![ストーリー](http://www.movienet.co.jp/images/movie_icon_story.gif)
ティエリー・トグルドーは工作機械の操作員として働いていた会社から集団解雇された。不当解雇を訴えようと元の同僚たちが集まり話し合いを重ねてきたが、ティエリーには裁判と職探しを両立する気力はもうなかった。失業して1年半経つが、研修を受けて取ったクレーン操縦士の資格も現場経験ゼロが理由で就職には役立たず、面接を受けても上手く対応することができない。職業訓練の場でも、年の離れた若者からその堅さを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、夫に何一つ不満を言わない妻と、障害を抱えた高校生の息子の存在だ。家族といる時は、世間の厳しさを忘れることができる。
やっとのことで得た仕事は、スーパーの監視員だった。しかし、「誰でも疑ってかかれ」という監視の仕事は、精神的な負担があまりに大きかった。彼は、買い物客だけでなく自分の同僚たちまで不正をしていないかを監視し、発見した場合には告発しなければならない。ある日、告発によって、従業員の一人が自殺し、彼は会社側の厳しい対応に疑問を覚えるが―。