医療ミスにより患者を死亡させ病院を追われた医師シュテルンは、難民キャンプで働きながら、難民から金を受け取り違法に難民を逃していた。医療過誤による訴訟を遺族に取り下げてもらうには、賠償金と同等額の金を受け取らせるしか方法がないと考えているからだった。
ある日、被弾し瀕死の重傷を負ったシリアの少年アリアンが運び込まれる。診察を始めようとすると、突然アリアンが「何かが変なんだ」と、重力を操りその場で浮遊してみせる。驚きを隠せないシュテルンが席を外している間に、アリアンが消えてしまう。そんなところへ、国境警備隊のラズロが現れる。ラズロの訪問でアリアンに残された銃創は、ラズロの違法な発砲で負った傷だったことを知る。しかしラズロは、シュテルンの違法行為に目を瞑る代わりに、今回の発砲についてのもみ消しを強要する。ラズロの要求を突っぱねたシュテルンはアリアンを見つけ、キャンプから連れ出してしまう。
最初はラズロに対する怒りからだったが、アリアンの空中浮遊の能力が金儲けに使えると思いつく。そんなときアリアンが、ハンガリーへの入国の際に彼のかばんを預かったまま消えた男に遭遇、地下鉄まで追いかけるが、その男が自爆テロを起こす。
警察の検証が始まると、爆発を起こした男の荷物からアリアンと彼の父親のパスポートが見つかる。そこへラズロも駆けつけ、好機とばかりにこの2人は難民キャンプの医師であったシュテルンが逃したテロリストだとして指名手配させるのだった―。
新着映画情報
『ジュピターズ・ムーン』
原題:Jupiter’s Moon
配 給 : | クロックワークス |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2018年01月27日 |
映画館: | 新宿バルト9ほか全国ロードショー |
メラーブ・ニニッゼ |
監督:コーネル・ムンドルッツォ |
2017 /ハンガリー・ドイツ/英語・ハンガリー語/シネマスコープ/5.1ch/128 分/字幕翻訳:横井和子/PG12 |
人生に敗れた男が出会ったのは、宙を舞う少年――
かつて飼い犬だった雑種犬たちと人間の闘争を描いた「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」(14)のハンガリーの俊英、コーネル・ムンドルッツォ監督最新作。人生に敗れた医師と不思議な力を持つ少年の命をかけた逃亡を、移民問題、テロリズムなどの問題を内包しながらも、圧倒的な映像表現で描く。シッチェス・カタロニア国際映画祭2017 ファンタスティック・コンペティション部門で最優秀作品賞と視覚効果賞を受賞したほか、前作に続き、世界各地の映画祭を席巻中。
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