ティエリー・トグルドーは工作機械の操作員として働いていた会社から集団解雇された。不当解雇を訴えようと元の同僚たちが集まり話し合いを重ねてきたが、ティエリーには裁判と職探しを両立する気力はもうなかった。失業して1年半経つが、研修を受けて取ったクレーン操縦士の資格も現場経験ゼロが理由で就職には役立たず、面接を受けても上手く対応することができない。職業訓練の場でも、年の離れた若者からその堅さを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、夫に何一つ不満を言わない妻と、障害を抱えた高校生の息子の存在だ。家族といる時は、世間の厳しさを忘れることができる。
やっとのことで得た仕事は、スーパーの監視員だった。しかし、「誰でも疑ってかかれ」という監視の仕事は、精神的な負担があまりに大きかった。彼は、買い物客だけでなく自分の同僚たちまで不正をしていないかを監視し、発見した場合には告発しなければならない。ある日、告発によって、従業員の一人が自殺し、彼は会社側の厳しい対応に疑問を覚えるが―。
新着映画情報
『ティエリー・トグルドーの憂鬱』
原題:La Loi du Marche / The Measure of a Man
配 給 : | 熱帯美術館 |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2016年08月27日 |
映画館: | ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー |
ヴァンサン・ランドン |
監督:ステファヌ・ブリゼ |
2015/フランス/シネマスコープ/5.1ch/92分/字幕翻訳:寺尾次郎 |
まだ、勝負は終わっていない。
「母の身終い」の監督ステファヌ・ブリゼと名優ヴァンサン・ランドンが再び組んだ本作は、母国フランスで100万人が観た圧巻の社会派ドラマ。会社を解雇され、新しい職場に順応しようと苦闘する熟年男を通して、個人の尊厳と社会のシステムの矛盾を描く。ヴァンサン・ランドンは本作で2015年カンヌ国際映画祭、2016年セザール賞(仏)・主演男優賞をW受賞。
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