1993年、ネパールの首都カトマンドゥ。2人の犠牲者を出して失敗に終わった、日本のエヴェレスト遠征隊。カメラマンとしてチームに参加していた深町誠は、目的だった写真集もキャンセルになり、喧騒の街を独り彷徨っていた。ふと立ち寄った骨董店で古いカメラを見つける。それは、1924年にエヴェレスト登頂に挑みながらも行方不明となったイギリス人登山家、ジョージ・マロリーのカメラと思われるものだった。だが深町の前に2人の男が現われ、そのカメラは自分たちから盗まれたものだと言って持っていってしまう。その2人組のひとりに、深町は見覚えがあった。彼こそが数年前に消息を絶った孤高の天才クライマー、羽生丈治であった。
マロリーのカメラを、なぜ羽生が持っているのか。帰国した深町は山岳史を塗り替えるスクープを追うべく、まず羽生の過去を調べ始めた。彼はなぜ日本から姿を消したのか?その男がなぜカトマンドゥにいるのか?「天才クライマー」と呼ばれながら、孤高に生きてきた彼の過去を調べるうちに、深町はその生き様にのみ込まれていく。そして、羽生に人生を翻弄されながらも、彼を愛し続ける女性・涼子と出会う・・・。
深町は涼子と共に再びカトマンドゥへ向かった。羽生の居場所を突き止めたが、彼はこの地で妻と子を持ち、別の人生を歩んでいた。涼子は羽生の無事を祈りながら、身を引く覚悟を決める。一方、深町は、羽生が“冬季南西壁 単独無酸素登頂”という、前人未到の登攀(とうはん)を計画していることを知る。深町は羽生の挑戦を見届ける決意を固め、ベースキャンプで羽生を待ち受けた。「俺を撮れ。俺が逃げ出さないように」。そう言い放って独り山へ向かう羽生を、カメラを構えた深町が追う──。
新着映画情報
岡田准一 |
監督:平山秀幸 |
2016/日本/122分 |
生きて、必ず帰る
夢枕獏の世界的ベストセラー『神々の山嶺(いただき)』を、「愛を乞うひと」の平山秀幸監督が遂に映画化。実際に現地ネパール・エヴェレストに飛び、高度5,200M付近やカトマンドゥでの撮影も行いながら極限に挑んだスペクタル超大作。
©2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会