚していた―。
新着映画情報
『BPM ビート・パー・ミニット』
原題:120 battements par minute / BPM
配 給 : | ファントム・フィルム |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2018年03月24日 |
映画館: | ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国ロードショー |
ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート |
監督:ロバン・カンピヨ |
2017/フランス/シネマスコープ/5.1ch/143分/R15+ |
全力で生きて、愛して、闘った――
第61回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「パリ20区、僕たちのクラス」(08)の脚本・編集を担当したロバン・カンピヨ監督の長編第3作にして第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。カンピヨ監督は実際に当時ACT UPのメンバーであり、自らの体験を元に脚本家のフィリップ・マンジョとともにストーリーを構築した。それだけに、当時のパリの空気やメンバーたちの活動ぶりがヴィヴィッドにスクリーンに再現されている。
ACT UP(the AIDS Coalition to Unleash Power)とは、1987年にニューヨークで発足したエイズ活動家団体。エイズ政策に感染者の声を反映させることに力を入れ、差別や不当な扱いに抗議して、政府、製薬会社などに対しデモなどの直接行動に訴えることもしばしばある。現在は全米各地やフランス、インド、ネパールなどでもACT UPが結成されている。
© Céline Nieszawer