1919年、戦争の傷跡に苦しむドイツ。婚約者のフランツをフランスとの戦いで亡くしたアンナも、悲しみの日々を送っていた。ある日、アンナがフランツの墓参りに行くと、見知らぬ男がフランツの墓に花を手向けて泣いている。戦前にパリでフランツと知り合ったと語る男の名はアドリアン。アンナとフランツの両親は彼とフランツの友情に感動し、心を癒される。だが、アンナがアドリアンに“婚約者の友人”以上の想いを抱いた時、アドリアンが自らの“正体”を告白する。しかしそれは、次々と現れる謎の幕開けに過ぎなかった──。
新着映画情報
ピエール・ニネ |
監督:フランソワ・オゾン |
2016/フランス・ドイツ/仏語・独語/シネマスコープ/モノクロ・カラー/5.1ch/113分/字幕翻訳:丸山垂穂 |
モノクロ×カラーの映像美が仕掛ける 頭脳と心を揺さぶる極上のミステリー
「8人の女たち」(02)「スイミング・プール」(03)のフランソワ・オゾン監督が、第一次世界大戦終戦直後のドイツを舞台に描く、エレガントなミステリー。ミステリアスな青年・アドリアンを演じるのは「イヴ・サンローラン」(14)でセザール賞を受賞したピエール・ニネ。主人公アンナには、オゾンにオーディションで選ばれた、ドイツ映画界の期待の才能、パウラ・ベーア。イノセントな年若き女性が、降りかかる謎と嘘を乗り越え、自らの生きる道を見つけ出そうとする姿を力強く演じて、本作で見事にヴェネツィア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)に輝いた。そして、モノクロとカラーが交錯する映像美で、セザール賞撮影賞を獲得したのは、近年のオゾン作品を手掛けるパスカル・マルティ。原案は、エルンスト・ルビッチ監督の「私の殺した男」(32)。名匠の傑作をオゾン監督が大胆に再構築し、新たなエピソードを加え、全く異なるエンディングを用意した。
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